Criteo Earnings Call Transcriptまとめ

特に言及がない限り、情報ソースはSeeking Alpha、まとめはClaude 3 Opusによります。


2024 Q1 Earnings Call Transcriptまとめ

会社紹介

Criteo(クリテオ)は、Commerce Media(コマースメディア)を提供するグローバル企業です。AIを活用したプラットフォームにより、リテーラー、ブランド、パブリッシャーを結び付け、コマース上の広告やキャンペーンの最適化を行っています。事業ポートフォリオは主に以下の2つのセグメントで構成されています。

  1. Retail Media(リテールメディア): 売上高2億900万ドル。大手リテーラーと提携し、リテーラーのサイト内外で広告を配信。市場シェアを拡大中。

  2. Marketing Solutions(マーケティングソリューション):売上高16億ドル。ターゲティング広告やコマースオーディエンスターゲティングを提供。Retargetingからフルファネルソリューションへの移行が進む。

同社はAIと大規模なコマースデータを強みに、リテールメディア市場でリーダー的ポジションにあります。

目次

  • 第1四半期の業績概要

  • Retail Mediaセグメントの概要

  • Performance Mediaセグメントの概要

  • 業績予想

  • 質疑応答

第1四半期の業績概要

Criteoは第1四半期において、前年同期比で二桁の有機的成長を達成し、過去最高の売上高を記録しました。調整後EBITDAも前年同期比で約2倍に拡大するなど、強力な収益性を示しました。これらの好業績は、Criteoの戦略的な事業転換の成功と、着実な実行力の証左と言えます。

広告主による投資意欲は全般的に高く、特に小売、ファッション、旅行、分類広告の各分野で顕著な伸びが見られました。前年同期は市場環境が厳しかったこともあり、その反動としての需要回復の面もありますが、Criteoの提供する優れたAIソリューションによって、顧客のROIを高めることができたことが業績拡大の主因と分析しています。

Retail Mediaセグメントの概要

Retail Mediaセグメントの売上高は前年同期比34%増の5,000万ドル、activated media spend(流通総額)は38%増と、市場の伸びを上回る成長を遂げました。米国、ドイツ、英国の大手顧客を中心に好調に推移しました。年初に新規に獲得した大手リテーラーの貢献や、既存顧客からの売上拡大が寄与しました。

CPGブランドからの出稿が大幅に増加しており、第1四半期だけで100の新規ブランドを獲得しました。今やブランド側もRetail Mediaを主要な広告チャネルと位置づけており、ファーストパーティデータを活用した大規模なオーディエンスへのリーチへの期待は非常に大きくなっています。

また、エージェンシー経由の売上高が初めて1億ドルに到達し、前年同期比で3倍に拡大しました。エージェンシーとの複数年にわたるパートナーシップによって、2024年以降も数億ドル規模の広告費の流入が期待できます。すでに大手ブランドは、前年比で50%多くのリテーラーサイト上で広告を出稿するようになっています。

Retail Mediaのもう1つの成長ドライバーは、計測機能の拡張です。業界で初めてMRC(Media Rating Council)による計測の認定を取得し、信頼性の高い先進的な計測ソリューションを提供できる体制が整いました。ブランド広告主による出稿拡大に弾みをつける重要な一歩と言えます。

Performance Mediaセグメントの概要

Performance Mediaセグメントの売上高は3億9,900万ドル、Contribution ex-TACは前年同期比13%増の2億400万ドルとなりました。Commerce Audiencesと呼ばれるファーストパーティデータを活用したターゲティングソリューションが54%増と大きく伸長しました。

今やPerformance Media売上高の75%は、リターゲティングとCommerce Audiencesの両方を活用する顧客から生み出されています。これらの顧客の生涯価値は、単一のプロダクトしか使っていない顧客の7倍に上ります。Criteoの持つ先進のAI技術によって、これら2つのソリューションを最適に組み合わせて運用することで、顧客のROI最大化を実現しています。

一方、リターゲティング広告も堅調に推移し、前年同期比で4%増となりました。GoogleによるサードパーティCookie廃止が2025年初頭までずれ込んだことで、2024年はプラス影響が出る見込みです。しかしながら、Cookieに依存しない次世代のアドレサビリティ戦略は着々と進展しており、どのようなシナリオになろうとも十分に備えは出来ているものと考えています。

業績予想

2024年通期では、為替の影響を除くContribution ex-TACが高い一桁台の成長となる見通しです。Retail Mediaの成長率は20%、Performance Mediaは中高の一桁台の成長を見込んでいます。EBITDAマージンは約31%を予想しています。第2四半期は、売上高が前年同期比10~12%の成長、EBITDAは7,000万ドルから7,400万ドルを見込んでいます。

3月末時点で約8億500万ドルの高い流動性を確保しており、成長戦略を支える強固な財務基盤を有しています。2024年は1億5,000万ドルの自社株買いを計画しており、すでに第1四半期に6,200万ドルを実施済みです。引き続き、規律ある資本配分を通じて株主価値の向上に努めてまいります。

