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語彙のマガジン

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小学校の国語のテストで必ずあった「○○を使って短い文をつくりなさい」という問題が好きでした。それをやります。
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#語彙力

「運否天賦」の例文

 あの電車だ。あの電車に乗れれば間に合う。ホームに停車しているその車輌は、しかしフェンス…

あきやま
1年前
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「たつき」の例文

 金魚はうまくやれば儲かるんだ、と聞こえた。昼下がりの駅のホームで、老夫婦と呼んだらぎり…

あきやま
1年前

「しずしず」の例文

 祖母の家は大工が建てた。そう聞いている。家の中央あたりに太い大黒柱がどっしりと立ってお…

あきやま
1年前
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「度し難い」の例文

 滑り台は難しい。今日もサミネは上手に着地できずに尻もちをつく。伸ばした足をそのまま地面…

あきやま
1年前
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「汗顔の至り」の例文

 雨の道路ですべってころんだ。正確に言うと、雨でぬれた葉っぱを踏んですべってころんだ失敗…

あきやま
1年前
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「手慰み」の例文

 窓際の席は太陽の動きがよく分かる。さっきまで短かったグラスの影が今はだいぶ伸びている。…

あきやま
1年前
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「老いさらばえる」の例文

 年齢は膝に出るだの、腰に来るだの、毛髪は逝くだの、うるせえ。と、サワタグロは悪態をつく。心の内ではなく実際に声帯を震わせてしまい、待合室の空気がピキッと張りつめるのを感じた。ギリギリの社会性は持ち合わせているので、場を和ませるべくもう一言付け加える。 「年齢は背中に滲むって話もあるねえ」  サワタグロは野球のユニフォームを着ていて、背番号は18だ。サワタグロは67歳だ。待合室は静まり返ったままだ。  病院を出て薬局へ向かう20メートルほどの道の途中、路上駐車の窓に映る老い

「とば口」の例文

「趣味はカメラです」  という人の中には、カメラが趣味なのではなく写真を撮るのが好きなだ…

あきやま
1年前
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「恬として恥じない」の例文

 以下の理由から、マモミはミナハルとのキスを拒んだ。 ・つい10秒前に交際を始めたばかり…

あきやま
1年前