弟たちのこと
ちょっと暗い内容になります。でも、どこかで弟たちのことを話したかった。アルビノに限らず障がいを持つ者が家族にいたら、似たり寄ったりの家庭やエピソードは昔に遡るほど少なくなかったと思います。
私は長女で弟が3人。4人のうちアルビノが私と長男と三男。次男は健常者。
長男は生後すぐに亡くなりました。長女の私についで彼もアルビノだったので、父方の祖父母や父の兄数名で相談し葬られたと聞いています。実際に手を下したのは誰か知りません。
父が手を下したのかも知れません。または特にすごい剣幕で毎日家にやってくる親戚の1人が手を下したのかも知れません。どちらにせよ、11人兄姉の末っ子の父は逆らえなかったのでしょう。65年以上昔の田舎で家父長制度の強い時代、死亡理由なんてどうにでもつくろえたのでしょう。戸籍に名前があるだけマシだったのでしょうか…長男である弟の顔さえ知らない私ですが、彼に会いたい、話したいと言う想いを空に向かって呟くことがあります。
次男は30代のある夜妻子が眠る自宅で自死しました。
アルビノの姉と弟の間で、父からの過剰な期待とそれに応えられない時の折檻で、グレたり自暴自棄になったりの青年期を送りました。
直接の理由でなかったようですが、彼が自死を選んだ理由の一つに家庭環境は大き過ぎたと思います。
次男とは異性ということもあり、姉と弟としての深い会話をした記憶がありませんが、アルビノである私や三男に対して差別的な言葉も態度も示したことがありません。優しい、むしろ優しすぎる性格でした。
大人になってからは居住地も違ったし話すこともほぼありませんでした。彼の心の内をもっと聞いておけば良かったと思います。
三男は十数年前に父を介護し看取り、そして今は母の介護を一人で担ってくれています。
彼は数年後に還暦迎える歳で独身です。ちなみに私とは9歳違いです。
結婚したい人や時期があったようですが、独身を通すことに決めたようです。
その理由は私には哀しいものですが十分理解できます。
三男が独身を通す理由は
“自分のアルビノという遺伝子を自分の代で終わらせる”ため。
アルビノでも、アルビノ遺伝子を持たない人とであればアルビノの子が生まれないことは彼も知っています。
また結婚しても子を持たない選択もできる。それでもアルビノへの偏見や差別を持つ人の説得は困難過ぎる。私が身をもって体験しています。
三男の独身を通す理由を私は尊重している。てか、彼の考えや人生観にいくら姉でも立ち入るべきではない。
母の認知症発症を機に彼とはLINEが主とは言え割と会話するようになった。2/4半数になった姉弟。このまま仲良しでいたいです。
この三男の話を、私は私の娘たちに話したことがある。実際どうなるかは分からないが「おっちゃんの老後や別れの時みるよ」と言ってくれた。
私の愛すべき弟たちの話でした。
※ 四つ葉のクローバーは私が編んだものです。
もしサポートしてもろたら脳内活性化認知症予防対策に使わせていただきます。 (コンビニスイーツと珈琲代)