ロマンチストの夢の中(自分のことその2)

コロナ禍が始まって
人と人の距離が離れた。

複数・多人数が嫌がられ
一人・少数でいることが推奨される。

コロナ禍は
誰かが夢見た世界の様だと思った。

人混みを
集団を
好きになって
好きになってくれる相手がいる人達を
自分も他人も嫌い続けた
自分が望んだ世界みたいだった。

未来に何も楽しみがないと気付いた夏の終わりに
なんとかしようとして
微かに残っていた「倉岡水巴」という
アイドルの子を手繰った。

たどり着いた先で
見守っていくことを決め
とりあえず生きることにした。

それから二年で
精神的にまともになったと思う。

「倉岡水巴」が
所属するアイドルグループを卒業する時に
初めてファンレターを出した。

書き始めるまで
思っていなかった決意が
書き終えた手紙の中にあった。

書き終えた時
18年ぶりに目標が出来た。

その時から
心が
ほとんど後ろも下も向かなくなった。

そこからおよそ半年がたった2022年4月。

4月9日を皮切りに
次々と
日々がクッションのように挟まりながら
暗闇を照らすニュースの連続だった。


4月22日
深夜の仕事を終えて
Twitterを開く。

卒業メンバーの最年少(成人済み)が
飲酒しながらツイートしていた。

スタート時はともかく
五年経った今
年齢非公開はいらないと思ってたし
飲めるならお酒の話を聞きたいと思ってた。

小さく小さく
夢が叶っていく。


「幼い頃
とても悲しいことがあって
『永遠』を望んだ主人公の元に
『永遠』がやってきた。
主人公が世界を愛し始めた時に。

『世界』から忘れ去られた主人公を
引き戻したのは
それでも主人公を忘れなかった
たった一人の人だった。」


世界は今日も
悲しみと怒りに満ちたニュースを
形を変えて繰り返してる。

遠く離れてて
興味のない自分の
世界だけ光に満ちている。


そして多分
一瞬で消える危うさの中にいる。

「22/7」を追いかけた日々の全てが
全部夢の中の出来事の様だ。

眩しい光に慣れなくて
影ばかり見てしまう。





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