カジノ、まだ間に合います

12月3日から4日間、フィリピンはマニラにある「オカダマニラ」というカジノに行くことにした。
僕にとって、カジノは人生の大部分を占める要素であり、呪いであり、祝福だ。バカみたいな借金を作ってなお、なんやかんや3年に2回くらいは行っている。
かつては年収200万弱だったにも関わらず2日で1,000万近い金額を動かしてしまうほど理性のタガを外すのが上手かったが、今となってはそうもいかない。手持ちのクレカや消費者金融のカードはオールブラックスになり、部屋の隅に置いてある段ボールの中で哀しみのハカを踊り続けている。
そうなると必然的に本来の稼ぎをベースとした遊び方になってしまうため、ここ数年はカジノに持って行く金額も10万くらい、多くて30万くらいだ。

ここまでギャンブルに魅せられた若者は、大抵の場合止まることができずに一般社会と袂を分つことになるのだが、僕は運良くもう一度引いた線の手前で踏みとどまれている。人間関係や財政状況、一度でもギャンブルで100点満点だと自負できる勝ち方で快感を得られた自覚がある、などの幸運によって更なる一歩を踏み出さずに済んでいると思う。尚且つこれを「幸運だ」と認識できるほどの謙虚さをたまたま持ち合わせていたことも良かった。ここは素直に親の教育に感謝するしかない。(外から見ると面白くはないかもしれないが…)

さて、きっと大いなる勘違いをしているに違いないだろうが、今はまだ健全な距離感を保てていると感じるうちにカジノへ行くための簡単な手順を紹介しよう。カジノに行ったことが無いのに僕に共感するような人間はきっと金を稼ぐのも僕と同様に上手ではなく、何もかもめんどくさい人間ばかりだと思うので、できるだけ簡単な行動に絞った。
また、「今からでもちょうど僕の日程と合わせてカジノに行くとしたら」という仮定の話なので、仮に同じ日程でカジノに行くからと言って、僕がその後も手取り足取り面倒を見るわけではない。感動とは自分の足と頭で掴みにいくものだからだ。それに、ワイワイお金を賭けて負けてしまったらあなたのせいにするかもしれないので悪しからず。

1.パスポートを取る
パスポートは5年と10年のものがある。
5年だと11,000円で10年だと16,000円。
最も注意すべき点は、パスポートの取得には早くて2週間、長くて3週間かかることだ。
もし後ろめたい生き方をしていないならすぐに取りに行くことをオススメする。役所は我々現代人の半分の速度で時が流れているし、融通が効かない。
幸いにもこの記事を書いた今日は11月の2日。とりあえず自分の住んでいる土地のパスポートセンターを調べて営業時間を確認しよう。
休日営業や夜間営業を駆使して今週中には最初の申請をするべきだ。
住民票が必要な場合がほとんどなので、合わせて市役所も見ておこう。パスポートさえ手に入れれば極端な話、明日にでも海外に行く事ができる。

2.旅券を買う
参考までに今回の僕の航空代は往復で48,551円だった。買ったのは9/30。これまでの購入実績から照らすと若干割高だった気がする。デビットカードが使用できたので僕と同じ信用状態の人間でも買うことができる。
原則として航空券は先の旅程であればあるほど安くなるが、1カ月前の今でもそれほど高くはないはずだ。
そもそも航空券を買うのにパスポートが必要では?と思った人もいるだろうが、特にそんなことはない。SafariだかGoogleだか知らないが、とにかくインターネットに「最寄りの空港 マニラ」と入力して検索してみてほしい。大体スカイスキャナーかエクスペディアが出てくると思う。
旅行の達人はLCCのサイトを見ろ、とかクーポンを粘り強く探せ、と教えてくれるだろうが、どうせ金を賭けに行く人間の支出が1万2万安くなったところで関係ないので参考にしなくても良い。カジノは楽しいし最高である一方、カジノ遊びはそもそも緻密なものではない。