質疑応答

質問者1:リテールメディア事業の競合環境について教えてください。新規参入の動きなどはありますか? 回答(CEO Megan Clarken):リテールメディア市場では、私たちの優位性はますます強まっていると認識しています。競合他社の多くは小規模で、断片的な存在です。一方、私たちはネットワーク効果によって差別化されており、顧客基盤は着実に拡大を続けています。この業界で成功するには、ブランドやエージェンシーからのナショナルマーケティング予算を取り込むことが不可欠ですが、そのための体制は私たちが最も整っていると自負しています。計測機能の拡張などを通じて、今後もクライアントのニーズに応えるソリューションを拡充し、圧倒的な存在感を示し続けたいと考えています。

質問者2:サードパーティCookie廃止の延期が業績予想に与える影響は?また、中長期的な影響をどう見ていますか? 回答(CFO Sarah Glickman):2024年の業績へのプラス影響は約3,500万ドルと試算しています。2025年については、レガシーなリターゲティング広告の売上高が一定の影響を受ける可能性はありますが、全体の約1割程度に留まる見通しです。私たちはすでにCookieに依存しないソリューションへの移行を進めており、どのようなシナリオになろうとも十分に対応できる態勢を整えています。様々な代替手法の開発やテストを重ねており、ポストCookieの時代においても変わらぬパフォーマンスを発揮できるものと確信しています。

質問者3:足元の広告需要のトレンドについて教えてください。業界全体の回復基調が続いているようですが。 回答(CEO Megan Clarken):おっしゃる通り、昨年後半からの広告需要の回復基調は続いていると見ています。特に小売・ファッション・旅行・分類広告の各分野で力強さを感じます。当社の強みは、コマースデータとAI技術を活用して、購買行動や関心に基づく的確なターゲティングを実現できる点にあります。これによって、广告主のROIを飛躍的に高めることが可能になります。事実、当社のソリューションを複数活用するクライアントは着実に増加しており、業績をけん引する原動力となっています。サードパーティCookieに頼らない持続的な成長モデルへの移行も順調に進んでおり、より強靭なビジネス基盤の構築が進んでいます。

質問者4:AIの活用について詳しく聞かせてください。競合他社に対する優位性はどの程度あるのでしょうか? 回答(Chief Product Officer Todd Parsons):当社のプラットフォームは、業界でも最先端のAIテクノロジーに基づいて構築されています。140名を超えるR&Dの専門家チームを擁し、日々革新的なソリューション開発に取り組んでいます。中でも、当社独自の行動データとコマースデータを掛け合わせたディープラーニングモデルは大きな強みになっています。媒体の最適化や入札の自動化など、あらゆる局面でAIを導入し、広告主のパフォーマンスを常に高いレベルで維持できる体制を整えています。一方、クライアントが蓄積する膨大な第一党データとも柔軟に連携できる設計になっており、より高度なパーソナライゼーションを実現しています。Cookieに依存しない次世代のソリューション開発でも、このAIが大きな武器になると考えています。競合の追随を許さないレベルのテクノロジーを有していると自負しています。

2023 Q4 Earnings Call Transcriptまとめ

会社紹介

Criteo(クリテオ)は、Commerce Media(コマースメディア)を提供するグローバル企業です。AIを活用したプラットフォームにより、リテーラー、ブランド、パブリッシャーを結び付け、コマース上の広告やキャンペーンの最適化を行っています。事業ポートフォリオは主に以下の2つのセグメントで構成されています。

  1. Retail Media(リテールメディア): 売上高2億900万ドル。大手リテーラーと提携し、リテーラーのサイト内外で広告を配信。市場シェアを拡大中。

  2. Marketing Solutions(マーケティングソリューション):売上高16億ドル。ターゲティング広告やコマースオーディエンスターゲティングを提供。Retargetingからフルファネルソリューションへの移行が進む。

同社はAIと大規模なコマースデータを強みに、リテールメディア市場でリーダー的ポジションにあります。

目次

  1. 2023年度通期および第4四半期の業績ハイライト

  2. 2023年度第4四半期決算概要

  3. 2023年の事業の進捗

  4. 2024年の事業戦略と優先施策

  5. 2024年の業績ガイダンスと前提条件

  6. 質疑応答

2023年度通期および第4四半期の業績ハイライト

2023年通期の業績は、売上高が19億ドル、Contribution ex-TAC(トラフィック獲得費控除後売上総利益)が11%増(為替一定ベース)の10億ドルと過去最高を記録しました。新規事業が全体の50%以上を占めるようになり、事業ポートフォリオの組み替えが進展しました。

リテールメディアは、売上高2億900万ドル、Contribution ex-TACは2億300万ドル(前年比26%増)と高成長を持続。活性化された広告費は前年比36%増の12億ドルに達しました。

