Note 錦戸亮 2nd album

せっかくなので、1曲毎に(短くても)感想を書こうと思う(という下書きが半年以上眠っていた)。

M1.Top note

1曲目にふさわしい、勢いのあるインスト曲。次の曲まで意識したのかな?という感じ。


M2.Tokyoholic

元々は関ジャニ∞時代の楽曲。本人が作詞作曲したため、歌えるのだろう。どうしても原曲と比べてしまうが、そことは関連付けないで感想を述べようと思う。

これほど勢いもあり、また言葉数の多い曲を一人で歌えるのは流石の技量だなと。2019年のツアーでも感じたが、これはライブ映えする。


M3.キッチン

2020年8月のファンミーティングで初披露、今回のアルバム発売に先駆け配信されていた曲だ。僕が初めて聞いたのはファンミーティング初日だったが、第一印象は1stアルバムの「オールドファッション」に似た曲だということ。どちらもカップルの”イチャイチャ”を描いているからかな?

僕自身、音楽理論的なことに明るくはないが、コードの使い方でグッと来たところがあった。落ちサビからラスサビに向かうところの「君にただ見惚れてただけだ」。1サビや2サビとおなじコードで来るかと思いきや、メロも下がることで「見惚れてた」という気持ちの強さが伝わってくる。


M4.ハイボール

「君」は誰かの元カノだ。そんなことは意識したくないし、意識したくもない。そう思っている「俺」。「俺」は急には変われない。だけど「俺」は今の「君」が好き。それは変わらないことだ。「良い意味」で「変わらず」に。そんな曲だ。


M5.コノ世界ニサヨウナラ

死別した彼女を思った曲。別れの直前まで、粗雑な扱いをしてしまったことを悔やむ主人公。(死に限らず)別れはいつか来るもので、悲しくもそれを知ったきっかけは彼女の死。でもあくまで教えてくれたのは彼女である。


M6.オモイデドロボー

2019年のツアーファイナルで披露された曲。

彼女と一緒に歩いてる。今では緊張も理由もなく手を繋げる関係であることに充足感を抱いている。しかし初めて訪れたデートスポットで、彼女が「懐かしい」と呟いた。自分のいない、彼女の思い出に思わず嫉妬してしまう”僕”。「君の思い出全部盗んで、僕で上書き出来たらな」思わずそう願ってしまう”僕”。

僕はこの歌の詩の表現方法が好きだ。彼の心情が物凄く伝わってくる。中でも「過去に縛られてるのは誰?君じゃないな」。ここだ。

この歌の登場人物は3人。主人公の”僕”、彼女、(”僕”の想像する彼女の)元カレ。「過去に縛られてる」、すなわちこれは今の話だ。今の人物は”僕”と彼女だけ。つまり「君じゃない」=”僕”となる。”僕”と直接表現しないことで、元カレに嫉妬している事実から顔を背けたい気持ちが強く伝わってくる。


M7.Middle note

前曲から雰囲気が一変。だがその「空気の入れ替え」がクセになる。思い悩んでいるかのようなインスト曲。


M8.微睡み

彼氏と死別したのであろう女性が主人公の曲。ずっと頭がぼんやりしていたが、「あなた」がいなくなったことをようやく受け入れ、泣きたいと気付く。「あなた」を失ったことで生じた心の穴を埋めてくれる誰かを探したけど、埋めてくれるのは「あなた」しかいないのだ。


M9.Silence

こちらも2020年8月のファンミーティングで初披露、今回のアルバム発売に先駆け配信されていた。

新型コロナウイルスを受けてのステイホーム期間に作られた曲で、聞く度にその時期のことを思い出させる。

「頼りなく絞り出すこの声は どこかに響いてるのかな」

人との繋がりが希薄になったことの不安な日々を感じられる。

「少し不安になるな 強く居たいもんだな 認められる事が出来る今は あの日より弱くないな」

あの時期を超えた今、少しは現状にも慣れ、かつての感覚を取り戻しつつ、それを乗り越えた強さを得たのだと感じている。それがつよがりだとしても。


M10.若葉

ライフステージの変化で新生活が始まる主人公。不安と期待の入り混じった若い感情が、歌詞と曲調どちらからも伝わってくる。個人的には自分もその状況にあった数年前のことを懐かしく、また切なくも思い出した。1年後にはまた訪れるであろうと早くも不安も抱いた。


M11.スケアクロウ

こちらも関ジャニ∞時代の楽曲。

"Rerecord"バージョンということで、アレンジも少し変わっている。スケアクロウとは「案山子」のこと、転じて「案山子のようにみすぼらしい」こと。

彼女と別れ、その思い出にしがみついている自分を「案山子」に例えている。


M.12 I don't understand



M.13 ラストノート

1番には彼女と付き合っていたころの思い出。

2番にはそのころを思い出す主人公の様子。

特にBメロでは対比されるように描かれている。そしてそのきっかけは彼女の香水の香り。

「Note」というアルバムの最後の曲で、「ラストノート」。「Note」には香水の香りという意味があり、最後に彼女から感じた香りという意味での「ラストノート」。

写真のことを「手のひらの中に収まる刹那」と表現しているのも好きだ。それらを見返し「足りないものを探してた」僕。恐らくそれが香水の香りなのだろう。人間の記憶と香りは密接な関係だというが、それを表現に落とし込んでいる。



全体を通して、繋がりの感じられる構成だ。前作「NOMAD」と比べ、ソロ活動に慣れて肩の力が抜け、持ち味がはっきりと出ているようにも感じた。

依然として人が集まるのは難しい状況ではあるが、目の前で聞きたい曲が多い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?