毒虫140字小説集①〜③をまとめて販売!お得な価格になっています。全45編!
・スクリーン 「ようこそお越しくださいました。まずはこちらのスクリーンで映像をご覧下さい」若い女性がいる。女性は人々の首を噛みちぎる。人々の鮮血が迸る。血が明るく輝いている。スクリーンに向かって女性が言う。「人間が一番怖いのよ」血がとてもキレイだった。女性はもっとキレイだった。 ・日曜日
・顔色 「お客さん。どちらまで? あ、はいはい」「それよりお客さん、顔色が悪いですよ。まるで人でも殺してきたような。何をそんなに怯えているんですか。私にはわかるんですよ。顔を見ただけでその人が何をしてきたか。え? ああ、大丈夫ですよ。私も殺人鬼なので。あなたを殺して食べるだけなので」 ・帰宅
・タクシー 私はとある山奥でタクシーを拾った。「お客さん、こんな山奥で何してたんですか? あ、そうそう。ここら辺で拾ったお客さんはいつも幽霊なんですよね。気づいたら消えてるんです。ああ怖い怖い。え? ああ、ご心配なく。私も幽霊ですから」 ・バス停
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①水閣寺 僕が前から不思議に思ってること。それは「どうして銀閣寺は銀じゃないのか」だ。 金閣寺は名前の通り金ピカだ。だったら銀閣寺も銀色であるべきじゃないの? 銀を貼るお金がなかったのかなあ? 単にめんどくさかったのかなあ? 失礼だけど、今のままじゃ銀閣寺じゃなくてただのお寺だよ。 うーん……。あ! そうだ! 誰もやらないのなら僕がやればいいんだ! さすがに銀はないけど、お父さんが絵を描いてるから銀色の絵の具ならたくさんある! かくして僕は銀色の絵の具をい
①嘘に関する考察 わたしは小学三年生。今日、国語の授業で「嘘つきは泥棒の始まり」っていう言葉を覚えたの。泥棒は悪い人の事だから、わたし絶対嘘はつかないと決めたの。 でも次の日の国語の授業で「嘘も方便」っていう言葉も覚えたの。嘘も場合によってはついてもいいんだって。昨日は嘘つきは泥棒って言ってた癖に。わたし頭が混乱しちゃって、国語の先生に聞いてみたの。 「先生、嘘はついてもいいの? いけないの?」 「嘘はついてはいけないよ。でも先生みたいに大人になってくると、「嘘」の事で
① 「五月蝿い」 ある日、俺の隣の部屋からピアノの音が微かに聞こえてきた。どこかで聞いたことのあるようなクラシック。特に気に止めなかった。 だがそれから毎日毎日ピアノの音が聞こえてくるようになった。いつも同じクラシックの曲。 しかも必ず同じ所で音を間違えるのだ。イライラする。俺は神経質なのだ。かと言って俺は隣人に文句を言う勇気はなかった。俺は最近ここに引っ越してきた。面倒な事は起こしたくない。 ある朝、遅刻しそうになり慌てて家を出た。その時、同じタイミングで隣人が出
①愛猫家 ほら、見てくださいよ。私の猫。可愛いでしょ? ミケっていうんですよ。公園に捨てられていたところを見つけましてね。拾って帰ってきたんです。最初は瀕死状態でしたが今じゃすっかり元気になって。元気過ぎて困ってますよ。はははは。 私ね、ミケの喋る言葉がわかるんです。他の猫はわからないんですけど、何故かミケだけはね。最近のミケ、とても食欲旺盛だからあれが食べたいこれが食べたいって、食べる事ばっかり喋るんですよ。はははは。 え? あなたの奥様最近見ませんね、ですって