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音楽とミーム

先日、「好きな眠剤発表ドラゴン」という曲をリリースした。


タイトルは、以前私がスレッズに投稿したもので、やがて気に入ったので次出す曲のリリックに忍ばせようと考えた文字列である。
だが、そっとパロディするだけのつもりが、見えない力に導かれ、制作過程でそのバースがフックとなり、最終的にはタイトルになってしまった。

よく考えたら当たり前なのだが、「好きな眠剤発表ドラゴン」はネタツイとしてめちゃくちゃ既出であった。恥ずかしい。なんで気づかなかったんだ。facebookからやってきた老人ばかりのSNSに避難していたらネットリテラシーがすっかり下がってしまったのだろうか。もっと器用にミームを乗りこなしたい。

話は少々変わるが、私は著名なアーティストが敢えてリリースする「雑ジャケ」のアンチである。
予算がない中、いかに豪華に見えるかを必死に工夫しながらアートワークを組み立てているインディーズミュージシャンとして、私自身がシンプルに余裕がなく心が狭いという単純な理由であんまり面白がれないからだ。
2024年の雑ジャケ界の顔といえば紛れもなく、チャーリーXCXの「bratだろう。けたたましい色といい、無のフォントといい、わざとらしい解像度といい、「情報の削ぎ落とし方の妙」みたいなのが確実にあり、雑ジャケアンチのワイですらかっこいいと思ってしまう。まず、蛍光グリーンと黒というのはファッションに取り入れるとなると非常にカッコ悪くなりにくい。
当然ミームとして「謎の広がり」を見せており、おそらく、bratはこの世で最もうまくいった雑ジャケと言えるだろう。

しかし、私はチャーリーXCXのようなクソデカICONではないので、ミームの発信源になれる可能性は相当低いと思われる。
そのため、田島ハルコというアーティストはしばしば既存のミームを取り入れる。
これは、自分のオリジナルは言葉は通じないのではないかと言う懸念からであり、ミームという文字どおりのネット空間での共通言語を使えば誰かに見向きをしてもらえるのではないか?という思いからである。また、英語わからん人間が肌だけで感じ取ってる英語圏ミームの質感を取り入れようとしている(失敗している)みたいな感じのことをやりたかったりする。bitchとかcuntyに並んでエチョナとかがあったら面白いかなと思うし。

クリエイティブ上の目標としてもっといえば、既存のミームに批評性とか政治性を勝手に付け足したいとも思っている。
時給5000兆円という曲はまさにそういう目論見で作ったが、別にバズったりしないので、あんま伝わらなかったと思う。

でもこういうことをもっとうまくやれれば社会に何らかの効力をもたらすことできそうだが、どうなんだろう。
ミーム上手な人がいたらマーケティング担当者になって欲しい。

このままスベってるキャラもそれはそれでいいのかもしれないけど、実はちょっとはどうにかなりたいとは思っていますので、そこのところご理解よろしくお願いします。


おまけ「好きな眠剤発表ドラゴン」について。
(以下、メンバーシップ限定でかわいいたじはる見せます。)

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