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海外駐在ゼネコンマンの育休取得の記録

第三子妊娠発覚~休暇取得~職場復帰の記録

8月末に第三子が生まれてから6週間の休暇を取得し、先日無事職場に戻った。記憶が新鮮なうちに妊娠発覚から今までの経過と心境を書き留めておきたい。

第三子妊娠発覚~

妻の妊娠が発覚したのが2019年の年明けのころだったと思う。それから出産やその後の生活をどうするか妻と話し合った。日本に帰国して出産するという案もあったが、ぼくの希望は台湾で産んでほしいというものだった。というのも、第一子の時は妻の実家に里帰り、第二子の時は僕がすでに台湾に赴任しており妻と子どもたちには出産後落ち着いてから台湾に来てもらうことにしたため、どちらの時も誕生後一か月の新生児期をぼくは家族のそばで過ごしていなかった。それと、台湾赴任に伴って会社の規定で「家族帯同は最短でも6か月後」というものがあり、第二子出産もあって結局9か月ほど単身赴任となってしまい、ぼくとしてはこれ以上家族と離れて暮らす期間を作りたくなかった。

とはいえ、妻1人で新生児含む子ども3人の世話をするのは無理がある。海外ではなおさらだ。そこでいろいろと情報を集め始めた。

まず、台湾含む中華圏には坐月子(ズオユエズ)という習慣がある。これは産後の母子が1か月程度ゆっくりと療養することなんだけども、そのための食事を配送してくれるサービスや1か月程度母子で入居できる施設(月子中心)なども台湾にはたくさんある。ぼくは妻が上の子2人の出産後は大変で精神的にも参っていたのを感じていたので今度はぜひ月子中心に入ってゆっくりしてほしいと考えた。

ただそうすると上の子2人の世話をする人がいなくなってしまう。長男は幼稚園に行っているが次男はまだ1歳で幼稚園には入れない。産後のことも考え次男の託児所も探し始めた。

それと同時に会社の規定も調べた。ぼくは日本の会社から台湾の現地法人に出向という形になっていて、休暇等の規定は現地法人の規定に従うとのこと。現地法人の規定では日本人出向社員は日本と同様の休暇を取ることができるということになっていた。日本の会社には当然育児休暇制度があるので、これを利用して仕事を休もうかと考え始めた。

このころ妻のつわりがひどくなり、家事もつらくなってきたようなので家事手伝いをお願いすることにした。お願いしたのは週一度料理を作り置きしてもらうのと、2週間に一度部屋全体の掃除。それと良さそうな託児所も見つかったので次男も週2~3日9時から16時まで預かってもらうようにした。

妊婦検診も台湾の産婦人科を受診した。台湾には別途費用で通訳の人についてもらうことができるところがあって助かった。胎児の経過も順調で安定期に入ったころ会社に相談した。

会社に相談

会社に伝えるのは勇気がいることだったけど、産後に休暇を取得したいこと、どういった制度が利用できるか調べてほしいこと、今抱えている仕事の見通しと必要になるであろう業務支援などを伝えた。会社の反応は否定的ではなかったけども、出向社員の前例のないことだったようで戸惑っている様子だったと思う。その後2回目の打ち合わせの場で育児休暇ではなく有給等の消化でどうかとの話があり、ぼくとしては有給の残日数が極端に減るのは抵抗があったけども、海外赴任者に与えられる休暇等も組み合わせればそれなりに有給も残ることがわかり育児休暇制度は利用せずに、有給で休むことにした。

会社としては海外赴任中の駐在員が育児休暇を取得した例はないこと、育児休暇となると無給になり、雇用保険の育児休業給付金を申請することになることなど、手続きが煩雑になるうえ出向元から帰国させたほうが良いのではという話になりかねないので現地法人で処理できる範囲内で、という意向もあっただろうと推察する。

出産後休む期間はどのように決めたかというと、まず産後の体をいたわる期間として1か月、月子中心に入ってもらう。月子中心にはきょうだいと一緒に入居できるところもあるけども、上の子2人と一緒では十分に休めないだろうと考えて上の子2人は自宅でぼくと生活し、週末だけみんなで月子に宿泊する計画にした。その間ぼくは仕事を休み長男次男と生活する。1か月ほどで月子から母子が帰宅するけど、帰宅してすぐに子ども3人を1人で相手するのはあまりに酷なので、生活のリズムを作る期間としてさらに2週間は仕事を休む。(ちなみにその後もしばらくは祖母に来てもらうことにした。後述)合計6週間。最低これくらいで生まれた子や母体に何かあればもっと休むこともあり得ると説明していた。

~出産

妊娠中の経過は順調だったんだけども、大きなおなかで上の子2人の世話をするのは大変だったみたいで予定日の4週間前、妊娠36週で産まれてしまった。その日は長男の幼稚園の参観日でもともと仕事を休む予定だったんだけど、早朝に妻がおなかが張るということで1人で産婦人科へ、そのまま出産になりそうだということで長男の参観日はキャンセルして一度次男を託児所に預けて長男と一緒に産婦人科へ。到着するとすでに無痛分娩の麻酔をしていた妻は余裕の表情。長男とお昼ご飯を食べたりして過ごす。お産は夜になりそうだということなので一度次男を迎えに行き、家族で出産に立ち会うことに。長男次男とも頑張っていつもより遅くまで起きていたけど、長男は21時ころ寝てしまった。結局生まれたのは23時前だったけど、次男は雰囲気を感じ取ったのか抱っこされたままじっと母を見てた。

出産後~職場復帰

そんで予定通り長男次男との3人での生活が始まる。1か月も早く生まれてくると思ってなかったので仕事の引継ぎが不完全で長男次男が幼稚園行ってる間に何日か数時間引継ぎに行く。家事はそこそこやってはいたのでそんなに問題なかったけど幼稚園に持たせる持ち物をよく忘れた。出生届やらの手続きも日本の両親の助けも借りつつ済ます。月子中心のサービスは本当に行き届いていて妻は産後めきめきと回復して元気になった。無痛分娩だったのでダメージも少なかったみたい。家では母子帰宅後の準備を進める。用意してあったベビーバスなどを準備し、長男次男が寝るベッドを増設。心配してた寝かしつけも最初は大変だったけどすんなり寝てくれるようになった。長男は週末が近づくと幼稚園に行きたくないという日もあったけど、週末母に会えると落ち着いた。月子ではきょうだいは赤ちゃんに直接接触できないのでガラス越しだったけど妹の存在はよくわかっている様子。まあ大変ではあったけど家族のために時間を使えている実感があって充実した日々だった。

25日間の月子中心での生活で赤ちゃんは約1.5倍に成長し、無事母と家に戻ってきた。月子中心では夜間はミルクをあげてもらっていたので夜ぐっすり眠れていた妻もこれからはまとまった時間眠れない。ただ月子中心で授乳のリズムができていたので頻回授乳にはならないで済んでる。長男次男も赤ちゃんをチヤホヤしまくる。妻と赤ちゃんは極力外出を避けたいのでぼくが送り迎えなどしつつ家事を担当して妻にはできるだけ赤ちゃんの世話に集中してもらう。ぼくの職場復帰が近づいた頃にぼくの母に来てもらって僕がやってた家事などを引き継ぐ。母には本当に感謝。予定通り問題なく職場復帰できた。

今の心境

いろいろと考えた結果、6週間仕事休むという選択をしたわけだけど、すごく良かったと思う。かつての僕のように育児休暇など選択肢にない人にはそういう選択もあるということを知って欲しいし、育児休暇を取ろうとしてる人にはぜひ参考にしてもらいたいと思い、書いてみました。それではまた。


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