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料理王国掲載

料理王国に掲載頂きました

何を伝えたいのか。伝えて生きたいのか。

食材の生産現場を深くやり込むかどうかで自ずと料理人としての着地点が決まる。それが地方に求められる独自性につながる。

料理を通して伝えたいのは、その土地で生まれ育った食材達の喜怒哀楽。

東北北国・岩手・遠野。静かで不思議、そして暗い。その暗さや素朴さが圧倒的な美しさを生む。僕はこの暗さこそが、もっとも美しいと思う。

色々な美しさがあって良いと思う。とは言え、都会じゃないのに都会らしく着飾る必要もない。要の料理の見た目や味わいにはそんなメッセージが込められている。旨いで口説き落としたいわけではない。複雑味に富み、美味いとしたい。以前、自遊人の岩佐さんと対談をした時に、旨いと美味いの違いの話になった。美味い=美しい味とは、人が苦手とする酸味や苦さも含めた味わいじゃないかと。

大都会・地方都市、アスファルトやビルに囲まれた環境にいて土や自然を語り料理する必要もない。説得力にかけるし不自然だと思う。発酵させる物1つとっても、機械で発酵させた物と、自然の力を利用し発酵させた物では明らかな味の違いが出てくる。前者は単味となり後者は多味となる。

都会は都会らしく、田舎は田舎らしくで良い。極端な話、都会では洗練されたカッコ良さ。田舎ではダサカッコイイで良い。それが相乗効果をうむと個人的に思っている。

地方食の都市化が進む今、食に携わる1人として。はたまた米の生産者・醸造家と言う1から物を育て作る1人として、しっかりと明確にしていきたいと日々思い考え行動している事がある。都会だから高い、田舎だから安いと言う価値観だ。

特に食に対してのこの手のイメージはなかなか拭い去る事は難しい。その背景には、地方における所得の低さの問題や、根付いて来た文化、その他色々とあるからだと思う。とは言え、アパートやマンションの価格は田舎は安いのかと言うとそうでもない。東京や盛岡から引っ越してきたうちのスタッフ達が、真っ先に驚いたのが家賃の高さだった。間取りの違いはあるにしても高いと感じたらしい。そして、20代から60代まで年齢問わず何百万もする車を、1人1台所有して毎月何万円のローンを組んで支払っている。

住む場所がないと始まらないし、田舎では車がないと不便。にしてもよくもまぁそんな高い車買うわ。なんて思っている。今でこそ軽トラだが、昔は車にバイクと大好きで乗り回していたから人の事をどうこう言えないし、気持ちはメチャクチャわかる!笑笑

ようは食に対しての優先順位が低い。

経済の中心が大都会・地方都市となり、地方の都市化が進んでいるとするならば、それ以外の地方の中の地方は、とても希少な存在となる。単純に考えると希少だから安くて良いわけがない。地方の中の地方こそ、価値を高め役割を明確にして行く必要がある。

なんでもそうだが、各々の役割がある。その役割を明確にし、日々ダサカッコイイ!を突き進みたい。泥臭くて良いんだよ。
笑笑

是非ご覧下さい!「遠野キュイジーヌ」も是非ご一緒に‼

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