会社組織におけるマジックナンバー150

こんにちは。百々(ドド)です。前の投稿から半年以上経っていますね。

まず初めの初めにですが私は今年の11月にprimeNumberからオプティマインドに入社いたしました。そこに至った経緯などについては、また改めて入社エントリーという形で投稿しようと考えております。

そして改めて初めにですが、本記事はOPTIMIND x Acompany Advent Calendar 2021の1日目の記事となります。(今は歯抜けが多いが、どんどん埋まっていくはず・・)

今回は「ルーンショット」という本に書かれている「マジックナンバー150」に関する紹介を簡単にさせていただければと思います。

まずは本の紹介

今回、ご紹介する本はこちら。
LOONSHOTS<ルーンショット> クレイジーを最高のイノベーションにするになります。

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ルーンショットについて本書では以下のように定義されています。

ルーンショットとは
誰からも相手にされず頭がおかしいと思われるが、実は世の中を変えるような画期的なアイデア。

このルーンショットこそが世の中を変えうるブレイクスルーを生み出すことが出来ます。また、そうしたブレイクスルーをテクノロジーや製品に転換するには大規模な集団が必要です。

一方でルーンショットは非常に脆く、潰されやすいものです。組織が大きくなればなるほど押しつぶされて形にならずに死んでいくことが大半です。

本書はチームや企業など「何らかのミッションを持つ集団」の行動を科学していくことで、ルーンショットを素早く上手に育てるための実践的ルールや法則を解き明かしていくものになります。

ただ大企業だからイノベーションを起こすのは難しい、とかベンチャーだから尖ったサービスを生み出せる、とかそういうものではない。
イノベーションを生み出すことができる組織とはどういうものなのかを物理の法則を用いて科学していく、そういった様子がとても面白くて私は本書にすっかり惹き込まれていました。

今回はいくつかのトピックの中から「マジックナンバー150」というものを紹介していこうと思います。

マジックナンバー150とは

マジックナンバー150とは(なんか都市伝説みたいな響きだな・・)
「人間が社会的集団を形成する際の最適な規模は150人」ということを言っています。企業や集落、軍隊あらゆる集団は150人をこえると「何かがうまくいかなくなる」ようになるというものです。

これは人類学を研究するロビン・ダンバーさんの書いた論文から由来する話でして、その内容としては「脳容量と社会的集団の規模は比例する」というものになります。ダイバーさんはキツネや猿などの動物から脳容量と社会的集団の平均規模を出し、次に霊長類の脳から推定して、そこから人間が社会的集団を形成する際の最適な規模を算出しました。

この「150」という数字はあらゆる場面で有効そうでした。たとえば1つの工場に設ける駐車場を150台にして溢れてきたら新しい工場を建てるように運用する会社も出てきました。このような形で人間関係を150で区切るという動きはあらゆる場面で広まっていきました。

組織の判断とマジックナンバー150

本書では組織モデルを以下ように定義しています。(算出方法については割愛します・・・)

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Eはエクイティ比率、Sはマネジメントスパン、Fは組織適合レベル、Gは給与アップ率、Mはマジックナンバーになります。各変数の説明は以下の通りです。

エクイティ比率(E)
報酬と仕事の質を表すもの。ストックオプションなどのインセンティブ。

マネジメントスパン(S)
各マネージャーに対する直属の部下の数

給与アップ率(F)
基本報酬の増える割合

組織適合レベル(G)
プロジェクトスキル適合度と政治利益の比率。組織適合レベルが高い組織では報酬の評価体系から政治は排され、社員はその役割にあった能力を備えている。

上記の式によって得られたマジックナンバーが150以下であれば「ルーンショット重視」、150よりも大きくなったら「政治重視」となりルーンショットを選ぶことが難しくなると本書では言ってます。

この式から言えることとしては、インセンティブの形や組織の階層(マネジメントスパン)などの設計次第では何人になってもルーンショットを生み出し続ける組織となることが出来ることが示唆されています。

少々モデルには強引なところがあるものの、大規模な組織になっても構造を見直すことでルーンショットを起こし続けることが出来るというのはとてもおもしろく感じました。

まとめ

今回、とりあげたところは本書の中でもごく一部でして、他にも面白いトピックはたくさんあります。イノベーションを起こし続ける組織とはどのような構造を持っているのかについてガリガリと書かれている書籍になりますので興味を持った方はぜひご一読ください。


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