マーケティングソリューションは、売上高16億ドル、Contribution ex-TAC6億9,700万ドルと回復基調。コマースオーディエンスターゲティングが前年比42%増と好調で、Retargetingの減少をカバーしました。

調整後EBITDAマージンは目標を上回る30%に。コスト削減と成長投資のバランスの取れた運営が寄与しました。

第4四半期のContribution ex-TACは、為替一定ベースで前年同期比10%増の3億1,600万ドルでした。リテールメディアが前年同期比29%増と牽引しました。マーケティングソリューションも前年同期比6%増と2四半期連続のプラス成長。コマースオーディエンスターゲティングは同60%増と引き続き高い伸び。

2023年度第4四半期決算概要

Criteoは2023年度第4四半期も力強い業績を達成し、コマースメディア事業のリーダーとしての地位を確固たるものにしました。リテールメディア事業の継続的な成長と、マーケティングソリューション事業の回復が業績をけん引しました。

成長ドライバーとなったのは、大規模なコマースデータとAI技術を活用した、精度の高いターゲティング広告の提供です。コマースオーディエンスターゲティングが前年同期比60%増と大きく伸長し、Retargetingの減少を補って余りある貢献となりました。

サードパーティクッキーの廃止を見据えた取り組みも着実に進展しています。自社の強みを生かしたアドレサビリティ戦略により、クッキーに依存しない広告ソリューションの拡充を進めています。Chromeでのテストにも4年近く前から備えを進めてきました。

2024年は、リテールメディア事業の成長加速とマーケティングソリューション事業の復調を軸に、増収増益を見込んでいます。サードパーティクッキー廃止の影響を織り込んだ上で、売上総利益の成長率は中一桁台、EBITDAマージンは30%近傍の水準を想定しています。

AIを活用した広告ソリューションの強化や、ソーシャルプラットフォームとのパートナーシップ拡大、アドレサビリティ戦略の推進などにより、コマースメディアのエコシステムにおけるプレゼンス拡大を目指します。リテールメディア市場の力強い成長を追い風に、シェアのさらなる拡大を図ります。

2023年の事業の進捗

2023年は、Commerce MediaプラットフォームのDSP「Commerce Max」とSSP「Commerce Grid」をリリースするなど、技術面での差別化に注力した1年でした。統合プラットフォームにより、データのシームレスな活用が可能になります。

リテールメディア事業では、プラットフォーム上の広告費が12億ドルに到達し、市場シェア拡大が続きました。大手リテーラーとのパートナーシップも拡大。ウォルグリーンとの提携を、オンサイト広告にも拡げました。

フルファネルソリューションのCommerce Maxは、大手代理店グループに採用されるなど導入が進みました。オフサイト広告キャンペーンも複数実行。2024年に入り、Best Buy、Macy'sなど大手10社で展開を開始しました。ナショナルブランドの広告予算の獲得にもつながっています。

マーケティングソリューションでは、コマースオーディエンスターゲティングが前年同期比60%増と好調を持続。より多くの広告主がフルファネル戦略でCriteoを選んでいます。大手旅行会社TUIでは、休暇シーズンに向けたフルファネル展開が奏功し、同社のCriteo向け出稿額が前年同期比60%近く増加しました。

Metaとのパートナーシップも順調に推移。第4四半期は、Facebook、Instagramで何百ものキャンペーンを実施。大手ドラッグストアチェーンSuperpharmでは、Criteoの得意とするオープンインターネットの在庫にMetaの大規模な在庫を加えることで、投資対効果が2桁増、売上高が69%増加しました。

2024年の事業戦略と優先施策

リテールメディア事業では、リテーラーとのパートナーシップ拡大と、プラットフォームへの広告需要の取り込みに注力します。米Albertsons、欧州PcComponentesなど新規のリテーラーも獲得しました。大手エージェンシーグループからの出稿額は大幅に増加しており、大手ブランドとも複数年契約を結ぶなど、今後も成長の余地は大きいと考えています。

Commerce Grid事業では、Google's Display & Video 360との提携を拡大し、サードパーティ製DSPからリテーラーへの需要喚起を進めます。すでにCommerce Gridを通じて初のリテールメディアオフサイトキャンペーンを実施しました。

Generative AIなど最先端のAIをプラットフォームに統合し、広告パフォーマンスの改善とユーザーエクスペリエンスの向上に取り組みます。動画広告の最適化など、AIを活用したクリエイティブ強化ツールも開発中です。社内の業務効率化にもCopilotなどのAIアシスタントを導入し、さらなる効率化ツールの展開を予定しています。

2024年下期に見込まれるサードパーティクッキーの廃止への備えも進めています。自社の強みである大規模なコマースデータや、認証済み環境でのファーストパーティデータのマッチング、コンテクストなどサードパーティ以外のシグナルの活用など、包括的なアドレサビリティ戦略を推進。クッキーに依存しない広告ソリューションを拡充しています。

