検診胃カメラ 受ける?受けない?
検診・人間ドックでの胃カメラ、どうするべきか悩む人も多いと思います。受けたほうがいいのかもしれないけど…という方々に、「胃カメラがおすすめな人」を説明していきます。
検診とは
まず、検診には「対策型」と「任意型」があります。自治体から案内が来るもの、自治体から補助が出るものが対策型検診で、いわゆる人間ドックが任意型検診にあたります。
対策型検診は、一定の人達全員に行うことで死亡率を下げられるものが対象です。一方で、任意型は一律に検診をすることで死亡率が下がる明確なデータはないが、個別の状況に応じて選択することで効果が期待できる検査となります。
また、対策型検診の目的のメインは死亡率低下です。早期発見で手術せずに胃カメラで治癒、といった要素は考慮されていません。治療が必要なら負担の少ないもので、と思う方々には任意型検診の重要性が増します。
つまり、検診と一口に言っても、「一律にお勧め」の対策型、「状況に応じて有用」な任意型があるわけです。
胃カメラをお勧めする人
対策型検診の観点から
胃癌に対しての対策型検診としては、50歳以上の2-3年ごとの胃カメラが推奨となっています。
つまり、何はなくとも50歳以上であれば2年に一回ほどの胃カメラを受けましょう、ということになります。
任意型検診の観点から
対策型検診に加えて、個別の事情を考慮していくことになります。議論の余地が残るところではありますが、推奨を書いていきます。
まず、胃カメラを受ける頻度の推奨別に分けていきたいと思います。この場合、4種類に分けられます。
①毎年胃カメラ推奨
②(少なくとも)2年に一度は胃カメラ推奨
③決まった推奨はないが、定期的な胃カメラ検討
④まず、一度は胃カメラ
①毎年胃カメラ推奨
疾患のリスクがある群になります。
胃癌リスクとしては萎縮性胃炎や、ピロリ菌感染歴がある場合などが当てはまります。
また、食道癌も考慮すると、日常的に多量の飲酒をする人や、喫煙者もここに含まれます。
他には、粘膜下腫瘍の指摘があるなど、毎年の経過観察が望まれる場合もここに含まれます。
②(少なくとも)2年に一度は胃カメラ推奨
特別なリスクはないけれど、対策型検診の対象になる群となります。50歳以上の人がここに含まれます。
対策型としては2-3年ごととされていますが、これには年間に施行できる検査数が医師数や施設数などのリソースにより限られることを考慮しての側面もあります。受けられるのであれば、少なくとも2年ごととの認識が良いと考えます。
③決まった推奨はないが、胃カメラ検討
上の二つに当てはまらない群です。年齢的にも対象にならず、フォローが必要な疾患もなければ、決まった推奨はありません。
ただし、ピロリ菌などのリスクは無くとも発生する胃癌は稀に存在し、検査のメリットはあると考えます。少なくとも、「受けない方が良い」とはならないでしょう。
④まず、一度は胃カメラ
今まで胃カメラを受けたことがない人になります。
胃カメラの目標は胃癌を見つけて治療につなげることですが、胃癌の原因となるピロリ菌は早期に除菌することで、その後の胃癌リスクを下げられることも分かっています。
成人であれば、まず一度は胃カメラを受けて、自分の状態を把握するのが良いと考えます。
まとめると、以下のようになります。
必要性を知ることで、前向きに検査を受けられるようになるのではないでしょうか。
必要に応じた検査を受けて、質の高い検診・人間ドックを。
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