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胃カメラ受けるなら…鼻?口?鎮静?

 胃カメラの経路は鼻からと口からがあり、鎮静剤を使うかどうかの選択肢もあります。
 胃カメラを受けてみようと思い立った方や、一度口から受けたけど大変だったという方など、どの経路が良いのか悩む方もいるかと思います。
 検診において、それぞれの特徴、違いを説明していきます。


鎮静とは

 まず、鎮静について説明します。注射、点滴によりぼんやりした状態、場合によっては眠った状態で検査をすることです。胃カメラで使う鎮静剤は何種類もあり、どれを使うかで鎮静の効果や安全性が変わってきます。
 当然ながら、眠っている間に検査が終われば楽です。ただし、考えておかないといけないのは安全性で、内視鏡検査において鎮静で起こった偶発症(呼吸が一時的に止まるなど起こってほしくないが起きたこと)は0.0013%、命を落としたのは0.000023%とされています。一定の安全性が確保されていると言えますが、リスクを伴わないわけではないとも言えます。偶発症が起きる確率は、今日1日の間に交通事故に遭うのと同じくらいの確率です。
 鎮静での内視鏡を選ぶ際には、メリットだけでなく、リスクも把握の上で選択していきましょう。


経路別、鎮静有無それぞれの特徴

 鼻か口か、鎮静ありかなしかなので、4通りに分けられます。つまり、鎮静無し鼻から、鎮静無し口から、鎮静あり鼻から、鎮静あり口からです。それぞれの特徴について書いていきます。

鎮静無し鼻から

 私がスタンダードだと考えるのはこの方法です。口と鼻だと、鼻からのほうが「オエッ」となる反射が出にくいのが特徴です。
 また、鎮静しないので、検査後はベッドで寝ている必要もありませんし、車の運転などにも制限はかかりません。
 ただし、鼻が狭い人が一定いますので、鼻が痛い、鼻血が止まらない、などで口より大変な方もいます。鼻の具合は一度カメラを通してみないと分からないので、鼻から受けたことがない人は、一度試してみることをお勧めします。

鎮静無し口から

 鼻からが大変だった人が次に選ぶ候補です。一般的に鼻より反射が出やすくはなりますが、反射の強さは人それぞれなので、やってみないとわからない部分もあります。鼻から受けた際に、鼻の問題で大変だったけど反射はそこまで出なかった、という方は試す価値があるかと思います。
 鎮静剤を使わないことにより、上記同様に行動に制限なく、休んでいる時間も不要で、鎮静剤によるリスクもありません。

鎮静あり口から

 鼻も口もつらかった、鼻も大変で反射も強かった、という方への選択肢と考えます。使う鎮静剤の種類にもよりますが、一番楽に受けられる可能性が高い方法です。
 鎮静剤のリスクは無視できませんが、検診を受けないリスクの方がそれを上回ると考えるので、鎮静がないなら検査受けたくない、という方はこちらをご検討ください。

鎮静あり鼻から

 あまり一般的には行われないことが多い印象です。使う薬剤によってはこの方法をとることもあり得ますが、眠ってしまえば鼻からでも口からでも反射のつらさは変わらないですし、鎮静しながら鼻からやるメリットは限定的かと思います。


私の推奨

 鎮静なし鼻から
   ↓
 鎮静なし口から
   ↓
 鎮静あり口から

 上記のように考えます。まずは鼻から、辛かったら口から、場合によっては鎮静剤を使って。
 これが安全性を担保しながらの検診胃カメラと考えます。迷った際の参考になれば。

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