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花川芽衣の卒業

デジタル声優アイドルグループ
「22/7(ななぶんのにじゅうに)」のメンバー
一人一人の好きなところを
書いていくのが目的で書き始めたけど

自分の感情や記憶の
整理と記録の為に順番に書くことにした。



12月24日は「22/7」が結成された日で
2019年もバースデーライブが決まっていた。


11月の定期公演を終え
2019年のバースデーライブを控えた12月のある日。

始めたばかりの
Twitterのタイムラインに翻弄されて
あたふたしていた頃。

それが目に入った。

「花川芽衣が年内の活動をもって22/7を卒業する」

「花川芽衣」は
10月に入ってから
体調不良の為
活動休止中だったメンバー。

「22/7」はそれぞれ
デジタルのキャラクター
11人を担当する声優でありアイドルだ。


その声優がいなくなる(変更になる)なんて
思っていなかった。

このプロジェクトは
「Wake Up Girls」のように
誰も欠けることなく走りきるものだと
勝手に思い込んでいた。


彼女の体調は
それほどまでに悪いのか
原因は?状態は?重い病なのか?

何もわからないまま
年末の卒業に向けて
時間は進んでいった。


「花川芽衣」のことを
自分はよく知らなかった。
今も「知ってる」とは言えないけど。

振り付け動画や
キャラクターメインの
MVばかり見てた時の印象は

「小生意気そうな子」

澄ました顔で
真ん中当たりで
綺麗に踊ってる子だな、と。

「性格強そう」
と勝手に思い込んでた。

自分はそもそも
若い女の子と言うだけで
苦手意識があるから
そう思いやすいところがあるのが原因だが。

バースデーライブの数日前

YouTubeに上がっていた
過去のSHOWROOM配信動画を
たまたま見た。(今は消されてる)

「小生意気」でも
「性格が強そう」でもなかった。

傷つきやすそうな
頼りない女の子に見えた。

この子も頑張って立ってる子なんだと
そう思った。


バースデーライブ当日。

人と人の頭の間から
舞台上のメンバーが辛うじて見える位置にいた。

その日は
「22/7」結成初期にやっていた
朗読から始まった。

ぼーっと立ちながら
舞台上の彼女達を見るのを諦め
耳を澄まして聴いていた。

やがて朗読パートが終わり
ライブパートが始まった。


「未来があるから」の
イントロが流れた時
どよめきが聴こえたのは
一曲目からぶち上がり曲だ!
って意味かと思ったその時
フォーメーションの先頭に立ち
踊り出す「花川芽衣」がいた。

卒業の挨拶だけすると
アナウンスされていたから
パフォーマンスすることは
もうないと思っていた。

ブランクを感じさせず
笑顔で踊る彼女の姿に
目を奪われた。

曲が終わり
「お久しぶりです」
と彼女は言った。

初めて見るその姿は
小さく痩せてみえた。

身体は大丈夫なのか?と
心配しながら
その後も
パフォーマンスを続ける彼女を
ずっと目で追いかけていた。

「花川芽衣」が
受け持っていたキャラクター
「斎藤ニコル」は
「デジタルアイドル 22/7」の
エースという役割だ。

「花川芽衣」自体が
そうなのかはわからないけど
2019年のバースデーライブの時
彼女は間違いなくエースだった。

これが「花川芽衣」のいる
「22/7」なんだ、と。


「11人が集まった理由」が
終わり最後の挨拶が始まった。

体調の回復の為
前向きな選択として卒業を選んだこと。
共に歩んだ「斎藤ニコル」を
その日初お目見えとなった
「河瀬詩」ちゃんに受けもってもらうこと。

何か声を出したら
泣いてしまいそうだから
じっとそれを見ていた。


最後にステージ左・中央・右に
頭を下げ
手を降る姿に
なんとか「ありがとう」と絞り出した。



卒業すると言った時に飛んできた
大きな「ありがとー!」の声。

初めて姿を見せ
初めて聞く名前
「河瀬詩」ちゃんの挨拶に
すかさず
「うたちゃーん!」と呼んでいた声。

誰かわからないけど
ずっと感謝して尊敬しています。

ちゃんと送って
ちゃんと受け入れて
あれが出来る人間になりたいな。



2021年2月9日

本日休日なり、と
つけっぱなしの
ラジオを聴きながら
アプリゲームで遊んでいた。

ふとTwitterを開き
「花川芽衣」の文字に指を止めた。
噂みたいなものは目にしていたけど
はっきりするまでは、と
目をそらしていた。

2021年2月9日にプロフィールが更新され
芸能事務所LIBERAに
去年12月に所属したアーティスト
「浅倉唯」が
元「22/7」のメンバーであったこと。
その活動履歴が全て
「22/7」の活動であることが明記された。

イメージより大分大人っぽく
健康そうな顔で彼女は
また見える場所に帰ってきた。

いずれ「22/7」のメンバーと絡むところも見れるだろう。

今日
痛みを持った過去が
明るい未来に繋がった。

こうして一つずつ良い方向に行く。
そう信じた日でした。







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