見出し画像

【手前醤油作りもちょっと不便だけど、ちょっと豊かです】


いよいよ明日朝に出麹です。
よく観ると緑っぽくなってきた。

麹菌を繁殖させるために高温多湿の室で管理していきます。

麹菌も生き物。
カビの一種。

ガンガン繁殖しちゃうと、熱帯びて自分の熱で死んじゃうっていうから、

人が手入れをしてやりながら、死滅しないように繁殖を促します。

なぜ麹菌を繁殖させたいか。
というと、酵素を作ってもらいたいから。

その酵素が醤油の味を作っていきます。

プロテアーゼ(という酵素)がタンパク質をアミノ酸に変え、旨味になり、
アミラーゼ(という酵素)がでんぷんを糖に変え、甘さを加えます。

こうやって自然の菌や分解の力で、醤油の味が生まれていく。

一般的な醤油は脱脂加工大豆という、大豆油を絞った残りの大豆が使われます。(8割そうだとか)

ただ別にこの脱脂加工大豆が問題なのではないです。

その脱脂の過程で化学的な溶剤を使用するから、ってのとか、

その大豆自体がほとんど海外産で、どう作られてるかよくわからない(遺伝子組み換えなのかどうかとか)とか、

そうやって日本で自給せず、海外の素材で安価な醤油が一般化している、とかの方が問題だ。

供給が足りない、とかそういう問題があるそうだけど、僕たち日本人はどれだけ醤油を使うことを大事にして暮らしてきたのだろうか。

醤油がどう生まれるか知っていたのか。
そこに感謝して使ってきたのかな。

消費量もおそらく多すぎる。
また廃棄量もきっと多いからだろう。

僕は今3日目の醤油仕込み中だけど、もう2日も夜中2時間おきに起きて麹菌の様子見て、そうやって今晩も過ごすわけだけど、

やっぱりそれなりに大変だし、眠くて身体も堪える。

でもこの身体への負担が僕の記憶に刻まれる。

醤油を使う度に思い出す。

そして、大豆や小麦、塩、麹菌に感謝すると思う。

自然の力に有り難いと、僕は自分を小さく感じる。

数百円のお金で醤油はたくさん買えるけど、その効率化した生き方は本当に豊かなのか。

僕はたくさんお金を集めない代わりに、かけがえの無い経験や苦労、思いを馳せるその時間を集めたい。

だからエネ(エネルギー:お金に変えないでも同じ価値のある労力やモノなど)を稼いで生きていこう。

僕はお金を払って醤油を買うことをやめて、
僕のエネルギーを払って、醤油を作ることにしました。

結果、僕のエネルギーは1年後には何倍にもなって返ってくる。

4日間で一年分以上の醤油ができる。
しかも目に見える生産者さんの素材で。

こんな穏やかで豊かなことはないんじゃ無いかな。

作るのはちょっと不便かもしれないけど、ちょっと豊か、というかめっちゃくちゃ豊かな生き方になる。

岡本 よりたかさんに醤油仕込み教わって本当良かった。

僕も何度も仕込んで、手前醤油作り広めていきたいな。

さて、麹菌の様子を見に行こうっと。