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閉塞感を打ち破るには脱カッコイイ  〜ニワトリのつつき順位とその解消法〜

 最近生物学にも興味を持ち始めた中小企業診断士の「どばしんだんし」です。

 昔は企業を「無機的なシステム」と捉えていた経営学も、最近の潮流としては「有機的な生命体」として捉える傾向が強まっています。

 科学が発展して多くの物質も分子レベルによる分析や解明が主流となってきましたが、企業がその最終単位がヒトであるということは生命体、生物として分析や解明がより進んでいくことが予想されます。

 というわけで本日は「生物学に学ぶ企業経営」として「ニワトリのつつき順位とその解消法」を書いていきます。


ニワトリのつつき順位

 「ニワトリのつつき順位」とは飼育下のニワトリが限られた空間(囲い)で飼育される際ケンカをして勝敗により順位を決め、その順位が1位のニワトリは全てのニワトリをつつき、2位のニワトリは3位以下をつつき、3位は4位以下をつつき、、、最下位のニワトリは全てのニワトリにつつかれるという順位性のことです。

 実は私が小学生の頃、実家は養鶏もやっていて鶏がを万羽以上飼っていて、いつも全身ボロボロの鶏が何羽か居たんですが、このつつき順位を知ってそういう理由だったんだと妙に納得しました。

 人間社会でもこの様な現象は例えば学内カースト制度の様に自然発生的に起きる場合もあれば、お相撲さんの世界の様に意図的に順位性を取り入れている場合もあります。


順位性のメリット・デメリット

 ではニワトリにしても人間にしてもなぜ順位性が使用されるのでしょうか?

 その理由は
・集団の秩序を保つ
・リーダーシップを発揮しやすい
・優秀な個体ほど生存率や遺伝子を残す確率が上がる
・健全な競争原理(互いを認め合い高め合う、切磋琢磨する)が働く場合がある

などが挙げられます。

 順位性にはこの様なメリットがあるわけですが、あくまで強者側(上位)のメリットであって下位にとってはそうでないことが多いです。

 そのため順位性のデメリットとして
・閉塞感が生まれやすく集団として機能不全に陥る可能性がある
・上位の資質で環境が大きくされる
・下位に行くほどメリットが失くなる
・不健全な競争原理(足の引っ張り合い、騙し合い)が働く場合がある

などが挙げられます。

 このことからも
・私利私欲に走らず集団全体を最優先に考えられる上位(リーダー)
・自己の成長意欲と集団への貢献意欲を持つ(失わな)下位
この両輪が揃って始めて順位性の集団が上手く機能するといえます。

 逆を返せばこの二つが揃わなければ順位性はメリットよりもデメリットの方が大きくなりやがて崩壊してしまうということです。


ニワトリのつつき順位の解消法

 もし集団のつつき順位のデメリットで悩んでいる場合、上手な解決方法はあるのでしょうか?

 解決の参考に「ニワトリのつつき順位の解消法」をご紹介します。

 その方法は『囲いを取っ払う』、、、ただそれだけです。

閉塞感を打ち破るには脱カッコイイ

、、、脱カッコイイ(囲い)が重要なのです(汗)

 そもそも囲いという限られた空間の中に多数の個体が居ることからFF行動(Fight or Fiyght/戦うか逃げるか反応)のうち戦うという選択肢しかなくなるので個体の強さによるつつき順位は発生するわけです。

 その囲いが無くなってしまえば戦う以外の逃げるという選択肢も取れる様になるわけですから「つつき順位」は自然と解消されます。

逃げる恥だが役に立つ

とはよく言ったものです。

 とは言っても実際に今所属している集団や組織から簡単に足抜けできない等人も多いと思います。

 そんな方のためにヒントになるかどうかわかりませんがここでは2つ例を挙げさせていただきます。

・外の世界を知る、、、自分がいま居る集団や組織のことだけしか知らないとどうしてもその中だけで物事を考えたり判断する様になって視野狭窄や思考停止に陥りがちです。完全に囲いを取っ払わないまでも、囲いの外がどうなっているかたまには見てみるのも良いと思います。

・複数の集団に所属する、、、上記の外の世界を知るとも被るのですが所属する集団は複数あった方が良いと思います。例えば上京して地元の友達と縁遠くなってしまったり、就職して学生時代の付き合いが希薄になったりと自分の所属集団が一極集中するという人もいるかも知れませんがとってももったいないです。また、今の時代はネット上で趣味が合う人が繋がりやすい時代ですのでその様な集団に属してみるというのも良いかもしれません。


生物学から学ぶ企業経営

 かれこれ4年ほど前から毎月開催される「借金に苦しむ企業経営者の座談会」に参加してきましたが(最近はコロナで開催されていないのが残念)、 自殺まで考えるほど追い込まれていた経営者を救うのは具体的な解決方法よりも同じ様に悩む経営者の話しを聴くことです。

 経営者も時に自社のことに集中するあまり視野狭窄や思考停止を引き起こし、これが続くと自滅の道を歩みかねません。

 そんな経営者を救うのは心の囲いを取り外すことであり、その第一歩が同じ様な境遇の人の話を聴くことだと思います。

 実際その座談会でもよくあるのですが◯百万円の借金で首が回らないと苦しんでいた経営者が、別の参加者の△億円の借金を屁とも思っていない人の話を聞いてスッと悩みが軽くなったなんてことがあります。

 面白いもんで人間、自分の話しよりも他人の話の方が腹落ちしたり、客観的に分析できる様で一人で悩んでいたときの囲いの呪縛が無くなるみたいです。

 これはあくまで個人的な感覚ですが、借金にしても集団の順位性にしても真面目な人ほど悩む傾向が強いので、真面目な方ほどニワトリのつつき順位とその解消法をヒントにして頂ければ幸いです。

 本日も最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

 

 

 






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