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【付記】「東京に原子力発電所を誘致する」東京原発に登場したMOX燃料輸送船・平成ガメラ第1作(1995年公開)に登場したプルトニウム輸送船と巡視船

※ 長くなり過ぎた一つ前の記事「東京に原子力発電所を誘致する」いまこそ観たい『東京原発』から分離しました。


付記

平成ガメラシリーズの第1作は1992年11月から翌年初めにかけて(そのために建造された)巡視船しきしまがプルトニウム輸送の護衛にあたった当時に企画・構想されたためか

プルトニウム返還輸送護衛(平成4年11月8日~平成5年1月6日)

巡視船「しきしま」は、平成4年の「プルトニウム海上輸送の護衛」のために建造されました。

平成4年、我が国のエネルギー政策の一環として、プルトニウムの返還が海上輸送により行われました。フランスから日本までの海上輸送は、プルトニウム輸送船「あかつき丸」により行われ、海上保安庁の巡視船「しきしま」が護衛にあたりました。海上輸送の護衛は、総日数60日、総航程約2万海里という、長期間に及び、国際テロリスト集団からのプルトニウム奪取の脅威、反核・環境保護を唱える団体の妨害活動等様々な課題に直面することになりましたが、海上保安庁はこれを克服し、無事に護衛の任務を全うしました。

海上保安レポート
巡視船しきしま(PLH-31)
あかつき丸
(パシフィック・ニュークリア・トランスポート・リミテッドが所有していたパシフィック・クレーン号(使用済核燃料輸送船)を動力炉・核燃料開発事業団がペーパーカンパニーの名義で間接的に購入)

ガメラ大怪獣空中決戦(1995年公開)の冒頭部分で(画面に映った船舶登録番号 131939 から、映画が撮影された当時に東都海運が所有していた第三健星丸ではないかと推測される)プルトニウム輸送船は巡視船のじま(途中で燃料を補給することなく欧州から日本まで航行する能力はありません。)とヘリコプター(ベル212)(巡視船のじまには格納庫がないため、ヘリコプターが遠洋航海に随行することは不可能です。)に護衛されていました。

海上保安庁のヘリコプター(ベル212
巡視船のじま(PL-01)
海竜丸(架空)
海竜丸(架空)
東都海運 第三健星丸(売却済)
ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年公開)のエンドクレジット
(撮影協力の一覧に東都海運の社名が掲載されています。)

その後は、海外民間警備会社の護衛要員が武装して同乗しながら外国籍の専用船で輸送するようになったこともあって、東京原発に数秒間(3カット)登場する(MOX燃料)輸送船は単独(護衛船なし)で航行していました。(尚、船名は不詳ですが、ファンネル(煙突)のマークから、この輸送船も今世紀初頭に東都海運が所有していた社船か傭船であると推測されます。)

東都海運株式会社 事業案内
東都海運 宝松丸(傭船)(船主が売却済)
東都海運 第三健和丸(売却済)
東京原発(冒頭から34~35分経過したあたり)に登場する輸送船
東京原発(冒頭から34~35分経過したあたり)に登場する輸送船
東京原発(冒頭から34~35分経過したあたり)に登場する輸送船
輸送船の前方に広がる東京湾

尚、映画に輸送船として登場した船舶は全長75メートル・総トン数500トンほどの内航船ですが、使用済核燃料MOX燃料を積載してイギリスやフランスと日本の間を航海している輸送船は全長100メートル・総トン数5000トンほどの外航船です。

また、イギリスの原子力廃止措置機関の傘下にある会社で、日本とフランスの企業も出資している(現在は日本国内の造船所で建造された専用船3隻を保有している)パシフィック・ニュークリア・トランスポート・リミテッドが長年に渡ってMOX燃料等の輸送にあたっているそうです。

40 years of PNTL

1.〔酒を入れる木製の〕大だる
2.ひとたるの量
3.キャスク(使用済み核燃料を輸送するための巨大な容器)

1.〔実験で使う〕フラスコ
2.〔ウイスキーなどの〕フラスコ瓶(平らで薄く携帯できるように作られたもの。)
3.《軍事》火薬入れ(17世紀から19世紀にかけて兵士が持ち歩いたもの。)
4.〔鋳物の〕鋳型
5.フラスク(使用済み核燃料の容器)

東京原発に登場したMOX燃料を収容したキャスクを荷台に積んだトラック(20年前とはいえ、液体輸送用のステンレスタンクのように見えます。)

現在、MOX燃料の海上輸送に使われているキャスク

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Posted by 関西電力グループ on Saturday, September 23, 2017





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