試しに今適当に調べたらこんな感じだった。

まあ特に安くはない。見方を変えれば山奥に住んでいる人間の帰省1回分くらいなので、今年の親の顔を諦めれば容易に行けるという捉え方もある。

3.宿を取る
ここまでが最低限の条件だ。過去にフィリピンでホームレス生活を2週間送っていたので宿が無い生活の仕方も知らないわけではないが、それも1,000万近く負けて何もかも失ったという状態だったから為せた技だ。今同じことができるかと言えば難しい。
宿も適当で良い。ベストはカジノホテルでの宿泊だが、僕が行くオカダマニラは1泊3万円近くするのでさすがに高すぎる。
近郊のホテルで安いところを探すと良いだろう。僕の周囲だと、大体AirBnBとかエクスペディアみたいな適当なサイトで1泊7,000円くらいのところを探し、2人で泊まって割り勘にするのが通例だ。
ちなみに自慢させてもらうと、僕は今回オカダマニラに無料で泊まることができるので予約はしていない。カジノにとっては良いカモだからだ。カモと聞くと「いずれ食べられてしまう」というネガティブな面ばかりを見てしまいがちだが、何度も食べられるカモ側からすると、直前まで良い匂いや美味しそうなエサが見られるのでそれなりに幸せだ。

4.Grabアプリを登録する
東南アジアに行く人間は大抵携帯に入れている配車アプリだ。少し割高な健全タクシーだと考えてほしい。
日本と違って東南アジアはタクシーの値段が適当で、大抵の場合は悪い方向に値段が振れる。
慣れればなんて事は無いし、フィリピン人も悪い人間ばかりではないが、初めてフィリピンに行く人間にとってはタクシー運転手が全員詐欺師だと考えても言い過ぎにはならないだろう。Grabというアプリを使えば先払いで何の交渉も必要無いので最悪の事態は避けられる。
ちなみにダウンロードだけで満足してはいけない。日本にいるうちに登録と設定を済ませておかなければ現地では使う事ができない。SMS認証がある。電話番号を使った様々な設定は全て日本にいるうちに済ませておこう。
特に空港からホテルまでのタクシーはGrabの使用をオススメする。どの国でもそうだが、ノーガードで空港にいるタクシーを拾ってまともな金額になるのはツイている。ここでツキを消費するのも授業料を払うのももったいない。

僕に合わせたレベルの記事にしているので、念のためGrabのURLは貼っておこう。
Grabのダウンロード←

例によってクレカが作れないデビットカード人間でも使える事を確認している。信用弱者も安心だね。

5.荷物
捕まらなければなんでもいい。
僕は今回4泊するにあたってリュック一つに全てを入れて行くつもりだ。荷物は少なければ少ないほど良い。空港で荷物を預けると金がかかるし、着いたあとも荷物を受けると場所でレーンと睨めっこをする必要がある。
今回の僕のリュックの中身は以下だ。

・ウエストポーチ
GUで1,000円だった。歩き回る時には金と携帯とパスポートしか入れない。
・パンツ3枚、シャツ3着、靴下3足
経験上、これ以外の衣服は1週間くらい同じものを着ても臭くならない。洗濯は現地ですればいいし、最悪買えば良い。
・歯磨きセット
・携帯
・モバイルバッテリー
・パスポート
・日本円

カジノに行くだけならこれくらいで十分だ。
一つ付け足すとすれば、カジノ内は南国で最も寒い施設なので、夏行くとしてもパーカーくらいは持って行った方がいいだろう。


ここまで準備すれば後は当日を待つだけだ。
日々の生活の中でツイていない事があっても、カジノ内でのツキに繋がるから問題はない。

ちなみに僕は一昨日居酒屋で「サイコロゲームでゾロ目が出たらハイボールがタダになる」みたいな注文をして、「6ゾロ…」と呟きながら6ゾロを出してしまった。もうずっと具合が悪い。


カジノ、まだ間に合います。

集まったお金は全額僕の生活のために使います。たくさん集まったらカジノで一勝負しに行くのでよろしくお願いします。