毒親から逃げる③

まず結論から言うと私は自立援助ホームに入るのが待ち切れずに子供シェルターに逃げ込んだ。シェルターを希望してる人にもある程度は有益な情報であると思う。
今回はシェルターに行くまでの話をしようと思う。

時間的には割合と最近の方の出来事なのでシステムとかは大幅には変わっていないと思う。
当然身バレ防止のためにちょこちょこフェイクを挟んだり濁したりはする。
あとどんなにあっても施設の場所などは絶対に言えません。

シェルターを少しでも考えてる人へ。
これも前々回と同じだが、今すぐ入るのかはおいておいて、まず

シェルターに連絡する

こと。というのも恐らくどの地域のシェルターも定員いっぱいだと思われるからだ。そもそも子供シェルターは開設後半年で満員になったというからこれは慢性的なものだろう。

それにDVシェルターでは一応基本成人女性(とその子供)が逃げ込むのが前提だろう。たとえ女性の実家が頼れなくても成人であれば携帯の再契約も家を借りるのもお金さえあればすぐできる。10年もシェルター生活と言ったのを耳にしたこともあるが、未成年と違い、恐らく入れ替わりの周期は早いのだと思われる。


私の該当地域のシェルターはまず弁護士会に連絡する必要があった(ある程度調べていてどこの話か察した人もいるでしょうが、場所を隠すためにあえて在住地域を書きません)。
そして大問題だったのは、そこの回線が混みすぎて当日3時間ほどつながらなかったことだ。一瞬外出できる隙に電話をしたはいいものの、繋がらない。これは結構絶望的だった。

というのもある程度調べた人ならわかると思うが、本当に虐待を受けている人はほぼ確実に受かると思うが一応「面接」というのもあったりする。たまたま私がかけた時それが立て込んでいたらしい。

耐えかねて事情を話して先にシェルターに連絡したが、なんと私の地域はどこも満員でとても無理。隣県等も当たってくれたが厳しそうと言われた。

その後弁護士会に連絡がつくも、やっぱり今日の入所は厳しいと言われる。「どうしても耐えられなくなって連絡をくれたのよね、でも空きがないんじゃどうにもならないの。もうちょっと頑張れる?」と言われた。
私は常日頃「頑張ってるのに頑張れと言われるのは無理」というのはあまり感じないタイプだが、この時ばかりは泣いてしまった。

それに(恐らく皆様優秀な方ではあるのだろうが)カウンセラー系に多いあの独特な声の高さ、ハリのある話し方。私はどうもあれが苦手だ。大声で怒鳴られるのと同じくらい怖く思ってしまう。この電話に出てくださった弁護士の方は後々担当にもなってくださりとても優しい方なのだが、この時は電話で聞き取りずらかったのか何回も聞き直され、正直この関連で二番目にこわかった。
ちなみに一番こわかったのは、時系列的には前々回の時だが、19なこともあり児相の管轄外なのではと思い込み、偶然自分の希望する自援の電話番号が手に入ってしまったこともあり、直接電話をした。そのとき、相手からの第一声が『どうやってこの電話番号を知ったのですか』だったことだ。すごい冷たい声に感じた。

さらに付け加えると、明確に弁護士さんに確認をしたわけではないが、子供シェルターが埋まっている時どうしてもであればDVシェルターに入ることも可能そうなニュアンスのことを言っていたので、完全に絶望はしないでほしい。
また、今の時期は厳しいかもしれないが、18・19の圧倒的に違うところは夜中ファミレスだったりに居座れることや、顔立ちによっては年確されずにネカフェなど泊まれたりする。もしお金があるのなら、とにかく家を出てそういったところで空きを待つのもありかもしれない。
また私も捜索届け出されたらどうしようなんて思っていたが、過干渉でコントロール欲全開のうちの毒も大ごとにしたくないのか、すぐには出さなかったようだ。またおそらく高校生くらいからは警察もそんなに積極的に捜索なんてしないだろう。