2024年の業績ガイダンスと前提条件

2024年の業績ガイダンスは、第3四半期のChromeでのサードパーティクッキー廃止を前提としています。通期のContribution ex-TACは、為替一定ベースで中一桁台の成長を見込んでいます。

リテールメディア事業は、メディア総取扱高が30%以上の伸びを予想。市場の伸び率を上回るペースでの成長を見込んでいます。Contribution ex-TACは為替一定ベースで約20%の伸びを予想。一部クライアントとの契約形態の変更はあるものの、それ以外のクライアントからの力強い需要により十分に補える見通しです。

マーケティングソリューションとIponweb事業は、Contribution ex-TACが一桁台前半の伸びを見込んでいます。コマースオーディエンスとCommerce Grid事業の好調が寄与する見通し。

Chromeのシグナルロスによる影響は、第3四半期以降で3,000万~4,000万ドルを想定。Retargetingの一部はコンテクストターゲティングなどに切り替わると見込んでいます。

通期の調整後EBITDAマージンは29%~30%と、前年並みの水準を予想。コスト効率化を進める一方、アドレサビリティ戦略やリテールメディア、AI関連の投資は継続します。

質疑応答

質問1(Justin Patterson - KeyBanc): 3つの質問があります。1つ目は、Chromeのシグナルロスについて。現時点でのテスト結果の所感と、広告主の準備状況はどうか。2つ目は、ソーシャルメディアとのパートナーシップ強化の余地について。規制の影響はあるか。

回答1(Sarah Glickman): Chromeでのシグナルロスは、2023年のContribution ex-TACが約10億ドル、2024年は中一桁台の伸びを前提とした場合、2024年は約10億7,500万ドル程度と想定。Retargeting比率を45%、Chromeのトラフィックを50%と見込むと、4,500万~5,000万ドル程度の影響になる計算。推定の幅は3,000万~4,000万ドル。今後もテスト状況や時期の前提に応じて見直しを行う。

回答1(Megan Clarken): Metaなどとのパートナーシップは、サプライサイドでの連携。広告在庫を拡大し、広告主の利便性を高める。Criteoのコマースデータと組み合わせることで、広告主のROAS向上にもつながる。TikTokなど他のソーシャルメディアとの連携も強化中。アドレサビリティ戦略の強化にもつながる取り組み。規制の直接的な影響は限定的と考えている。

質問2(Ygal Arounian - Citi): 2つ質問があります。1つ目は、1月から始まったChromeの1%ユーザーに対するテストの所見と、今後のタイムラインについて。2つ目は、コマースオーディエンスターゲティングの伸びの内訳について。Retargetingからのシフトの影響はどの程度か。

回答2(Todd Parsons):Chromeの1%テストは、広告主のROAS目標と、publishers' CPMsへの影響の比較検証を主眼に置いている。テスト環境の整備は1年以上前から進めてきた。テスト期間中は、パフォーマンスに影響するAPIの改善について、CMA(英国競争市場庁)とGoogleに継続的にフィードバックしていく。

回答2(Sarah Glickman): コマースオーディエンスの第4四半期の伸びは60%、通年で42%。Retargetingの減少額1,000万ドルのうち約半分がコマースオーディエンスへの切り替わり。コンテクストターゲティングなどクッキーに依存しないシグナルの活用やAIの改善などが成長に寄与している。マーケティングソリューションの売上の70%は、Retargetingとコマースオーディエンスターゲティングのクロスセルによるもの。

質問3(Richard Kramer - Arete Research): 3つ質問があります。1つ目は、Criteoがこれまで強みを発揮してこなかったCTVなどの分野での広告予算シェア獲得の見通しについて。2つ目は、Privacy Sandboxのテストに際し、テクノロジーに不安を抱える広告主のサポート体制について。3つ目は、マーケティングソリューションのテイクレートの上昇要因について。

回答3(Megan Clarken):シェア獲得については、当社の戦略により、リターゲティングだけでなくあらゆるチャネルでオーディエンスにリーチできる体制が整いつつある。CTVはサードパーティクッキーに依存しない分野。当社の差別化要因であるコマースデータを生かし、ブロードなオーディエンスターゲティングで活用できる余地は大きい。

回答3(Todd Parsons): 広告主サポートについては、シグナルロスへの対応は2017年から進めてきた。ノウハウを蓄積したチームが広告主の移行をサポートしている。一方でプライバシーサンドボックスで得られる知見を、他の領域にも展開できると考えている。

回答3(Sarah Glickman): マーケティングソリューションのテイクレートについては、特殊要因はない。第4四半期の好調な需要とAIによる最適化の成果。低めのCPM在庫の活用などが奏功した。

質問4(Mark Zgutowicz - Benchmark Company): 3つ質問があります。1つ目は、ソーシャルプラットフォームとの連携による、アドレサビリティ向上の見通しについて。2つ目は、リテールメディアの伸び率の前提について。3つ目は、リテールメディアのテイクレートのトレンドについて。オフサイト広告の影響は。

