マガジンのカバー画像

韻文のマガジン

112
俳句・短歌・川柳・都々逸を詠んでみます。 #ディストピア短歌 #寓話川柳 など、だいたいフィクションの韻文。たまに日常を詠んだりも。
運営しているクリエイター

#ディストピア小説

どこへでも行こうと思えば行けるので行きたい場所が思いつかない

移動手段の進化による弊害の短歌

あきやま
1年前
2

郷愁のなかに草木は生えてない

長いあいだ自然と隔てられてきた川柳

あきやま
1年前
1

この先はアップデートが必要です 古い機種では会えなくなった

VRでしか会えない短歌

あきやま
1年前
1

新しい重さの単位を決めましょう 未来を量るのに用います

命の重さを量って選別しようとしている短歌

あきやま
1年前

買いたてのカメラを虫と間違えて叩き潰した十万損した

悔やむべきはそっちじゃない短歌

あきやま
1年前
1

鉄の道 鉄の橋の下 鉄の川

景色のすべてが人工物の川柳

あきやま
1年前
1

宇宙から見れば輝くミラーボール

すべての地表と海面に蓋をされた川柳

雪だけが境界線を消したのに ここから先はもう積もらない

気象もコントロールできる時代の短歌

あきやま
1年前
1

体と脳 どちらを自分と定めるか 決めて下さいと役所は言うが

脳移植が個の境界を曖昧にした短歌

あきやま
1年前

思い出は1ピクセルも色褪せず ただ蘇る 鮮やかさもなく

全ての営みが記録され思い出補正が消えた短歌

あきやま
1年前
1

人類を半分減らしたマシーンの ねじの頭がプラスチックとは

誰かが止められたはずの短歌

あきやま
1年前

楽園の空気を吐き出すファンの群れ 壁の外から狙う密猟者

絶滅寸前室外機の短歌

あきやま
1年前
1

つぎはぎの都市を上れど出口なし

山で遭難したら登れと言われたが…の川柳

あきやま
1年前

今晩は かぶのスープをロボットに 僕はいつもの栄養ドリンク

無理して最新鋭のやつを買ってしまった短歌