しかし、その後私が連絡したシェルターのグループの系列以外にも近くにシェルターがあるようで、どうやらそこに入れるかもしれないということになり、私が荷物をまとめたかったので一度家に帰って支度をすることに。私はほぼ無一文だったので弁護士さんがこちらの最寄りまで出向いてくださることに。
もともとある程度準備ができていたのであんまり早く出ても帰らないことがバレてしまうのでなんだかずっとソワソワしていた。

初めて児相に電話した時もそうだが、あんなに出るのはこわかったのにその準備はすごい淡々とできた。恐怖は無知から来る、そんな感じだった。


ここからはしばらく余談になります。

後悔があるとすればもっとわかりやすいところに伏せたりせず、書き置きを残せばよかったことと、眼鏡をケースだけ持ってきて忘れたことである。別にメガネがなくても生活できるが仕事の時はやはり必要でコンタクト代のことを考えると少しこれは痛い。

私はおそらく逃げた子たちの中でトップレベルに荷物を持っていった。
今までずっと毒という認識はあったが、まさか家出なんてというある意味いい子ちゃん思想に囚われていた。家出中もずっと弁護士さんにやっぱり連絡したほうがいいですかねとか聞いていたほどだ。旅行など大学生が一気に出費するイベントは当然行かせてもらえないor制限付きでろくに楽しめないか周りの雰囲気を壊すからどうせ行けなかった。だから毎月余りを貯金に回す程度で、お恥ずかしいことに結構豪遊していた。今思えば引っ越し代なんて頑張れば出せたのにとそこは大きな後悔でもある。

だから毒親育の人は家出するか否かにかかわらず

お金をとにかく貯める

ことは必須だと思う。
何を今更と思うかもしれないが、私はなまじお金が手に入ったばかりに今まで買えなかった洋服や化粧品などを必要以上に買ってしまった(といってもまだまだ普通の人よりは少ないがミニマリストとかを見ると多すぎるとは思う)。我が家では食も十分に提供されなかったが、その分を自分で出すように。ここも家出をすると分かっていたらもう少し削れた出費だなと思う。

もちろんこういう系の施設には冗談抜きでその身1つで来る子も多いし、基本的に無料だし、お金がかかるものでも収入が得られるまで待ってはくれるから安心してほしい。


本題に戻ると、そこからは弁護士さんと一緒にそのシェルターの弁護士さんと落ち合うことに。なんだが夜逃げ的なのをイメージしていたし、どなたかのDVシェルターに逃げ込んだお話では黒いボックスカーで迎えがきたともありどうするのかなと思っていたが、普通に公共交通機関で移動した。
コ○ナの時期なのにこんな大荷物それもキャリーだったからすごく浮いたし、汗もビッチョリだった。
ちなみにこの時点ではまだ普通に携帯は使えた。当然うちの毒は、子供身の安全の心配なんてせず、永遠と『これだから嘘つきは〜』みたいなことを喚いていたから、心配してくれるかなみたいな期待はしないほうが精神衛生上よろしい。

追記:弁護士さんはこれから連絡取らなくなるだろうから友達とか連絡取りたい人いたら気にせずしていいよといってくださった。なのでDVよりかは少しゆるいのかもしれない。


待ち合わせ場所に着くと夜ご飯を奢ってくださった。シェルターに入ったらあんまりこういうの食べれないだろうからといって焼肉に連れていってくださろうとしたが、あのご時世どこもダメだった。そのため、ラーメン店へ。
漫画みたいにボロボロ泣きながら食べた。
交通費を出してくださっただけでなく、何かのご縁だからと2000円も下さった。
これは感謝でしかない。

そして向こうの弁護士さんと合流し、本来だったら喫茶店などで面接をするらしいのだが、もう夜なのもあり、とりあえず軽く弁護士さん同士で話し合い、シェルター確定でということになり、そこからさらに移動してシェルターに到着した。