#ディストピア
重力を曲げても星を移ってもすぐに隙間なくみっちりと埋まる
未来は狭い短歌
夢に見たすべては排泄物だった
宝石だと信じていた川柳
あの頃にもっと寄り道しておけば無人の街を飛ばずにすんだ
突き進んだ結果の短歌
人類が小蝿を叩くかの如く
機械が旅客機を落とす川柳
住みやすい街ランキング第一位 人口よりも銃口多数
治安の基準が変わった短歌
東京を葬れば終わるはずだった
ラスボスは他にいた川柳
どこへでも行こうと思えば行けるので行きたい場所が思いつかない
移動手段の進化による弊害の短歌
郷愁のなかに草木は生えてない
長いあいだ自然と隔てられてきた川柳
この先はアップデートが必要です 古い機種では会えなくなった
VRでしか会えない短歌
新しい重さの単位を決めましょう 未来を量るのに用います
命の重さを量って選別しようとしている短歌
買いたてのカメラを虫と間違えて叩き潰した十万損した
悔やむべきはそっちじゃない短歌
数年後 地球の自転が止まるらしい 米中を結ぶトンネルのせいで
相変わらず陰謀論の短歌
何度でも飽きることなく繰り返す 忘れた頃にと言い訳をして
本当は忘れてない短歌