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戦の潮目が変わる時…

この度は、負け戦請負事業TUNDERUに参戦してくださった方ありがとうございました

状況説明もきちんと出来ていない状況でこんなにたくさんの方がお力添えをしていただきまして、誠にありがとうございます

ここでは今回の経緯を僕目線でお話させていただこうと思います




事の始まりは、たまたま見てしまったTweetでした

『無償で事業を譲渡致します』

このひと言を見てしまいました
僕は4年前に事業に失敗してたくさんの物を無くしました

子供、家族、仲間、信用、現金、居場所

持っているものは全て無くなりました

そして事業に失敗するきっかけは詐欺でした

詐欺というのは不思議なもので、自分自身を見失います
外から見たら、そんなの絶対ウソだってわかるようなことも理解できなくなります
それくらい精神をボロボロにされ、判断力もおかしくさせられます
何が正義で何が悪なのかすらわからなくなるのです

そしてこの文言を見た時に何かゾワゾワした物を感じました
これは詐欺の匂いがすると言うよりは、この人は判断がきちんとできなくなっている
そっちの方が強かったです

一度は通り過ぎた物のどうしても気になってしまい、つい連絡をしてしまっていました
正直、この人を救おうなんて1ミリも思っていませんでした
もしかしたら、過去の自分とケリを付けたかったのかもしれません
もしかしたら、タダの興味本位でどんな人間か見てやろうと思ったのかもしれません
本当に関わろうとは思っていませんでした

『是非、話を聞いてほしいです』

DMの返事はすぐに来ました
この返信の速さも嫌な予感はしました
焦ってる人間には危険
これは長く商売をしているうちに培った防衛本能です
これはいよいよ嫌な感じがするなぁ


目が死んでる…

これが最初の印象でした

これはもういよいよまずいな
ほんとにそう思いました

話を聞くと、
高齢者向けの弁当の配食事業
現在は赤字だけど、営業に行けばすぐ契約取れるので黒字にはすぐになる
可能性のある事業
今のお客さんもそのまま引き継げるからやりやすい
ただ自分は資金がもう持たないので、誰か無償でいいので事業継承をして欲しい
こんな話でした

そんなに詰まってるならなぜ事業を売らない?
現金が必要なのになぜ0円?
僕が感じたのはそこでした

赤字の会社を売る
これはよくあることで、やり方を変えれば黒字になる会社は山程あります
しかし経営者が素直に言うことを聞かないなどの理由で再建は失敗したりします
そんな頭の固いワンマン社長って感じでもないし、覇気は無いけど真面目そうな人ではある
うーんなんか違和感を感じる…

そこでちょっと踏み込みました
この無償譲渡ってどういうことですか?
そんなにやばいなら現金化した方が良くないですか?

実は…
そこから出た話は、今やめると違約金が取られる
しかもその額は300万円
それを払うことは出来ない
でも事業を続けても毎月お金が入るどころか、出ていくばかり。
正に進むも地獄退いても地獄とはこのことだと思いました

更に再契約するとFCに50万円支払ってもらう

これはもう無償譲渡じゃ無い
これは詐欺に近い話じゃないか

僕の中の何かが弾けました

これは詐欺だって言われてもおかしくないですよ
思わずこう言ってました
本人は戸惑ったような困ったような顔をしました

僕もわかっているんです

本人もうっすら気が付いてることも
でも本当に困ったときは自分の都合のいいように考えてしまう
自分がそうなったことがあるから理解できてしまうんです
自分は悪くない、設備を無料で渡すんだからおかしくないじゃないか!
内装費だって物件の費用だってホントはかかるのに0円なんだから、悪い話じゃないじゃないか!
こうやって自分の都合のいいように解釈をしてしまう
そんな事は理解しているんです

「いや設備のお金が…」

予想が全部当たります
ああ…この人は本当の悪ではない
本当に詰まってしまってどうにもならなくなってる
あの時の自分だ

本気で人を騙そうとしているわけではない
人を破滅させてお金をむしり取ろうとしている訳でない

この人はまだ破滅して欲しくない…

「家族はどうしているんですか?」
次に出た言葉はこれでした

「…離婚してしまいました」

「子供には会えていますか?」

「子供には会えています…」

僕はもう4年子供に会えていません
4歳だった子は8歳に
2歳だった子は6歳に
0歳だった子は4歳に

僕には一生この時間は取り戻せません
子どもたちにとっても父親のいない時間は戻ってきません

これは僕が一生背負わなくてはいけない業です
僕の犯した失敗で子どもたちの人生を変えてしまった
これはもう一生消えないのです

色んな理由で離婚する人がいます
それは各々理由があるから、離婚が悪いとは言いません
ただ僕は僕のワガママで失敗し、その失敗を他人のせいにしようとして家族も周りもたくさん傷つけました
その結果、家族は去っていきました
これは僕が悪い以外の理由はありません

この人はまだギリギリで踏みとどまれる

「子供に会えているならまだ諦めないほうがいいのでは無いですか?」

さっきまで関わりたくないって思ってたのに…
でもこのまま知らないふりしたら、この家族は必ず崩壊する

「どうせ死ぬ覚悟をしたなら、もう一度だけ踏ん張ってみませんか?」
「それでダメなら潔く死にましょう」

こんな話からこの物語は始まりました

ここでひとつ戦の潮目が変わったわけです
ひとりで戦い続けた人がもう倒れる
そこを無理やり立ち上がらせた
もう終わりでいいんじゃないか?
終わらせてあげたほうがこの人のためなんじゃないか?

いや違う
救うのはこの人じゃない
この人の家族なんだ
何も知らずに勝手に父親はいなくなっちゃダメなんだ
諦めさせてはいけない

せめてもの自分ができる戦いはこれくらいだ

この時はもうやるかやらないかの2択でした
だったら選択はひとつやるの1択しか無いのです

「本気でやるなら僕がなんとかします」

つい言ってしまった

何のプランの無い
勝ち目も全然見えて無い
やると決めただけ、出来ないかもしれない
いや違う
できない理由を全部潰せばできる理由になる
徹底的に出来ない理由を潰してやろう

大丈夫!やるって決めたら必ず何とかなる
これだけは唯一の武器
こうなりゃあれを使おう
得意のアレだ

助けてヘルプ!!

このひと言が次の戦の潮目を変えることになりました


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