回答4(Megan Clarken):ソーシャルプラットフォームはログイン済み環境のため、IDベースのターゲティングが可能。大規模な接触データとマッチングできるのは大きなメリット。当社のアドレサビリティ戦略強化の柱の一つ。

回答4(Sarah Glickman):リテールメディアの伸び率は、大口顧客との契約内容変更を織り込み済み。それ以外の顧客からの旺盛な需要で補うことが可能と考えている。市場の伸び以上のペースで拡大できると見込んでいる。楽観的すぎる数字ではないと考えている。契約内容の変更が業績に影響するのは主に第2四半期以降になる見通し。

テイクレートは2023年の平均16.5%から2024年は15%前後に低下すると予想している。長期的にはオンサイト広告に加え、オフサイトやオムニチャネル広告の拡大により、テイクレートを引き上げる余地はあると考えている。

質問5(Mark Kelley - Stifel):2つ質問があります。1つ目は、リテールメディアの四半期ごとの伸びのトレンドについて。2つ目は、出版社のプライバシーサンドボックスへの対応状況と、DSP事業者にとっての機会について。

回答5(Sarah Glickman):リテールメディアの業績は新年度に向けて好調なスタートを切っている。大口顧客との契約内容変更が影響するのは主に第2四半期以降。第1四半期はその影響を受けない。詳細な数字は非開示だが、第1四半期の伸び率は通期見通しを上回ると見込んでいる。

回答5(Megan Clarken):出版社の対応状況は地域によってばらつきがある。米国や欧州が先行し、豪州などはやや出遅れている。当社の役割は、情報面のサポートと直接的な技術連携の両面でソリューションを提供すること。DSPにとっては、プライバシーサンドボックスへの対応の優劣が、シェア獲得の分水嶺になると考えている。当社は万全の準備を進めてきた。シグナルロスへの懸念から広告主がパートナーを見直す動きは、当社にとって追い風になるはず。


Criteo 2022年第4四半期および通期決算説明会要旨

会社紹介

Criteoは、オープンインターネット上のコマースメディアプラットフォームである。小売業者向けにリテールメディアソリューションを提供し、ブランド向けにはオープンインターネット上でコマースオーディエンスにリーチするソリューションを提供している。現在、175の小売業者と1,800のブランドを顧客に持ち、リテールメディア分野で明確なリーダーとなっている。

目次

  1. 2022年の主な実績

  2. 第4四半期の業績概要

  3. 2023年の見通しと戦略

  4. 質疑応答

2022年業績のまとめと今後の見通し

Criteoは2022年、コマースメディアプラットフォームとしての約束を果たし、リテールメディア事業を中心に高い成長を遂げた。リテールメディアの顧客数は175社、ブランド数は1,800社に拡大し、業界のリーダーとしての地位を確立した。コマースオーディエンスターゲティングソリューションも好調で、非リターゲティング事業が全体の約半分を占めるようになった。

Iponwebの買収も完了し、迅速に統合を進めている。需要側ではIponwebのBidcore DSPをCommerce Maxに統合し、供給側では両社のパブリッシャーフットプリントを統合した。

2023年は、Commerce MaxのDSPを本格的に立ち上げ、新たに契約した小売業者とのパートナーシップを拡大することで、下期にかけて成長を加速させていく計画だ。リテールメディアは約30%、コマースオーディエンスは約20%の成長を見込んでいる。

マクロ環境の不透明感から、顧客企業の広告予算は慎重になっているものの、新規顧客の獲得は好調で、顧客維持率は約90%と高水準を維持している。利益成長を重視し、コスト構造をトップラインに合わせて適正化していく。

長期的な成長機会は損なわれておらず、商業用不動産への移行を背景に、リテールメディアは今後も非循環的な成長分野となると考えられる。Criteoはこの機会を捉えるのに最適のポジションにある。

2022年の主な実績

  • コマースメディアプラットフォームのフルスイートソリューションを発表し、Commerce Max DSPをソフトローンチした。

  • リテールメディアの顧客ベースを米国、英国、ドイツで拡大。既存顧客からの売上高リテンションは122%。

  • マーケティングソリューションズでは、コマースオーディエンスが好調だったが、リターゲティングは減少した。

  • IponwebのDSPをCommerce Maxに統合し、パブリッシャーフットプリントを統合した。

  • GroupMに加え、米国の大手広告代理店とも3年間のパートナーシップ契約を締結。代理店経由の取引が拡大している。

  • Googleのプライバシーサンドボックスのパートナーに選ばれ、クッキーレス環境への備えを進めている。

第4四半期の業績概要

  • 売上高は5億6,400万ドル、Contribution ex-TACは2億8,300万ドル。為替の逆風を除くと10.4%成長。

  • リテールメディアの売上高は6,000万ドル、Contribution ex-TACは23%増の5,700万ドル。

  • マーケティングソリューションズの売上高は4億7,100万ドル、Contribution ex-TACは1億9,300万ドル。コマースオーディエンスが22%増と好調だったが、リターゲティングは13%減少。

