一握の金

家の中から金目のものを手当たり次第に探した。

1ヶ月のフィリピン生活で多額の借金を抱えた俺は帰国後何もしていたわけじゃなかった。現金が1,000円とSuicaに1,000円。
成田空港から日暮里駅について1,025円の運賃をギリ払えなくて「はは、今"円"が無いんすよね〜笑」と謎の強がりを見せた屈辱をただの過去の風景にしまいと。
初日にパチンコ屋さんの景品を4,500円見つけた。これは最寄り駅のパチンコ屋さんの景品所がわからなくて持ち帰ったものだ。きっと財布の中にまだ10万くらい入ってた頃のものだろう。ギャンブル依存症の貧乏は勝負できる金に目はないのでこういうものに敏感で、ギャンブル依存症で金があれば、戦える金額以外興味が無いので本当に無頓着になる。大勝ちした次の日とかにもらったものだろう。ありがとう、過去の自分。

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