Applied Materials(AMAT) Earnings Call Transcriptまとめ



アプライドマテリアルズ 2024年度第2四半期決算説明会

会社概要

アプライドマテリアルズは、半導体製造プロセス装置と関連サービスを提供する米国の大手企業である。同社の主力事業は半導体システム、AGS(Applied Global Services)、ディスプレイの3つに分かれる。

半導体システム事業では、リソグラフィ、イオン注入、エッチング、化学・物理的蒸着(CVD/PVD)、ポリシリコン生成、酸化、電気化学、CMP、プロセス制御などの半導体製造装置を提供している。

AGSでは、半導体製造装置のインストール、メンテナンス、修理、アップグレード、リユースなどのサービスを提供。長期サービス契約に基づく定常的な収入が堅調に推移している。

ディスプレイ事業では、液晶やOLEDなどのディスプレイ製造装置を販売している。

業績概要

2024年度第2四半期の売上高は前年同期比0.1%増の66億5,000万ドルだった。非GAAP売上総利益率は47.5%と前年同期比0.7ポイント改善した。非GAAP営業費用は12億3,000万ドルで前年同期比5%増加した。非GAAPベースのEPSは2.09ドルと前年同期比4.5%増加した。

セグメント別では、半導体システムの売上高は49億ドルと引き続き好調で、営業利益率は34.9%だった。AGSの売上高は15億3,000万ドルと前年同期比7%増加し、営業利益率は28.5%だった。ディスプレイの売上高は1億7,900万ドル、営業利益率は2.8%だった。

ファンダメンタルズと成長機会

半導体は、AI、IoT、自動運転車、クリーンエネルギーなど経済を変革する重要な技術トレンドの基盤となっている。これらの分野の台頭により、半導体需要が増加しているだけでなく、より高性能で省電力の新しい半導体への需要も拡大している。

同社はこうした需要を取り込むべく、GAA(ゲート・オール・アラウンド)トランジスタ、高性能DRAMやHBM(高帯域幅メモリ)、3Dチップ集積など、半導体ロードマップを支える次世代デバイス技術の開発に注力している。

具体的には、2024年度のGAA関連売上高は25億ドルを見込み、2025年度には倍増する可能性がある。HBMの売上高は2023年度比6倍を超える6億ドル超になる見通し。先端パッケージング分野の売上高は17億ドルに達し、今後倍増する機会があるとしている。

パートナーシップと価値提案

半導体業界のロードマップは年々複雑化しており、アプライドマテリアルズはこれに対応すべく、顧客やパートナーとの協業を強化している。早期段階から協力し、プロセス開発やソリューション最適化を行うことで、新技術の商用化を加速させている。

トランジスタ、フロントエンド配線、バックエンド配線など、あらゆる側面で最適な材料とプロセスを組み合わせたソリューションを提供。統合ソリューションの売上比率は2019年の20%から現在は30%に拡大した。

新技術の量産移行では、顧客工場に技術者を常駐させるなどのサービス活動を強化。AGSの売上高は19四半期連続で前年を上回る成長を遂げており、定常的な二桁成長が続いている。

質疑応答のポイント

  • 第3四半期の中国向けDRAM出荷は減少するが、ICAPSと先端ロジックの出荷増でカバーされる。2025年度のGAAロジック需要は2024年度比で倍増する可能性あり。

  • HBMについては顧客から2024-25年度の完売状況との発言があり、需要がさらに拡大する公算が大きい。

  • NANDは世代交代に伴う設備投資はあるものの、ウェハースタート数の大幅増加は見込まれない。

  • 中国のICAPSは産業機器、電力半導体で牽引される一方、スマホ、PCなどは低迷が続く見通し。

  • 先端工程では検査・計測ツールの需要が拡大トレンド。同社のeビーム検査装置は2024年度に前年比4倍増を見込む。

  • バックサイド電力配線は2025年度以降に本格化し、市場規模は100万ウェハースタート能力あたり約10億ドルと試算。

以上が同社2024年度第2四半期決算説明会の主な内容である。成長分野への製品・サービス展開が進み、主力事業は総じて順調に推移している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?