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焼き芋で世界に行く話 ~世界の壁は高かった~ その1 焼き芋屋さんへの道

さて今度は焼き芋事業について書いていこうと思います

この事業はもう1年以上前に企画した事業です

まだ第一回の試食会が終わったところですが、ここに至るまで色々とあったので、一区切りとして、今までの経緯を備忘録として書いておこうと思います

なぜ焼き芋をやろうと思ったのか?

これは単純!
商売にしたいと思うくらいうまい焼き芋を食べたから!!

商売のきっかけなんてこんなもんです
やろうと思ったら即動く

この時はここから焼き芋とこんな長い付き合いになるとは思わなかったです

当時、僕は真面目なドカタとして、栃木に1年ほど移住していました
山を切り崩し、道を作り、地面に配管していく
こんな感じの仕事でした

簡単に山と言いましても、微妙に土地の権利問題などもあり、どこをどういう形で掘り進めるかなどを地主のじいさんと打ち合わせしていくうちに、ずいぶんと仲良くなって、毎週グランドゴルフをする仲になりました

なにせ田舎の地主のじいさんです
普段は大体ヒマです

ほぼ毎日、現場に遊びに来るようになりました
そこでいつも何か差し入れを持ってきてくれるのです
友達の畑から採れたイチゴやトマト
大量の飲み物など、とてもありがたい限りでした

秋口のある日、じいさんは大量の紙袋を持ってきました
そこには大量の焼き芋
こう言っては何ですが、肉体労働してる身としては、秋口とはいえまだ汗かくくらいは暑いです
サツマイモなんて水分持っていかれるし、熱いし食べてるだけで汗かくし、正直いらんわ
と、思いました
ほぼ全員同じ思いでしたが、僕は大人の対応ができる人なので、にこやかにいただいて車に置いておきました

お昼時になり、かなり大量のおいも達でしたので、全員に強制的に渡しました
山の中で、のんびり鳥の声でも聴きながら焼き芋でも食べるかなんて思ってひと口いった瞬間、電気が流れました

これはもうサツマイモじゃない!!

この衝撃は人生で早々味わえることじゃありません

あまりに驚いた僕は余っていた焼き芋を車に取りに行きました
するとほとんど全員が近くに来ました
そして口を揃えて言いました

あの焼き芋まだある??

そうです
誰しもこんなもんいらんと思っていた焼き芋があまりにも甘すぎて、たまたまかと思い、もうひとつ食べたくなったのです

まさかのドカタ全員がハマると言う驚異の焼き芋にこれはもうやるしかないなと。1秒でこれをやろうと決めました

「東京帰ったら焼き芋屋やるわ」

ここが焼き芋屋さんの始まりです

東京帰ったらと、言ったもののすでにもう頭は焼き芋のことばかりです
ある程度終わりが見えてきたので、あとは任せたと早速じいさまのところへ向かいます

「じいさんさっきの焼き芋誰が作ってるのか教えてよ」
「知らん」

2秒で道は途絶えました

さてどうしたもんかと帰り道、泊ってる所までは2つほど山を越えます
現場を出て10分ほど走ったところでした

ふと、道の脇に焼き芋の文字が。
まさかと思いつつ、せっかくだし寄ってみようかと車を止めました

謎のでかいツボに焼き芋の文字

「すいません。まだ焼き芋ありますか?」
でかい袋に3袋余っていました

一袋で5本近く入っているし、3人しかいないので
「じゃあ1袋ください」

「はいよ。じゃあ500円ね」
え?5本入ってるのに500円?1本100円??
あまりの安さに驚きました

そしてなぜか3袋渡されました

謎です
確かに1袋といったし、払ったのは500円
手元には一人一袋の焼き芋、本数にして15本

謎すぎる
「せっかくだから全部持って行っていいよ」
謎の言葉すぎる
何がせっかくなのかわかりません

余っても捨てるからという謎の理由で、15本も焼き芋を手に入れました
帰り道ひとつ食べてみると、昼間食べた焼き芋と同じ味
これだったか!と、小躍りしました

僕を知っている人は、こういうタイプの人が大好物なのは知っていると思います
ここまでされて黙って帰る人間では無いと言うことも知っていると思います

翌日、性懲りもなくまた行きます
今度は一升瓶を持って…

「師匠!昨日のお礼っす!」

こうして焼きイモとの付き合いは始まりました














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