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『公務員のタマゴに伝えたい話』、『公務員のタマゴに伝えたい話 第2集』読んでみた!!

どーも、中小企業診断士の「どばしんだんし」です。

noteで繋がりました福島 太郎さんの著書

『公務員のタマゴに伝えたい話』

『公務員のタマゴに伝えたい話 第2集』

の2冊を読ませて頂きましたので

僭越ながら感想など書かせて頂きます。

著者紹介

福島 太郎さんは福島県郡山市で公務員をなさっていてこれまでの約30年の公務員経験を、今後公務員を目指す人(タマゴ)や公務員になりたての人(ヒヨコ)に伝える為にこの著書を書かれたとのことです。

詳細はご本人が書かれたnoteの自己紹介記事をご覧頂くのが一番だと思います↓↓↓

著作紹介

福島 太郎さんの著作2冊をご紹介させて頂きます。

まず処女作の

『公務員のタマゴに伝えたい話』

こちらは大きく分けて

・公務員の心構えや求められる資質、お仕事あるある

・新規事業創生のエピソード

の2つに分かれていて

前半部分には公務員のタマゴやヒヨコ向けの知識が書かれており、

さながら

「公務員版虎の巻」

の様です。

後半部分は著者が公務員として地域貢献のためにチャレンジした姿がストーリー仕立てで描かれており、難解な問題に多くの人の力を合わせてチャレンジする姿は

「下町ロケット 公務員版」

の様でした。


次に、最新作の

『公務員のタマゴに伝えたい話 第2集』

こちらも

前半部分は公務員の心構えや制度、施策などが描かれており、

公務員のタマゴやヒヨコが出会すであろう問題の傾向と対策が書かれた

さながら

「公務員版赤本」

の様です。

そして後半部分は著者が「市民サービス向上」の為、公務員という絶対的ヒエラルキーの中で如何に反対意見を抑え周囲を巻き込み改革に成功したエピソードがストーリー仕立てで描かれており、信念に向かって戦いも厭わない福島さんのその姿は

「半沢直樹 公務員版」

の様でした。

詳細はご一読頂いてのお楽しみDEATH😁😁😁

感想その1、公務員の生態がわかる稀有な内容

公務員を目指していない自分が

『公務員のタマゴに伝えたい話』

『公務員のタマゴに伝えたい話 第2集』

の2冊を読んだ率直な感想は

公務員という生き物の生態がわかってとても面白い

というです。

仕事柄公務員の方々とのお付き合いもありますが、

正直これまで公務員の方々の印象は

・真面目で熱心な方が多い
・事務処理能力が優秀
・調整能力高い

という良い面と

・融通が効かない
・担当変わりがち
・どこか壁がある

という悪い面の

どちらも持ち合わせているという印象でした。

しかしながらこの2冊を読むことで

公務員の生態系や思考回路が垣間見え

ネガティブに見えていた点も合点がいきました!!

公務員のタマゴやヒヨコ向けだけではなく、

この2冊は公務員と関わるお仕事をされてる方にもぜひお勧めしたいです。

感想その2、公務員に1番必要なもの

この2冊の中で一貫して書かれていることですが、

公務員にとって最も必要なものは何か?

それは

「(地元に対する)愛」

です。

公務員というステーテスや安定性は確かに魅力的かもしれませんが、

その分周囲からは公務員として相応し立ち居振る舞いを求められます。

その上、プライベートで何か問題を起こした場合(例えば車で事故を起こした)でも懲戒処分の対象になるというのはこの本で初めて知りました。

その様なことも覚悟した上で公務員の仕事を行うために最も必要なものはまず

「(地元に対する)愛」

だと著者は熱く説いています。

地元をより良くしたいという想いが生まれ、

その為に知恵を働かせたり、行動するのも

そこに「愛」があるからだということです。

また公務員の仕事は社会貢献の意味合いが強く、

時に人がやりたくないこともやらざるを得ない場合があります。

仕事だから、これも給料のうちだからと割り切って仕舞えばそれまでですが、

それも

「愛する地元のため」

「地元をより良くするため」

と思えれば辛い仕事にも前向きに取り掛かれるはずです。

公務員に限らず、どんな仕事でも根っこの部分は

「愛」

が大切なんだと改めて思いました。

感想その3、求められる変態力

著書の中にもある様に、社会が成長期か成熟期によって求められる公務員像というものも変わって然るべきだと思います。

しかしながら公務員の生態や思考回路は良くも悪くも

「社会が成長期の時に出来上がったカタチ」

がそのまま残っていて、成熟期という現在の環境とミスマッチが起きてしまっているのだと感じました。

組織が強大あることは安心や安定を与えてくれる反面、本来目を向けるべき外側ではなく組織の内側に目がいく様になり、組織の輪を乱す異端者を排除する圧力が強まります。

その為、グループシンク(集団浅慮)が発生しやすかったりサンクコストに固執し過ぎることになります。

結果、革新的な意見は排除され、前例踏襲主義がまかり通ってしまうのでこの様な組織でイノベーションを起こすことはなかなか困難です。

著者もこの点は憂慮されていて、作中のお言葉をお借りすれば

スクラップ&スクラップ

つまり無駄なもの、役目を終えた事業などは辞める

「捨てる勇気」

を持つことができればどれだけ楽になれるのかと私も思いました。

これからの公務員に求められるものの一つは古いものをどんどん脱ぎ捨てていく

変態力
※アブノーマルではなくメタモルフォーゼ

なのかもしれません。(以前「変態力」について書いた記事になります↓↓↓)


