小惑星でティータイム(原作)

Caution!!

このnoteに書かれているのは私どでかごんとゆずちゃさんの
コラボ漫画「小惑星でティータイム」の原作です。
漫画版を読まれていない方は先にそちらをご覧ください。

Caution!!

「小惑星でティータイム」

とある小惑星。

野外。地面は岩肌が露わで、動植物の姿はない。
並んで歩く宇宙服姿の男がふたり。1人はポットを持っている。

男A「ベースを出て389日。予定より5日遅れだよ」
男B「気にしてるのか? たいした誤差じゃないって。手当も付くし」
男A「まったくいつになったらオートメーション(自動制御)化されるんだ」
男B「さあね。そうなりゃ我らはお払い箱だけどな」

小さな透明のカプセルに入るふたり。
ヘルメットを外す。カプセル内は空気で満ちている。
テーブルを挟んで椅子に座り、空を見上げながら用意した紅茶を飲む。

A「この星は何億年もさまよってたんだな」
B「宇宙の迷子だな。まぁ、さまよってない星なんてないさ」
A「迷子なら連れて帰ってやろうか」
B「親方にどやされちまうよ。何しに行ったんだって」

カプセルを後にして歩き出すふたり。

男B「俺たちだって迷子みたいなもんだろ?」
男A「違いないや」

宇宙船に乗り込むふたり。

宇宙船内。背景に小惑星。どんどん小さくなっていく。

男A「戻りたくとも戻れない、か」
男B「因果な商売だよ」

小惑星が爆発する。
男A「次の惑星まで247日だってさ」
男B「ずいぶん近所じゃないか。今度はお前がお茶を淹れろよ」

解説文?

男ふたりは、彼らの星に落下してくる隕石を未然に爆破する仕事をしている。
今回の任務は出発から一年、到着から一ヶ月弱を要している。
男たちは爆破の準備が整うと、空を見上げながらお茶を飲む。
無くなってしまう星からの眺めを心に留めるかのように。
任務は完了した。だが故郷には帰れない。
コスト削減のため、1度出発したら2~3の任務はこなさなければならないのだ。
彼らはつかの間のコールドスリープにつく。

読んでいただければ分かると思いますが、今回は漫画にして2ページ分、
ゆずちゃさんが内容を書き足してくれました。
彼らの目的が何なのか、僕の原作だけでは分からない恐れがあったからです。
下手をすると蛇足になりかねないのですが、今回は物語が膨らんで大成功だったと思います。

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