水中都市へ(原作)

Caution!!

このnoteに書かれているのは私どでかごんとゆずちゃさんの

コラボ漫画「水中都市へ」の原作です。

漫画版を読まれていない方は先にそちらをご覧ください。

Caution!!

コスモ・インコグニタ、第6話ようやく完成しました。今回はどでかごん作画回ということで、ゆずちゃファンの方には申し訳ありませんが、僕の絵で我慢してください。何度も逃亡しようと思いつつ、描き上げました。

原作はゆずちゃさんです。4話が重めの話だったので、5話は明るくと話していたのですが、暗くなってしまいました。そのうえ、先にできていた6話も暗かったという。次は明るくいきますよ! 何も考えてないけど!

夏休みの自由工作を見るような、優しい眼差しを向けていただければ幸いでございます。

第6話「水中都市へ」原作 ゆずちゃ

コンクリートの街並みの海岸からすこし沖に向かったところに

一槽の小さなボート。乗ってるのは白衣の男性と女性。

落ち着いた海。

女「どうして移住しないの?あなたもプロジェクトに参加した

  水中コロニーの開発計画だったのに」

男「気が変わった」

女「このまま計算通りにいけば、海の水位はどんどんあがって

  住める場所はほとんどのこらない」

男はだまって微笑んで返事をしようとしない。

女「ねえ?一緒に水中都市に移りましょう?」

男「・・・・人は・・・・。

  人は地上で生活するから人間でいられる事に気付いた。

  海は好きだが地上から見てるのが好きだ。

  私は地上で生きていきたい」

女「でも私はあなたと・・・」

そこで男性がもつ釣竿のウキが動く。

釣竿をあげると小さな一匹の魚。

男「釣れた」

地上で焚火をしながら魚を焼く。

男「食べないの?」

女「そんな気分じゃない」

男「・・・(だまって食べはじめる)」

男性立ち上がる。

男「今まで一緒に研究してくれてありがとう。

 これからは別の道だが応援している」

握手を求める。

しかし女性は泣き出してしまって握手に応じない。

----------------------------(暗転)

そこから数百年もの未来。陸地は90%が水没。

水中都市にほとんど人は

移り住み、人口も増えている。

が、コロニーの狭さ、コロニー外で自由に動き回れないことに

不満を抱えていた。

手術台。手術する数人。

手術台に横たわる女性。下半身は魚。(つまり人魚)

麻酔から覚める。

博士「手術は成功だ。改めて実験台になってくれたことに

   感謝しよう。さぁ、泳げるかさっそくテストしてみよう」

女性は麻酔が強かったのか意識が朦朧としている。

(長い夢を見ていた気がする。

 私は大切な誰かと話をしていた。

 思い出せない)

水中で泳ぐ女性。それをコロニーから観察する博士たち。

(まだ麻酔が残ってるのか。頭がまわらない。

 それとも半分もう魚だからだろうか。

 私は人なのかしら魚なのかしら)

コロニーに戻らずに泳いでいってしまう。

遥か先へ泳いでいって、小さな陸地らしきものを発見する。

何とはなしに近づいて行くと

小さなボート。大きな波。落ちる人影。

慌てて助ける女性。なんとかボートに乗せて陸地の岸辺に押していく。

ボートの中の男性の顔をまじまじと見つめる。

(思い出した。夢の中の男性・・・。)

そっと頬に手をあててみる。

「やっとまた会えた。でもちょっと会うのが遅かった。

 私はもう半分魚になってしまったのだから」

目に涙を溜める女性。

「でも、私はあなたのことをずっと忘れない。

 たとえ二度と会えなくても。何回生まれ変わっても。」

目を覚まして身体を起こす男性。

あたりを見回しても誰もいない。

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そこからはるかまた先の未来。

水中都市の人間達は人魚化の手術をきっかけに

海に適合する方へどんどん進化してゆく。

もう外見的には魚と何も変わらない。

海の中を泳ぐ小魚の群れ。

一匹群れから離れてすいーと泳いでいく。

釣り針に気付いて食いつく。釣られる。

焚火を囲んで話し合う男性と女性。

魚は男性に食べられる。

「あぁ、わたし。やっとあなたの一部になれたのね」

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