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大恋愛⑥

エリカさんと彼氏さんの話を詳しく聞いた日から、四六時中そのことばかり考えていた。

『うわーやっぱり無理かー』
『彼氏と7年かー』
『俺のことどう思ってるのかなー』

でもめちゃくちゃ可愛いし、初めて会ったときの衝撃を忘れられない。
今まで可愛い子に会ったことはあるけど
何か違った。
その『何か』がなんなのか分からないけど
直感でこの人と付き合いたいと思ったあの気持ちを忘れられない。

その間も連絡は取っていて、色んな話をした。

エリカさんは彼氏のことが好きという感情が少し分からなくなっているとも言っていた。
それは離れていることと、将来について何も話がないこと。
彼は自分のことをどう思っているのか明確な言葉もなければ行動もなかったからだ。

でも7年という月日が物語っている二人の絆。
僕には到底簡単に超えられるものではないということは明確だった。

でも僕はイノシシ年ということもあり(そう今年年男、そしてあまり関係ない)、自分がこうしたい!と思ったことは周りが見えなくなるタイプの人間だ。

グイグイ、いやガツガツ毎日のようにアタックした。
ドライブに誘ったり、ご飯に誘ったり、『この年下しつこい』と思われてたかもしれない。

だが僕の理念としてこの時から持ってることがある。
モテるノウハウは確かにあるのかもしれない。ただ情熱に勝るモテ理論など存在しないということ。

僕の情熱が功を奏し、何回誘った分からないがドライブにもいけた。
仕事の帰りに少しだけ会って話せたりもした。

ただ進展はなかった。
会えたことが進展なのかもしれないが、僕も馬鹿じゃない。
エリカさんが僕に気がないことは分かっていたし、なんならこのときは暇つぶし程度だったと思う。

僕はどうすればもっと距離が縮まって、親密な関係になれるか考えた

考えた。

でも答えは出ない。

そして答えなどない。

僕はエリカさんに告白することを決めた。


99%無理なのは分かっていた。

ただ自分の気持ちを伝えること。
それ以外に前に進む方法はなかった。

ある日『今日だけは会ってくれませんか』とLINEした。

返事はOK。車で迎えに行った。

僕は今日でこの関係が終わってしまうかもしれない。
そんな気持ちでいっぱいで、なかなか言い出せずに沈黙が続いた。

『なに、ドゥくん。なんか言いたいなら言いなよ。気になるじゃん。なんで黙ってるの。』

エリカさんが言う。

でも『好きです。』って伝えればいいだけなのに
言えない。
たった四文字。
でもこの四文字で今日から一生会えないかもしれない。
そう思うと言葉が出なかった。

20分くらいだろうか。
沈黙を破り僕が勢いに任せて言った。

『あの、、好きなんです。』

『いやおかしいのは分かってます。分かってるけど好きなんです。馬鹿なのかもしれないけど。伝えときます。』
『もし無理なら、無理ならはっきり無理だって言ってください。』
『そして、、、無理ならお互い連絡先消しましょう。エリカさんにも彼氏さんにも良くないので。』


言い切った。

心臓が止まりそうだった。

男らしくなさすぎて、嫌になったけど
何かスッキリした。


そしてエリカさんがこう言った。

▶︎▶︎▶︎明日へ続く