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第2回 菊地秀行「墓碑銘<新宿>」赤江漠「光堂」平成怪奇小説傑作集

ハードボイルド読書探偵局
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<アフターディテクティブコラム>
「墓碑銘<新宿>」菊地秀行『小説推理』1989年11月号/『東京鬼譚』双葉文庫(1997)
「光堂」赤江瀑『問題小説』1990年2月(徳間書店)/『光堂』徳間文庫(1996)

「墓碑銘<新宿>」は今の感覚では掴みきれないのですが、バブルってる日本にINできないというか、そういうのを抜きにしても、やはり誰からもスルーされる人の哀しさというのかなー、そういったものが新宿のビル群との対比でね…この時代のサッドネスが後々効いてきますよね。

「光堂」、これはグッときました。出だしの行に「妖怪」の文字が出てくるので「おー、妖怪かあ」と。
構造レイヤーは3でそのうち時間レイヤーは2、劇中劇レイヤーが1という構造体です。今、気が付きましたが、劇中劇レイヤーの怪奇シーンが『平成怪奇小説傑作集1』唯一の「山の怪異」じゃないかな…。読み返したのですが「山中で道に迷った」と書いてあるのでやっぱり山。こちらもサッドネス多め。この辺でコーヒーブレイクをとりたいところ。(胴元)

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