#SF小説
どこへでも行こうと思えば行けるので行きたい場所が思いつかない
移動手段の進化による弊害の短歌
新しい重さの単位を決めましょう 未来を量るのに用います
命の重さを量って選別しようとしている短歌
買いたてのカメラを虫と間違えて叩き潰した十万損した
悔やむべきはそっちじゃない短歌
数年後 地球の自転が止まるらしい 米中を結ぶトンネルのせいで
相変わらず陰謀論の短歌
都市の端 陸の輪郭 水平線 望むこの窓が世界の果て
この階で生まれてこの階で死ぬ短歌
ゆき先を告げる権利はぼくにない
どこへ行くべきかはAIが知っている川柳
計算とタイムマシンが蝶を殺す
バタフライエフェクトを遡って被害を防ぐ川柳
道ばたで1秒チラ見した花を 夜に暖かい部屋で映すの
データにすれば枯れないし の短歌
ホムセさえあればなんでもつくれるし あの子は火星に行ったきりだし
春には帰ると行ったのに短歌