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家政婦の志麻さん(タサン志麻さん)

どーも、中小企業診断士の「どばしんだんし」です。

11月6日金曜日のNHKあさイチプレミアムトークは私が尊敬する

タサン志麻さん

がゲストでした。

<NHKあさイチ公式HPより>
人呼んで伝説の家政婦・タサン志麻さんをお迎えしました。さまざまな家庭を訪ね、その家庭の冷蔵庫にある食材を使ってわずか3時間で1週間分の本格的な料理を作り上げる志麻さん。「料理を囲んでゆっくりおしゃべりしながら食べてくれる家族の食卓、そんなお手伝いができればうれしい」といいます。
志麻さん、元はフレンチの料理人。フランスでの修行を経て帰国後、15年間にわたり一流店などで働いてきました。「最高の料理が作りたい」と料理だけでなく、フランスの歴史、哲学、文化、芸術を日々勉強、のめり込んでいきました。しかし、懸命に働く中で「ある違和感」を持ち始めます。「何かが違う・・・」キャリアを積み重ねるほどに大きくなるその思い。あるとき違和感の正体に気づいた志麻さんは抱えきれなくなり、レストランを辞めてしまいます。その後、志麻さんは家政婦に転身、そこで答えが見つかりました。それは「笑顔のある食卓を作ること」。志麻さんの歩んだ人生のう余曲折、そして苦悩と葛藤を伺いました。
そんな志麻さんに「献立の発想力」を教えていただきました。さらに、志麻さんのご自宅にお邪魔して台所を拝見。調理道具の裏技や、キッチン収納の極意を見せていただきました。伝説の家政婦・志麻さんの工夫や知恵、役立つヒントをお伝えしました。

私が志麻さんを尊敬する理由

私が志麻さんを初めて知ったのは伝説の家政婦としてテレビ番組に取り上げられていた放送を観た時だと記憶しています。

あの時の驚きは今でも忘れられません!!

志麻さんは冷蔵庫の中身をパッと見ただけで何種類もの料理を限られた時間で作り上げ、更にその味も絶賛されていました。

その時に思ったのは

「この人の頭の中は一体どうなっているんだ!?」

という事です。

普通の人であれば冷蔵庫の食材を見て料理をする際、おそらく頭の中は

①冷蔵庫の中の食材を確認

②食材を使える料理レシピを考える

③調理の工程を考える

④調理する

というような流れで展開されると思います。

ただし、通常の人であれば料理が2品、3品ぐらいが限界ではないでしょうか。

志麻さんがすごいのは

冷蔵庫の中身を全て使い切って10数品の料理を3時間ほどで作り上げることです。

つまり、志麻さんの頭の中は

①冷蔵庫の中の食材を確認

❷全ての食材を使い切り、複数の料理レシピを考える

❸複数の料理レシピの優先順位を決め最短となる調理工程を考える

❹限られた時間で全ての料理を調理し終える

という様に

『マルチタスクの最適解を一瞬で出すことができて、

更にそれを実践することができる』

ということにその凄さがあるのだと思います。

単に短い時間でたくさんの料理が作れるからという理由ではなく

私が志麻さんを尊敬しているのは“直観力”“実践力”の部分です。

“直観力”と“実践力”とはなんなのか、ひとつずつ説明します。


“直観力”

“直観力”は「直感力」と混同しやすいのですが、実は大きな違いがあります。

松下幸之助が著書の中で語っていた「直感」と「直観」の違いを引用しますと

『直感』の方は、外部からの刺激に対して自動的にカラダが反応すること。直に感じるということで、虫が敏感に気候の変化を察知したり、人間がその場の不穏な「気配」を察して逃げ出すようなことです。、、、(一部略)、、、
一方『直観』の方は記憶力を持っている動物、たとえばトリやケモノ以上の高等動物の特権で、何か新しい環境に直面したときに、過去に体験した記憶の中から、役に立ちそうな記憶が自動的に現れて行動を規制することをいいます。いわば過去の記憶を直に観ているのだから『直観』と名付けるのです。
 <引用;松下幸之助の直観力 著中山正和 より>

とのことです。

「直感」は理屈では説明出来ませんが、動物が生まれ持った何かを感じる力であり、「野生の勘」や「虫の知らせ」、「第六感」などといった言葉がこれに該当するのではないでしょうか。

また、「直観」はこれまでの体験から学習した内容を瞬時に活用しその場の最適解を導き出す力で、「ピンとくる」や「ひらめく」、「悟る」といった言葉が該当するのだと思います。