  • 調整後EBITDAは1億400万ドル、調整後EBITDAマージンは29%。売上成長投資や買収に伴うコストが影響。

  • 四半期末の手元資金は8億3,500万ドルと潤沢。

2023年の見通しと戦略

  • 通期の為替一定ベースのContribution ex-TAC成長率は10%前後。上期は鈍化するが、下期は加速を見込む。

  • リテールメディアは約30%、コマースオーディエンスは約20%の成長を予想。

  • 調整後EBITDAマージンは約28%を計画。コスト効率化を進めインフレの影響を吸収。

  • 成長分野へのリソース配分を進める一方、コスト構造の適正化を図る。年間6,000万ドル以上のコスト削減を見込む。

  • Q1のContribution ex-TACは2億1,000万〜2億1,600万ドル。為替一定ベースで5〜7%の成長。

  • 調整後EBITDAは3,000万〜3,200万ドル。Iponwebの季節性が影響。

  • 先行きは不透明だが、長期的な成長機会に変化はない。リテールメディアの世界的リーダーとして、この機会を捉える態勢は整っている。

質疑応答

質問:Commerce Maxの進捗状況と主な改善点は?またM&Aで補完したい機能はあるか?

回答:Commerce Maxは夏ごろの一般提供開始を目指している。主な改善点は、ネットワーク全体での計画と購入の統一、パフォーマンス向上機能の適用など。M&Aについては、現時点で明言は控えるが、戦略にフィットする案件があれば検討したい。

質問:販売面の課題や注力分野は?

回答:今年は加速の年。リテールメディアチームを倍増し、Commerce Maxの立ち上げを急ぐ。戦略的にブランドと代理店にフォーカスし、Commerce Maxの普及を図る。トランスフォーメーションは継続中で、今後数年かけてシングルソリューションからマルチソリューションプラットフォームへと進化させていく。

質問:シグナルロスの影響額は?経済環境やパートナーシップ拡大の影響は?

回答:2022年のシグナルロス影響は6,000万ドル、うちQ4は1,000万ドル。2023年は1,000万ドル程度を見込む。経済環境は不透明だが、Q3以降は新機能の投入や季節性もあり成長を見込む。Metaとのパートナーシップは、リテールメディアのリーチ拡大に寄与すると期待。ショップ経由の顧客獲得も引き続き注力する。

質問:人工知能の活用状況は?CTV分野での取り組みは?

回答:AIによる購買予測は以前から行っており、商用データへのアクセスが強み。新しいライブラリーの活用で、さらに拡張していく。CTVはMagniteとの提携で、パフォーマンス検証の規模を拡大できる。購買への直接的なつながりを実証していきたい。


Criteo 2020年第4四半期 Earnings Call Transcriptまとめ

会社紹介

Criteoは、コマースメディアプラットフォームを提供する企業です。大規模なeコマース関連のデータ資産と人工知能技術を活用し、ブランド、小売業者、出版社に対して、マーケティングやモネタイゼーションのソリューションを提供しています。世界100カ国以上で2万1000社を超える広告主にサービスを提供しており、特にリテールメディア事業では米国の大手eコマース企業の50%以上、欧州でも上位20社の50%以上と取引関係にあります。オープンインターネット上でのコマースメディアのリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつあります。

目次

  • 会社の戦略と変革の進捗

  • コマースメディアプラットフォーム戦略

  • 2021年の注力領域

  • 2020年の業績と2021年の見通し

まとめと今後の見通し

2020年は前例のない厳しい1年でしたが、Criteoはeコマースへの注力を高め、顧客のマーケティングとモネタイゼーションのニーズに応えることで、当初のガイダンスをほぼ達成する力強い業績を残しました。特に第4四半期は、前年同期比1%増の6億6100万ドルの売上高を記録し、非GAAPベースの売上総利益は2億5300万ドル、調整後EBITDAマージンは41%に達しました。

2021年については、ローシングルからミッドシングルでの売上総利益成長を見込んでいます。調整後EBITDAマージンは売上総利益の30%超を目標としています。新型コロナウイルス感染症の影響は2021年も継続すると想定していますが、eコマース需要の高まりやコマースメディアプラットフォーム戦略の推進により、下半期にかけて成長が加速すると期待しています。 これらの成長を支えるのが、同社の第一者データ資産と、それを活用したソリューション群です。リテールメディアをはじめとする新しいソリューションが、2021年の売上総利益の30%近くを占めるまでに成長し、全体の成長をけん引していく見込みです。

今後は、eコマース領域の力強い需要を捉え、データと人工知能を駆使したソリューションの展開を加速していくことで、オープンインターネット上におけるコマースメディアのリーディングカンパニーとしてのポジションを確立し、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。

