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投球フォームのタイプ②

今回は投球フォームのタイプについての第2弾です。第1弾では、力の発揮の仕方の違いによるタイプ分けについてお話ししました。投球フォームのタイプ分けは、様々なものがありますが、タイプ分けの理論はあくまで参考程度なので全て正しいと捉えるのではなく、知っておくと便利くらいの感覚で取り入れられると良いです。しかし、プレイヤー、指導者、どちらの立場であっても正しい投球フォームを求めていく中で、このタイプ分けというものは避けては通れない道でもあります。

さて、今回のテーマは

利き手、利き足によるタイプの違い

です。

右投右打で、鉛筆も箸も右だし、サッカーする時も右で蹴るから、利き手利き足ともに右だ…

なんて、簡単な話ではありません。
このタイプ分けは、たまたま縁あって知り合ったトレーナーの方から聞いたものです。

皆さん、トレーニングをしている時にこう感じることがあると思います。

左は安定しているけど、右は安定しないなぁ。

種目は何でも良いです(人によって異なる)が、私の場合、ワンレッグデッドリフトをすると、左は安定するのに、右はバランスを取るのに苦労します。

これだけでは判断は出来ませんが、右足左足(右股関節と左股関節)または右手左手(右肩左肩)を比べた時に、力を入れる(=動かす)ことが得意な方と苦手な方と必ず分かれます。

得意な方(安定している側)を動作内で優位に使ってあげると高いパフォーマンスを発揮することが出来るのです。

例えば、私(右投げ)は、左股関節と右肩を動かすことが得意なので、ピッチングで足を上げるときは左足を上げることがメインで、リリースは右腕を力強く振るようにするとパフォーマンスが発揮できます。

それを逆に、足を上げる時に軸足に貯めるように(地面を踏むように)したり、グラブを後ろに引いて腕が振られるようにしたりして投げるとパフォーマンスは落ちてしまいます。

こういったことを知っておくだけで、何か迷った時などに役に立つことがあるかもしれません。

あの指導者の言っていることがイマイチ分からないという経験がある方がいらっしゃると思います。私もそういう経験はあります。それはそもそも体の使い方が違うので、感覚そのものが合うはずが無いのです。だから、そこでいくら議論しても進まないんですよね。イマイチ分からない意見が間違っているのではなく、自分に合わないだけで、その意見はその人のタイプからすると合っていることはあると思います。タイプどうこう以前にめちゃくちゃなことを言う指導者もいますが…

分類すると

右肩右脚タイプ
右肩左脚タイプ
左肩左脚タイプ
左肩右脚タイプ

となります。

判別方法としては、それぞれ右優位、左優位になるような状態で筋力チェックやバランスチェックを行いました。

そして、実はこの教わった内容と同じようなものが高島さんのYouTubeでも紹介されていました。判別方法もこちらにあるのでチェックしてみてください。

パフォーマンスラインという考え方ですが、こちらではさらに細かく腹筋タイプ、背筋タイプにも分類しています。よって、わたしが教えてもらったのは4タイプでしたが、腹筋背筋が絡むと8タイプになります。この貼り付けた動画以外にもこのパフォーマンスラインの話はされています。もしかすると、私が教えてもらったものはこれだったのかもしれません。

次にタイプの活用方法です。

簡単にいえば、自分のタイプの部位を意識して使ってあげるだけです。

具体例をあげると右ピッチャーの右肩右股関節タイプは、左足を上げるときは右足で地面を踏むように(右足に貯まるように)して足を上げ、リリースでは右腕を振ることだけを考えれば良いということです。このタイプは左ピッチャーの左肩左股関節タイプと同じですね。

あとは、次のようなことも言えます。
踏み込み足に体重を乗せる動作を考えるとき、どちらの股関節が利き脚なのかによって、やるべきことが変わる。
・踏み込み脚側が得意ならとにかく乗せることだけを考える。
・軸足側が得意なら、軸足を蹴った結果として踏み込み脚に乗るというように考える。

気付いた方がいらっしゃるかもしれませんが、右投げの感覚で左投げをすると全く合いません。

例えば、私は右肩左股関節タイプですので、足を上げるときは、左足を上げることだけを考え、リリースは腕を振ることだけを考えれば良いことになります。しかし、私が左で投げるなら、タイプ的には、軸足(左足)に溜まるようにして足をあげ、投げるときは、グラブ(右手)を引いて腕が振られるようにして投げないと良い球はいかないのです。

これはバッティングでも同様のことが言えます。また、右投げ右打ちなら、投げるのも打つのも似たような感覚で行えますが、右投げ左打ちだと違った感覚になります。

しつこいですが、あくまで理論上の話なので、必ずこうなるとは限りません。



そして、これに似た理論が、鴻江寿治氏による「骨幹理論」です。うで体=猫背型か、あし体=反り腰型かを基準に2つに分類しています。100%バランスのとれた人がいないことはないが、ほぼ全員がどちらかに属すると言えるとのことです。

それぞれのタイプの身体的特徴は次の通りです。

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うで体の一番の特徴は背骨が前に丸まった状態=猫背であることです。右の腰が通常より前に出て、左の腰が通常より後ろに下がっている状態で、重心は足の母指球にあります。両肩のラインを見ると、本人が真っ直ぐも思っていても左肩が上がっています。
あし体の特徴は、うで体と全て逆で、反り腰であることです。左の腰が通常より前に出て、右の腰が通常より後ろに下がっている状態で、重心は足のかかとにあります。両肩のラインを見ると、右肩が上がっています。

タイプの判別方法ですが、
鏡の前に立ち身体の傾きをチェックする
椅子に座った時の足の組み方
前屈と後屈のどちらが得意か
やすめのポーズでどちらの足が前に来るか
椅子に座る深さ
などでチェック出来ます。

例えば、体の前後なら、うで体が後屈が得意で、あし体が前屈が得意となります。ここでは全て紹介しませんが、1つのチェックだけでは正確に判別出来ない可能性があるので、複数行うと良いです。

正確に判別したいのであれば、センサーで判別できる機械があるので、そちらをオススメいたします。実際に私も測らせていただききました。

タイプが分かれば、あとはそれを活かした投げ方を知ることが大事です。

(その前に...)このタイプは骨盤の位置関係で分類しているため、同じタイプであっても右投げと左投げでは、タイプにあった投げ方が異なります。右投げのうで体と左投げのあし体、右投げのあし体と左投げのうで体、それぞれは適した投げ方は同じということになります。

それではそれぞれに適した投げ方の特徴を箇条書きで記していきます。

右投げのうで体/左投げのあし体に適した投げ方
・上半身からリード
・上につられて下半身がついてくる
・軸足にしっかり体重をのせる
・すり足気味に低く長くまっすぐ踏み出す
・かかと→爪先の順に着地
・大きなテイクバック
・ボールの握り方は通常
・代表例:ダルビッシュ有投手、大谷翔平投手

右投げのあし体/左投げのうで体に適した投げ方
・下半身からリード
・軸足に乗せる意識は必要ない
・インステップで問題ない
・くの字ステップ
・爪先→かかとの順に着地
・小さなテイクバック
・ボールの握り方は通常よりも左側にづらす(=シュート握り)
・代表例:千賀滉大投手、山岡泰輔投手

左右で逆になるあたりは似ていますよね。

繰り返しになりますが、タイプ分けはあくまで参考程度、鵜呑みにするわけでもなく、どうでもいいわけでもなく、程よく自分に取り入れられれば良いと思います。


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