ですので「直感」と「直観」の違いを簡単に説明するならば

「直感」は先天的、感覚
「直観」は後天的、最適解

であり、体験を通じて学習することで「直感」は鍛えられることから

“直観力”は体験学習を通じて高めることが出来る

と言えます。

この“直観力”を示す一つの例として「ファーストチェス理論」というものをご紹介させて頂きますと、

「ファーストチェス理論」とは

チェスの名人が「5秒で考えた手」と「30分で考えた手」のうち86%が同じ手であった

ということから導き出された理論で、

瞬間的なひらめき(直観)と熟慮を重ねた結果がかなりの確率で一致することを表しています。

ただ、この理論を都合よく解釈して

「即断即決が出来ない人間はダメだ」

というようなロジックに用いる方も多いのですが私の考えは全く違います。

この「ファーストチェス理論」は常日頃からチェスのことを考え、様々な手を試行錯誤し、実際の試合を幾度も体験した名人のような人だからこそ一瞬でその場の最適解を導き出す

“直観力”

が磨かれたことを表しているのだと私は思うのです。

話を志麻さんに戻しますと、冷蔵庫の中身をパッと見ただけで何をどう、どういう順番で作るかというような最適解を一瞬で出せてしまう“直観力”が志麻さんのスゴさです。

放送で語っていたのですが、志麻さんは料理の専門学校を卒業してフランスに留学し、帰国してからは老舗のフランス料理店で若くしてNo.2にまで上り詰め、稼いだお金も全て料理のために注ぎ込んでいたそうです。

そこまで料理に没頭し様々なものを作ってきた体験があるからこそ、冷蔵庫の中身をパッと見ただけで作れる料理レシピが何種類も浮かぶ“直観力”が養われたたのだと感じました。


“実践力”

志麻さんのもう一つの敬服する点はその“実践力”です。

“実践力”とはどの料理から作れば良いか優先順位を決め、

効率良く料理を完成させる力のことで、

もう少し一般化させると

“実践力”とは
ゴールに向かって優先順位を決め、
効率よく計画を実行していく力

と言えます。

前段の“直観力“で最適解(ゴール)が見えていたとしても

ゴールまでたどり着くための道順が分からなければ

途中で路頭に迷ったり、ゴールまで辿り着けない恐れもあります。

優先順位を決めて効率の良い道順を見つけ出し

ゴールまで到達できるのが志麻さんの“実践力”のスゴさです。

“実践力”の中で重要になるのが「優先順位」ですが、

その「優先順位」という点で放送の中で志麻さんが仰っていたのは

火(コンロやオーブン等)は限られているので、火をどの順番で使えば良いかはいつも考えています

とのことでした。

ゴールや目標を決め、

計画を練っていざ実行となった際に

障壁や足止めされる原因となるのは

弱かったり、

少なかったり、

足りなかったりといった

ウィークポイントなことが往々にしてあります。

志麻さんの話は

調理する上で1番足りなくなる恐れのある

「火(コンロやオーブン等)」を最優先にし

調理の順番や工程を考えていくということで、

計画を実践する上で足止めの原因になりそうな部分から「優先順位」を決めて実行していくという

“実践力”を高める具体的な方法を示した放送内容で

とても参考になりました。

まとめ

これまで書かせていただいたことから、

タサン志麻さんが

これまでの体験から培った瞬時に最適解を導き出せる“直観力”と、

優先順位を決め効率的に計画を実行しゴールに至らしめる“実践力”、

この2つが高い次元で兼ね備わっている

素晴らしいプロフェッショナル

であることが少しでも伝わったのであれば幸いです。

更に今回のあさイチの放送では志麻さんの半生のお話もあり、

ここに至るまでは決して平坦な道のりではなかったことも知ることができました。

その中でも1番印象に残ったのは志麻さんが

「今が1番幸せ」

という風に仰っていた点です。

それは結婚して2人のお子さんに恵まれたからかもしれませんが、

志麻さん自身が

「自分の在るべき姿(志、使命)」

を見つけたことが大きいのではないかと感じました。

その在るべき姿(志、使命)とは

「笑顔のある食卓を作ること」

だそうです。

自分の志や使命が明確で、

自分の好きなこと、得意なことで志や使命が全うできる(笑顔ある食卓を作ることができる)のであれば

これほど幸せなことは無いと私も思います。

“直観力”と“実践力”の素晴らしさは前々から存じ上げておりましたが、

今回の放送で志麻さんの過去の苦労や志、使命の部分を知ることができてこれまで以上に尊敬の念が高まりました。

私自身のモットーも

好きな人に喜んで貰いたい

であり、勝手ながら志麻さんと通じるところがあると思っています笑笑

畑は違えどプロフェッショナルとして

“直観力”と“実践力”を高めることを忘れず、

モットーに向かって邁進していくことで

いつの日か志麻さんと肩を並べられるくらいのプロフェッショナルになれるよう日々精進してまいります。

最後までお読み頂きありがとうございました。

本日は以上となります。(了)









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