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読書家の読んだきろく

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ワクワクした書籍のきろくを残しています。小説だいすきにんげん。いまは宗教学・政治学・自己啓発・社会学に興味しんしん。
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#エンパシー

”みんなちがってみんないい”が理想になってしまうのはなぜ?『他者と働く』を勧めたい理由

あなたの周りに”なんなんだこいつ!?”といって言ってしまいたくなるような言動をする人はいるだろうか。 いないと答えた方はこの本は必要ないかもしれないが、果たしてどれくらいの方が”いない”と答えることができるのだろうか。 多様性という言葉が多くのメディアで当たり前のように使われるようになり、金子みすずの詩『私と小鳥と鈴と』の意味を、1人1人が考えていかなければならなくなってきた。 ただ、一方で、こうした様々な意見が飛び交うような問題に直面すると、理想と現実とのギャップに頭を

嫁と姑は交わりにくい『他社の靴を履く』はエンパシー概論としておすすめな1冊

わたしの読書は近所の図書館で本を借りるところから始まる。 その図書館はそこそこ大きく、利用者数もそこそこ多い。 そこで新書を借りるというのは至難のわざで、今回読んだ本は発売から1年経過しているにも関わらず、4ヶ月ほど待った。 多くの方がそれほどまでに”エンパシー”という言葉に興味を持ったのだろうし、ブレイディみかこの語るエンパシー論を読んでみたかったのではないだろうか。 そもそもの蔵書数が1冊しかないのだけれども。 で、そもそもこの本が刊行された理由に”エンパシーという単語

私の憧れの人『アシュリー〜All About Ashley 〜』はスカッと晴れやかなかっこいい女性だ

”プロジェリア”という病をご存知だろうか? ハッチンソン・ギルフォード症候群、日本語でいう”早老症”という病の1種だ。 読んで字のごとく、早くに老いる。 人の約10倍ほどの早さで体だけがどんどん年をとっていくのだそうだ。 遺伝子異常が原因の病だそうだが、根本的な治療方法は見つかっておらず、患者の平均年齢は13〜14年程度。 今回取り上げる書籍の著者であるアシュリーは17歳11ヶ月で亡くなっている。 なんと、私はもうじきアシュリーの倍の時間を生きていることになる。 アシュリー

エンパシーって?『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で多様性について考える

この本が話題になっていた頃。 大々的に話題になっていると知らずに書店で平積み状態の黄色い表紙を見つけた。 著者の名前には見覚えがあった。 「ブレイディみかこ」 私が大好きな水野敬也さんのブログで1度目にしたことがあった。 まだ著書発売前のブログ記事ということで、何年も前から執筆活動をなさっていたブレイディさんには大変失礼ながらも、この水野敬也さんのブログ記事は非常に印象に残っていたため、 「この人、誰?の人やん」 という今となっては自分の頭をひっぱたいてやりたいくらい著者