会社の戦略と変革の進捗

  • eコマース領域への注力を強化。特にリテールメディアを中核に据えたコマースメディアプラットフォーム戦略を推進。

  • 経営体制を一新し、トランスフォーメーションオフィスを設置。データ活用とIDソリューションを競争優位性の源泉に。

  • より開かれたアプローチでパートナーシップを拡大。2020年の新規パートナー獲得数は過去最高。

  • イノベーション、パフォーマンス、アカウンタビリティを重視する企業文化への変革。

具体的な事例として、ある大手小売企業に対して、マーケティングではフルファネルのオーディエンス戦略を設計し、オフラインとオンラインのデータを活用することでコンバージョン率を高めました。またモネタイゼーションでは、同社のリテールメディアソリューションを導入・教育することで、広告収入を40%伸ばすことに成功しました。

また、ある大手eコマース企業では、トラベルサービスの認知度向上のため、Criteoのソリューションを活用したビデオ広告キャンペーンを実施。高品質のトラベルインテントを持つオーディエンスにリーチし、認知度を30%以上向上させました。

コマースメディアプラットフォーム戦略

コマースメディア市場でのリーダーシップ確立を目指し、同社の強みであるeコマース関連データとAI技術を活用したプラットフォーム「コマースメディアプラットフォーム」の拡充を進めています。

このプラットフォームでは、以下の独自のアセットを生かしてソリューションを提供します。

  1. 大規模な第一者コマースデータ:2020年だけで、2兆5000億ドル超の取引データを、2万1000社のeコマースクライアントから収集。

  2. 高度なAIエンジン:一日あたり4450億ものビッドリクエストを処理する大規模インフラと、毎秒6400万ものキャンペーンを評価する高度なAIを保有。

  3. 出版社やブランドとのダイレクト接続ネットワーク:グローバルに展開する出版社や小売業者とのネットワークを通じて、ブランドセーフティが担保された魅力的な広告在庫へのアクセスを提供。

同社はこれらのアセットを梃子に、IDソリューションの強化にも取り組んでいます。第三者データに依存するのではなく、自社の第一者データを活用することで、プライバシー保護と高いパフォーマンスの両立を目指します。

2021年の注力領域

  • 成長:eコマース需要を確実に取り込み、コマースメディアプラットフォームのモメンタムを加速。

  • 実行:高いパフォーマンスとアカウンタビリティを重視する企業文化を醸成し、戦略を着実に遂行。

  • 第一者データ:独自のデータ資産を競争優位性の源泉とし、市場の混乱を勝ち抜く。

2020年の業績と2021年の見通し

2020年通期の売上高は前年比8%減の21億ドル。為替変動の影響を除く売上総利益は13%減の8億2500万ドル。調整後EBITDAは2億5100万ドルで、売上総利益に対する調整後EBITDAマージンは30%でした。

2021年については、売上総利益について為替変動の影響を除く前年比でローシングルからミッドシングルでの成長を見込んでいます。コマースメディアプラットフォーム戦略の推進により、リテールメディアをはじめとする新しいソリューションは約50%の成長を見込み、売上総利益の約30%を占める見通しです。一方でID関連の逆風を約6000万ドルと見積もっています。

費用面では、2020年と同水準を計画。6000万ドルのコスト削減により、新規事業への再投資を賄う考えです。

通期の調整後EBITDAマージンは、売上総利益の30%超を目標とします。成長事業へのリソース配分、既存顧客とのシェア拡大、クロスセルの推進、オペレーションの効率化などにより、収益性の改善を図ります。

質疑応答

質問1:リテールメディア事業の収益の内訳と、競合他社と比較したユニットエコノミクスについて。

  • 小売業者に対するSSPとしての役割と、DSP機能の提供の両面でサービス提供。需要と供給の統合的なソリューションが差別化要因。

  • データを軸にメディアだけでなくオーディエンスのモネタイズも推進。将来的にはサプライサイドとデマンドサイドのシームレスな統合を目指す。

質問2:FLOCへの見解と、リターゲティング事業の展望。

  • Googleとパートナーシップを深め、FLOCのテストに注力。一方でファーストパーティデータを活用したリターゲの進化にも注力。

  • コンテクスチュアルターゲティングなどクッキーに依存しないソリューション開発も加速していく。

質問3:新規顧客の獲得について

  • 多くは新規顧客で、リターゲだけでなくオーディエンスターゲティングにも関心。オープンインターネットの需要の高まりを捉えている。

質問4:2021年のプライバシー関連の逆風の内訳

  • ブラウザの制限が3分の2、オプトインが3分の1程度との想定。

質問5:iOSの変更の影響

  • アプリパブリッシャーのモネタイズが難しくなる懸念。SDK提供により一部は補完。

  • コンテクストデータを活用し、ウェブとアプリを横断したキャンペーン設計も検討していく。


Criteo 2021年第4四半期 Earnings Call Transcriptまとめ

会社紹介

Criteoはフランスに本社を置くアドテクノロジー企業で、パーソナライズされたデジタル広告のグローバルリーダーです。Eコマース企業やブランド、出版社が、ファーストパーティデータを活用してオーディエンスターゲティングを実現し、コマースメディアキャンペーンを展開することを可能にするコマースメディアプラットフォームを提供しています。retargetingビジネスが売上の大半を占めてきましたが、近年はコマースメディア事業への転換を進めており、リテールメディアやオーディエンスターゲティングソリューションの成長が著しくなっています。リテールメディア事業では、米国および欧州の大手小売企業の過半数をクライアントに持ち、リーダー的ポジションを確立しています。2021年の年間売上高は22.6億ドル、日間アクティブユーザー数は6億8,500万人に上ります。

