ものかきさんにちょうせんじょう。にちょうせんしてみた

ならざきむつろさんの企画の末席を汚させていただきました。
詳細はリンク先をご覧ください。

R-15指定?(笑)

「じいちゃん、有った、有ったよ!」
 首に巻いたタオルで額の血を拭った私に、隣で手に持った首をつまらなさそうにハンマーで小突いていたはずの孫の隼人が、突然元気良く声をかけてきた。
「お?どれどれ――」
 私が隼人の手元を覗き込むと、茶褐色の首の断面にうっすらと顔のような模様が見える。
「お、人面瘡だな」
「人面瘡!――ってなあに?」
 不思議そうに私を見つめる隼人に、私は笑う。
「殺された人間の怨霊、だったかな」
「怨霊!うそ?!やった!」
私の答えに、隼人は首を握りしめながらバンザイした。勢いが良すぎてふらついている。
「おいおい、転ぶなよ」
「うん!僕、お父さんに見せてくる!」
隼人がそう言って駆け去っていくのを見送った私は、改めて手元の首を見つめる。 首に浮かんでいたのは、義理の娘の顔だった。

「さて、どう処理したものか」 私は一人呟くと、再び首に巻いたタオルで額の血を拭った。

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