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グルーブライン終了のお知らせを聞いて

J-WAVEの看板番組のひとつである
「グルーブライン」
が2022年9月いっぱいで終了するとのニュースが流れた。

ここ最近のピストンさんの言葉の端々から、これまでの人生の統括のようなニュアンスを感じ取っていたので、ああついに来たか、といった感想だ。

「どこへ行っても自分の居場所を探すんです」

という一言が特に印象に残っていた。

ニュース記事を読むと、24年の歴史があったとのこと。
24年前の自分といえば、ちょうど人生の舵を大きく切って生き方を変えて、渋谷スクランブル交差点の近くで仕事を始めた頃だ。
夕方からやってる面白いラジオ番組の存在を知り、それが近くのHMVで公開生放送をしていることを知り、休憩時間などに見に行ったりしていた。

おお、秀島史香さんてこんな感じなのね!(どんな感じなの)
などと驚きつつあんまり前にいくとピストンさんにいじられるから気をつけよう、などと思いながら楽しんでいた。

振り返ってみれば、それからずっと、結婚して子ども3人に囲まれる現在まで、グルーブラインは近くにあったなーとしみじみとしている(ちなみに、もう一つのラジオ番組もとても近くにあった。それは「吉田照美のやる気MANMAN!」でした。こちらも最高なラジオ体験でした)。それから何度も転職を繰り返したが、いつも夕方になるとグルーブラインにチューニングを合わせていた。

花屋で働いていたころは作業場で。
家具修理の仕事をしていたころは工房で。
トラック運転手をしていたころは、東名高速を西から走ってきて、御殿場を過ぎるあたりで秀島さんの声が聞こえてきて、ああやっと東京に帰って来たぞと実感した。
それからも休日の家事をしながら、育児をしながら、コロナ禍に入ってからはテレワークをしながらピストンさんの話に笑いながら夕方を過ごした。

30代半ばくらいのころ、ピストンさんの事務所がスタッフを募集していたので、軽い気持ちで応募したことがある。
放送業界の経験は皆無ですがやる気と体力はあります!と履歴書にびっしりと過去の仕事を書いて送った。

すると、確かメールでの返信だったと思うが、西沢と名乗る方から、とてもとても丁寧なお断りの返信がきた。
あなたの経歴でこちらの仕事をゼロから始めると、年齢的にとても辛い思いをすると思います。あなたは立派な経歴があるので、その経歴を活かした仕事をした方が良いと思います。というようなことが割と長文で書かれてあった。

今まで数多の求人に応募して落とされてきたけど、どこもコピペの返信ばかりで、ここまで親身になって断りの連絡をしてくれる会社はなかった。

あーすごい人なんだな、ということがよく分かった。

ほんの時々読まれたけど、仕事中にメールも送っていた。
つい最近も、茶碗プレゼントとのことでメールしたら読んでくれて、すぐに茶碗が送られてきた。微妙なサイズなのでとりあえず飾っている。

FMラジオというだけでもなんだかオシャレな感じがして、その中でもJ-WAVEといえばさらにオシャレで、クロワッサンとカフェオレを用意しないと聴くことは許されないような状況の中で、焼酎と冷奴でも聞けるような空気を作ってくれた功績はとても大きいと思う。(そしてもう2度と同じような空気感の番組は現れないんだろうなーという寂しさもある)

コロナが始まってこの2年。
これから大変換が始まるだろうと身構えていたけど、まさかこんなところで大きな変化に出会うとは思いもしなかった。
いや、少しは考えていたかも。
そしてまた大きな波が来るかもしれないと身構えている。
その波に飲み込まれたときに、それを笑い飛ばしてくれるような、
苦しさや辛さをかっ飛ばしてくれるような存在はもういない。

毎日夕方の疲れた体の肩を揉んでくれるような放送をしてくれてありがとうございました。
ピストンさんの次の居場所がどこになるのかわかりませんが、新たなご活躍を期待しております。



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