コールの内容

はじめに

  • 2021年はCriteoにとって戦略的な転換の年となり、コマースメディアへの移行が進んだ。

  • その結果、2021年は前年比で二桁成長を遂げ、成長軌道に乗った。

  • 特にリテールメディアは引き続き強力な成長エンジンとなっている。

2021年の業績ハイライト

  • 売上高は22.6億ドル(前年比9%増)、Contribution ex-TAC(旧Revenue ex-TAC)は9.21億ドル(同12%増、為替一定ベースで11%増)。

  • 4Q連続でのContribution ex-TAC成長を達成。72%が既存クライアントによる成長。

  • 事業の多様化が進み、リターゲティング以外の売上比率が32%に達した(前年は19%)。

  • 純利益は前年比84%増、希薄化後EPSは80%増、調整後希薄化後EPSは56%増と過去最高を記録。

  • リテールメディアの総取扱高(GMV)は前年比63%増の約7億ドル。

  • 自社DSPを利用するクライアント比率は74%に達した。

2022年の戦略的優先事項

  • 統合(Integration):コマースメディアプラットフォームのさらなる統合、IPONWEB買収の統合、人材への投資

  • 差別化(Differentiation):当社の強みを生かした差別化の推進

  • スケール(Scale):持続的成長のためのスケールの追求、パートナーシップの拡大、効率化の推進

2022年の事業展望

  • Contribution ex-TACは為替一定ベースで10〜12%の成長を見込む。

  • リテールメディアは約60%の成長、GMVは10億ドル超の見通し。

  • オーディエンスターゲティングは40〜45%の成長を予想。

  • 調整後EBITDAマージンは約32%の見込み。

  • 法人税率は25〜30%を想定(OECD改革の影響を含む)。

  • フリーキャッシュフロー・コンバージョン率は調整後EBITDAの約45%を予想。

質疑応答

主な質問と回答は以下の通り:

Q. コマースメディアの予算設定は年間ベースか、それともまだ四半期ベースか?グループMとのパートナーシップの可能性は?
A. 予算設定は顧客によって異なるが、年間計画を立てるところもあれば、進化の早いところもある。グループMとのパートナーシップは大きな一歩であり、他のエージェンシーとのさらなる機会を生み出すだろう。

Q. ビジネスモデルの構造変化はあるのか?またIPONWEBを含めた今後の事業の方向性は?
A. 事業構造は変化しており、広告主、小売業者、出版社、消費者をつなぐコマースメディアプラットフォームの一本化を進めている。IPONWEBの買収により、上位ファネルも含めたソリューションの提供が可能になる。

Q. ブランド戦略の再定義の狙いは?
A. ブランド認知の向上、コマースメディアプラットフォームへの移行の周知、オープンインターネットの重要性の訴求、優秀な人材の獲得が目的。

Q. 4Qのプライバシー影響はどうだったか?2022年の影響の内訳は?
A. 4QのiOSの影響は予想以上に大きかったが、ファーストパーティデータの強みなどでカバーしていく。2022年は上期に影響が集中する見通し。

Q. リテールメディアの競争環境をどう見ているか?2022年の事業の立ち上がりの背景は?
A. マイクロソフトなどとの競争はあるが、当社は先行者としての優位性を生かし、顧客との強い関係性やオフサイト広告の強みを武器に差別化を図る。事業の立ち上がりはプライバシー影響からの回復、プラットフォームの本格稼働、トラベル需要の回復などが背景。

まとめ

2021年はCriteoにとって事業構造転換の年となり、コマースメディアへの移行が進んだ結果、二桁成長を果たした。特にリテールメディアが牽引役となり、同事業のGMVは7億ドル近くに達した。2022年は、プラットフォームの統合、差別化、スケールの追求を戦略の柱に、Contribution ex-TACで10〜12%の成長を目指す。リテールメディアは約60%、オーディエンスターゲティングは40〜45%の成長を予想している。

コロナ禍によるEコマースシフトの恩恵を受け、当面は良好な事業環境が続くとみられる。一方、競合他社との差別化や、プライバシー規制強化への対応がカギとなる。先行投資により、顧客との関係性や自社プラットフォームの優位性をいかに高められるかが、持続的成長の鍵を握ると言えるだろう。マイクロソフトなど巨大IT企業との競争も避けられない中、Criteoの真価が問われる1年になりそうだ。

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