感想その4、信用よりも信頼作り

「変態力」と併せてこれからの公務員に求められるものとして、

「信用よりも信頼作り」

があるのかと思います。

ここで「信用」と「信頼」の違いについて私なりの考えをお伝えすると、

・条件付きで信じるのが「信用」、条件なしで信じるのが「信頼」

・これまでを信じるのが「信用」、これからを信じるのが「信頼」

・一方通行が「信用」、相互通行が「信頼」

といったところです。

例えば

公務員や警察官、教師だから信じられるというのは職業という条件がついているので「信用」ですし、

◯◯さんだから信じられるというのは条件がついていないので「信頼」です。

また、

仮に起業する知り合いに出資をお願いされた時、過去にその知り合いが実績を出した分野での起業だから出資するのは「信用」、

将来の展望が楽しみな事業だから出資をするのが「信頼」です。

また、

「信用」の場合双方の立場に違いがあることが多く、

「信頼」の場合双方の立場が平等なことが多いです。

ここで話を

「信用よりも信頼作り」

に戻しますと、

公務員はもともと社会的な信用が高く、自らの努力が無くても公務員という立場、看板だけで組織外の人にも大概は信用してもらえます。

ある意味簡単に「信用」が手に入ってしまうので「信頼」関係を結ぼうという気持ちが希薄な方が多いのか、著者も組織の外の人たちと関わりを持とうという公務員が少ないことを憂いています。

確かに信頼関係を構築するには時間がかかりますので3年から5年で移動する公務員の方々にとっては中々難しいですし、あまり特定の人物や団体と仲良くし過ぎるのはよろしくないという風潮もあって組織外の人と信頼関係を結びにくいこともわかります。

ただ現代はVUCAの時代と言われ、激しい環境変化に対応する為には前例踏襲主義では難しく、過去に縛られない新たなチャレンジを生み出す必要があります。

その為には「これまで」を基にした「信用」だけでは心許無く、

「これから」を創造する「信頼」関係を周囲と構築していかなければなりません。

つまりは

これまでの様に

「役所の人が言うなら」

では無く

「◯◯さんが言うなら」

というレベルまで地域の方々と信頼作りをできることが

これからの公務員に求められるものかと思いました。

感想その5、スーパーコウム人爆誕

これまで書いてきました

・(地元への)愛

・変態力

・信頼作り

この3つを兼ね備えたスーパー公務員、

もとい

著者の言葉を借りるとすれば

公務員は生き方、人生そのもの

とのことですから、

「スーパーコウム人」

はまだまだ圧倒的に少ないマイナーな存在かもしれません。(もしかしたら1000年に一度現れるレベル!?)

しかしながら、情報技術の発展により現代ではマイノリティがマジョリティに匹敵する力を得ることができました。

それが「情報発信力」と「弱いつながりの強さ」です。

これまでマジョリティの影に隠れて表に出てこなかったマイノリティの声なき声が今や一瞬で世界中に発信できる様になっています。

その一つの顕著な例がこの福島 太郎さんの2冊の著書なのだと思います。

また現在はインターネットを活用することでマイノリティでも性別や地域、世代関係なく繋がりを作れる環境にあり、時にリアル以上に結束力や共感を生む場となっております。

そしてこの著書を読んで共感した「弱い繋がり」の中から公務員のタマゴやヒヨコが生まれ、

地域を、そして日本をより良くしてくれる様な

スーパーコウム人

が1人でも多く爆誕してくれることを切に願っております。

最後に

今回noteで交流を持たせていただいた

福島 太郎さん

の著書

『公務員のタマゴに伝えたい話』

『公務員のタマゴに伝えたい話 第2集』

を読ませて頂いた感想や気づきを書かせて頂きました。

著書の中で福島さんは民間企業の重要性を説いていますが、

私はこの本を読んで逆に公務員の大変さや重要性について改めて気づくことができました。

民間企業と役所、公務員それぞれの良い面を活かし合うには信頼関係を構築する必要がありますが、その為にはお互いのことをよく知らなければなりません。

しかしながら正直これまで公務員の世界はブラックボックス化していて深く知ることのできなかったので信用の壁をなかなか越えられませんでした。

公務員の生態を知り、信頼関係を構築するための第1歩という意味でこの2冊は非常に意義のあるものだと思います。

その様な大事なことを発信してくれた福島 太郎さんにはもちろんのこと、繋がりを作ってくれたnoteにも心から感謝を申し上げて文を閉じさせて頂きます。(了)

追記

以前に同じ様にnoteで繋がりましたあおはるさんの著書を感想を書かせて頂いた記事も併せてお読みいただければ幸いです。









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