筑波大学のenPiTを1年受講した所感

 筑波大学に編入してから早10ヵ月、本日、筑波大学のenPiTビジネスシステムデザイン分野(のはず)を全課程修了しました。まだ修了証書をもらっていないので修了と言っていいのか分かりませんが、ちゃんと参加しましたし、レポートとしてこの記事を提出するつもりなので大丈夫でしょう。

終了か修了かは置いといて、enPiTとは、情報技術人材を育成する云々みたいなやつで、課題以外でコードを書かない僕のような人間とは如何にも無縁そうで怖いなぁと思ってたんですが、実際にチーム開発をして、色々発見があったりしたので、学んだことやらをまとめたいと思います。

 まず、今までは「この配色がかっこいいからこの色で何か作ってみよう」のような、自分のために何かを作ったりすることはあったのですが、今回のenPiTでは「ターゲットユーザーがより快適にこのアプリを使えるにはどのような機能が必要なのか」など、客目線、ターゲットユーザー目線に立つことが重要で、その感覚のズレをチューニングするのが大変でした。enPiT受講前はターゲットユーザーの求めているものをなんとなく想像する、程度まではできていたとは思いますが、その先の調査・検証、その結果から仮説を見直したりする作業は全くしたことがなかったので、実際に体験できたのはとても良かったです。

特に、レビューではターゲットユーザーではない人からの意見が飛んできたりします。もちろん、自分たちのプロダクトを思ってのことなのは理解していますが、それが今開発しているプロダクトのターゲットにとって必要なのか、その意見を開発に取り入れる場合、優先順位をどうするか、など困る点もいくつか出てきました。そこで、自分たちのプロダクトのコアとなる部分、もっとも価値がある部分を最小限のコストでユーザー届ける方法を考える、というアプローチは、情報の取捨選択にとても役に立ったと思います。

 次は、チーム開発についてのことになりますが、enPiTを通じて最も大きな問題であったといえるのはタスク管理についてです。僕たちのチームでは、始めはモブプロで全員同じ足取りで進めていこう、という方針だったのですが、チームメンバー間のスキルの差により、時間が足りず、うまくいきませんでした。次に、フロントエンドとバックエンドで完全に分業を行ったのですが、こちらもフロントエンドとバックエンドの間で連携がうまく取れず失敗。最終的には、コードをかけるメンバーがどんどん書いていき、コードをあまり書けない(書くのが好きではない)メンバーはデザインや発表準備などを行う、という方針に変更したことでスムーズに開発が進んだように思います。

今回のチーム開発は課題がまだ多く残っているように思っていますが、今回のenPiTやハッカソンなど、時間がない場合のチーム開発では、すべてのメンバーが自発的に自分がチームで貢献できることを探してやっていくことが最も重要だと分かりました。僕は、このチームで基本的にはUIのデザインや、発表準備と発表などを行いました。また、コードを書くことはあまり得意ではないですが、デザインを考える際に参考にするためや、発表時にはきちんと自分のチームの進捗を理解しておく必要があるので、メンバーが書いたコードをきちんと読んで理解しておくように努めました。冒頭で、「課題以外でコードを書かない僕のような人間とは如何にも無縁そう」と書きましたが、コードを書かなくてもチームに貢献できるということが分かったのはとても大きな収穫だと思っています。

 以上が、今回のenPiTに参加しての所感になります。ほかにも、アジャイル開発の進め方や、ツールやAPIの使い方、プレゼンについてなど細かい知識もたくさん得ることができました。また、enPiTに参加していたメンバーからはお互いにリスペクトを感じられるとても良い環境で、先生・メンターの方も、技術的に詰まったときや、チーム・プロダクトの方向性に詰まったときに適切なアドバイスをしてくださいました。おかげさまで、1年間、紆余曲折はありましたが、なんとかやりきることができました。本当にありがとうございました。

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