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ASのJK孫のこと①

●最初に●
孫はアスペルガー症候群(以下AS)で、専門医も驚くほどの不安がとても強いタイプです。
特に、初めての人、初めての場所、初めて食べるもの、初めての体験などには強い不安を感じます。不安からイライラすることもあります。聴覚視覚過敏があります。
主治医など専門家の支援、幼い頃の療育、発達障がい専門家庭教師、中2までのソーシャルスキルトレーニング、何より本人の頑張りで、不安を抱えつつも、今では学校など家の外でほぼ支障なく過ごせるようになりました。
ただ、特性としていわゆる空気が読み難いので、かなり周りの様子に気を遣っての生活で精神的疲労、ストレスは強いようです。
そして、これも特性として、記憶力抜群、頭の回転抜群、発想が豊か、表現力豊かです。

●俳優への夢を膨らませる●
彼女が小6の時、学校の文化祭で“ライオンキング”のミュージカルを演じたことがきっかけで「俳優になりたい」と言い出した。
単なる芸能界への憧れといった類の話だと聞き流していたのだが、中学校に進学しても彼女の気持ちは強く「俳優になりたい」と言い続けいていた。

彼女の中学進学と同時に、母親と家族は彼女の自立に向け進路をどう考えていけばよいか、どんな準備をしていけばよいか、真剣に考え出した時期でもある。

ちょうどその頃、モデル、俳優、ネガティブ発言が面白いタレントとして大活躍の栗原類さん が発達障がいだとカミングアウト された。
栗原類さんのカミングアウトのことを取り上げたテレビ番組を見て、栗原類さんの著書「発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由」を読んで、ASの子も芸能界で活躍できる可能性を知って励まされた。

特性で困る事は色んな工夫で対応できるだろう、成人するまで数年ある、ダメ元で彼女の希望通りに芸能の道に踏み出させるのも良いかな、芸能の道で芽が出なければ進路選択はやり直せる、やらずしてだめと結論出せないではないか…と、母親(娘)と2人で話して決断した。やらせてみよう!
スタートを切る良い時期だと判断した。

●俳優への一歩を踏み出す●
私の友人に紹介してもらった事務所に所属し、レッスンを受け、アシスタントMCやボイスドラマの仕事をした。経験値は付いたもののギャラが付かないと言っても過言ではなくモチベーションが上がらない。事務所として俳優に関する部門は力を入れてなかったこともあり3年で退所。

次に大手のオーディションを受けて合格。
所属したい事務所決めも、オーディションに必要な書類も写真もPR動画も、母親に協力してもらいつつも自力で準備した。
レッスン開始直後に、コロナ渦に見舞われてしまった。リモートレッスンを経て、やっと通常レッスンが始まったところです。

●俳優の夢を叶えるための呪文?●
同じことを継続することが苦手。
たぶん、先のことを推測したり、今やっていることがどう繋がっていくかなどが想像しにくいからだろう。
例えばSNS、フォロワーが増えるなど結果が見えないと発信が滞りがちになる。発信し続けることでフォロワーが増えていくと言うことに繋がりにくい。
目の前に具体にやる事がないと動けなかったり、単にすることを簡単に悪気なく忘れてしまう。

講談社のミスidに応募したり(現在セミファイナリスト)など、やりたいこと、やってみたいことは多い。
目についたものに前向きにすぐ取り掛かるのは良いが、一度自分はダメだと思うと熱量が急激に下がってしまう。
家族が唱える呪文は「地道な積み重ねが大事」「すぐに諦めない」「自分の道は自分でしか進めない」「自分は自分でしか変えられない」

●婆さんの願い●
彼女と同じ夢を持って頑張っているティーンエイジャーは星の数ほどいて、その中の一握りの人が夢を叶える現実は理解している。理解しているが、とことん夢を追いかけてほしい。
小6の時から薄らいでいない“俳優になりたい”気持ちを大切に抱きしめていてほしい。
家族の身贔屓かも知れないが彼女の演技は上手い方だと思う。技能と人柄をいっそう磨いて、俳優は勿論、タレント、CMなど活躍の運が舞い込んで来ると良いな。

彼女のSNSでは特にASと公言していない。かといって隠している訳でもない。
学校の誰かが(多分複数人)卑劣なアンチコメントを時々書き込むので、ASを差別的に扱われたくない気持ちもあるだろう。
表立ってASを理由(武器)にして、又は何かの言い訳にして夢を叶えるのではなく、自分の持ってる力を総動員して叶えたいのだと思う。その気概はステキだと思う。

そして、いつか、栗原類さんのように誰かの背中を優しくそっと押す俳優に人に育ってほしい。願わくば私があの世に行くまでに。

もしサポートしてもろたら脳内活性化認知症予防対策に使わせていただきます。 (コンビニスイーツと珈琲代)