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胃カメラを少しでも楽に

 検診・人間ドックでの胃カメラ、苦手な人も多いはず。決して楽な検査ではありませんが、診断の精度も高く、診断できる疾患も多く、有用な検査です。
 検査をする側も工夫、努力は重ねていますが、受ける側もコツを身につけると楽になったりします。
 「胃カメラを受けるコツ」を書いていきます。


良い姿勢で

 胃カメラで最初の難関は喉を通過するところです。「オエッ」という反射が一番出やすいところになります。
 この反射を出にくくするために、喉を通過しやすくすることが大切です。そのためには、「良い姿勢」で受けることがコツになります。

 まず、検査ベッドに横になります。そして、自分の臍を見るようにうつむいたあと、首の角度はそのままに顎を前に突き出します。匂いを嗅ぐ時のような姿勢のため、この姿勢を「スニッフィングポジション」と呼びます。
 スニッフィングポジションを取ることで喉までの角度がストレートに近づき、喉への余計な負荷を軽減することができます。
 緊張していると肩をすくめて、首が引っ込みがちです。検査で緊張があるとは思いますが、意識的に良い姿勢をとるようにすると負担が減らせます。

力を抜く

 緊張して力が入ると、喉も狭くなり、刺激が余計に強くなります。「オエッ」という反射が出やすくなり、さらに力が入り…悪循環です。意識的に力を抜くことが必要です。
 力が入るとき、多くの場合、目を閉じて眉間にしわが寄っています。逆に言えば、力を抜くためには目を開けておくのがコツです。遠くを見る意識が良いでしょう。モニターが見られるところも多いと思いますので、モニターを見ながらが良いかと思います。
 呼吸を整えることもコツです。息を吐くときにため息をつくように「ハァー」と息を吐くと肩首の力が抜けやすくなり、効果的です。
 「目を開けて」「ため息をつくように」検査を受けるのがお勧めです。

唾液を出す

 検査中は唾液が出てきます。唾液を飲み込むとむせ込む原因になりますし、せっかくきれいにした胃の中をまたきれいにし直す必要が出て、検査時間が延びる原因になります。
 また、飲み込まなくても、口に溜め込んでいることでも喉元に流れ込んでいってしまいます。顔を若干地面向きにして、自然と口から流し出せるようにするのがコツです。最初に説明したスニッフィングポジションを取っていれば、出した唾液を受け皿で受けやすくなり、唾液を出す抵抗感も減るかと思います。

まとめ

 胃カメラを少しでも楽にするコツは

「顎を突き出すようにして」
「顔はやや地面向きで」
「目を開けて遠くを見ながら」
「唾液を飲まずに溜めずに出す」

ことです。

 嫌な検査も負担を減らして乗り越え、多くの人が質の高い検診・人間ドックを受けられることを願います。

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