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新選組は東京で功名を挙げるか?

選挙にはドラマがある。

今回の参議院選挙は、とても面白い。
注目は、東京と大阪の二大選挙区だ。

東京の目玉は、れいわ新選組の新人、野原善正さん。
もともと、東京選挙区からは山本太郎さんが出馬すると予想されていた。
前回の得票数や昨今の勢いを見れば、当選は確実だ。
ところが直前になり、なんと、太郎さんは沖縄の創価学会から、無名の候補を引っ張ってきて、自分の隣に立たせ応援演説を始めたのだ。

これはどういうことなのだろう?
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そもそも、創価学会は公明党の母体である。

日蓮宗の教えに端を発する1930年代に発足したこの宗教団体が、1964年に立ち上げた政党が公明党であり、結党以来、平和と福祉の党として医療福祉政策の実現に貢献し、ここ20年間は連立与党として政権を担っている。
単独で過半数を維持できない自民を助ける代わりに、彼らの提出する法案も自民の力を借りて可決していく。Win-Winの関係。

この背景には、創価学会員の献身的な選挙活動による、安定した議席の確保がある。
しかし、自民党が右傾化するに従い、それに従う公明党も、創価の精神から徐々に遠いところへと向かっているように見える。

少なくとも初期の創価学会は、反戦・反全体主義の団体であったはずである。
事実、第二次大戦中、国家神道を礼讃する神札を祀ることを拒否した初代、牧口常三郎と二代目、戸田城聖は、治安維持法違反および不敬罪にて逮捕投獄され、牧口は獄中にて死亡している。

命を賭けて、ファシズムに反対した。
そういう崇高な宗教家の犠牲の上に、今日の創価学会と公明党の繁栄はある。

しかし昨今、公明党が自民党に協力して通した法案は、全体主義をお膳立てするようなものばかりだ。
特定機密保護法により、情報公開請求しても出てくるのは真っ黒に塗り潰された“のり弁”のような書類。
自衛隊の海外派遣を許し、共謀罪に賛成し政権批判を牽制し、改定通信傍受法に賛成し警察の盗聴を許す。

これらの政策は、創価学会の思想に沿うものなのだろうか。
密かに首を傾げる学会員の方も潜在的には多いのではなかろうか。

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東京選挙区からは、公明党代表の山口氏が立候補している。
まさか、このような形で“刺客”を立てられるとは考えていない筈だ。自身の当確を見込む彼は、第一声を県外の応援演説から始めた。

しかし、仮に創価学会員の票が大きく割れることがあれば、状況は混沌としてくる。
辺野古の埋め立てに反対する層と、れいわ新選組支持者に加え、創価学会員の魂を揺さぶることが出来れば、無名の野原さんが当選し、山口氏が落選するような事態もあり得る。

すると、選挙翌日の新聞には、“れいわ新選組、公明党を撃破!”の大見出しが踊るだろう。
幕末の新撰組は、20名以上の志士が集う池田屋に、近藤勇以下、わずか4名で斬り込んだ。
山本太郎が仕掛けた奇策は正に令和時代における“新選組の討ち入り”である。
功名を挙げるか、返討ちに会うか。
結果は、貴方の投票次第。

どうでしょう、選挙、面白くないですか?

(※:著者は創価学会の精神や公明党の実情に詳しい訳ではありません。反論、補足、御指摘があればコメント欄にお願いします。)

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