TAILWINDを聴いた話

2018年4月8日、LAWSON presents TrySail Second Live Tour “The Travels of TrySail” 北海道公演。当時高校3年だったぼくにとって人生初のライブでした。

開演時刻になり照明が落とされる。
ステージ前面には白い幕。
BGMと共に一人ずつシルエットが投影される。
最後に3人のシルエット。
幕が落ちる。

''遥か彼方へ 地球儀にも無い場所へ 馳せる
想いを乗せて 未知なる道へと 描いていく軌跡"

1階最後列の良いとは言えない席からの景色も、初めてのライブへの期待ときちんと楽しめるかという不安の入り混じった感情も、5年前とは思えないほど鮮明に覚えています。

勿論TrySailのデビュー曲はYouthful DreamerですしそのカップリングはSail Outなのですが、それでもTAILWINDはぼくにとってTrySailの原点でした。


こう書くと思い出補正だけの曲みたいに見えてしまうんですが、それ抜きにしても本当に好きな曲です。じゃなきゃたぶんここまでの亡霊にはなりませんでした。さわやかで且つスケールの大きさを感じさせる曲調も歌詞も、「航海」や「旅」というイメージにぴったりな名曲です。Sail Outが今まさに旅立つところなのに対して、TAILWINDは航海中の洋上にいる感覚。
余談ですがフェリーに乗って聴くと一番映えるTrySail楽曲はTAILWINDだと思ってます。


翌年8月の3rdツアーの追加公演。
大学進学で北海道から関西に移ってライブに通いやすくなり、このツアーは半分弱くらい通ってました(3rdツアー開幕時はまだ受験が終わってなかったし、そもそも20公演以上あるアホみたいなツアーだった)。追加公演ということもあり、ぼくは思い出の曲たるTAILWINDを期待して参戦しました。
結果、無事TAILWINDの亡霊が誕生しました。

(顔文字がキモかったので引用するか迷いましたが)


それ以降TrySailのライブはほぼ全公演行ってる気がします。

↑たぶんGo for Sail (コロナでオンラインライブに代替) 発表時?

↑DtC前日。

↑DtC後。

↑RBV初日前。こんなメンタルの日もあった。

↑RBV名古屋の後(たぶん)

とまあこんな調子でした。念のため言っておくとTAILWINDが無くてもライブ自体はちゃんと楽しんでますし、それぞれに沢山思い出が詰まってます。


そして今回。新アルバムを引っ提げたライブじゃないしTAILWIND来る!という期待と、同じ条件でなお来なかったDtCの記憶が渦巻く中、公演前日に夏川さんが投稿したブログにこんな一文がありました。

いつもましてのあの曲も、めっちゃ久しぶりのあの曲も、新曲まであったりして!

https://ameblo.jp/natsukawashiinablog/entry-12787463125.html

俄然高まる期待を「まだ決まったわけじゃない、ぬか喜びするな」と自分で窘めていました。何度もTAILWIND回収への想いを砕かれてきたので用心深くもなります。


ライブ本編。
マジでめちゃめちゃ楽しかったです。天才のちぷろぐ開幕でテンション爆上がりしたり、突然のすぱだりに「TrySailにこんな曲あったっけ…?」となりながらも身体はちゃんとノっていたり、大穴予想で直前に聞いていたオルゴールを回収できたり、こんにゃくになってみたり、カレーワンタン教の儀式に参加したりetc.
会いに行くyacht! みんなであそboat!というタイトル通りの素晴らしいライブでした。

本編終了後。
精一杯楽しんだ満足感と共に、自己嫌悪に陥っていました。こんなに楽しいライブなのに心の奥で「今回もTAILWINDは…」と考えてしまう自分が嫌でした。冷静に考えれば「めっちゃ久しぶりのあの曲」と言えるほどの曲はまだ無かったのでEn.で来ることは想像できたのでしょうが、そんな脳みそは残っていませんでした。
そんな何とも言えない感情でステージに戻ってきた3人を見つめます。何の曲が来るかを考える余裕もありませんでした。


"遥か彼方へ"


普段からスピーカーやイヤホンを通して何度も聴いているはずなのに、生で聴くそのフレーズはひどく懐かしく聴こえました。
声にならない声と共に(*1)足首、膝、腰と力が抜けて座り込んでしまいました。夢にまで見たTAILWINDのパフォーマンスを視界に入れようと、立ち上がる努力をしましたが膝が抜けて身体を支えられません。
Aメロが始まる頃にどうにかヨロヨロと立ち上がり、震える足で必死にバランスを取りながら、その光景を目に焼き付けました。

こんなことを言ってましたが全然振り覚えてました。5年前に聴いたときは当然振りコピ文化など知らなかったので、実はライブの場でTAILWINDの振りコピをするのは初めてだったんですね。このnoteを書いてて気づきました。

曲中は何とか耐え抜いた震える足も曲が終わると再び立つ能力を失っていたので、直後にMCがあって本当に助かりました。折角の新曲で曲もめちゃめちゃ好きなflowerの記憶があまりありません。flowerの曲中は意識を持って見様見真似で振りコピもしてたはずなんですが、その時の感情がすっぽり抜けています。今日は頑張って感情持って帰ります。

ライブ前からもしTAILWINDが来たら崩れ落ちるだろうくらいには予感してましたが、こんなに立てないのは想定外でした。今日は自分の足でちゃんと立って入りサビから目に焼き付けます。

おわり


*1 ごめんなさい。。



【追記】Day2を終えてまた書きたいことが出来たのでちょっとだけ書きます。

Day2も最高のライブだったんですが、全体の感想を書くと長くなるのでここには書きません。

TAILWINDはDay2でも無事に披露されました。Day2のTAILWINDの感想は「めちゃめちゃ楽しかった」です(ありきたりですが…)。

このnoteの本編を書いた段階(Day2開始前)では気づいてませんでしたが、今思えばDay1のTAILWINDは「聴けた感動に浸る」ことと「曲を心に刻む」ことに終始していました。勿論それに後悔はありません。
ただ、今日は披露されることを確信していたので「TAILWINDという曲を楽しむ」ことに意識を向けられました。

結果、凄く凄く楽しかったです。この曲のポテンシャルにびっくりしました。サビの振りコピも楽しいし、歌詞の一つ一つが曲名通り背中を押してくれるし。自分は本当にこの曲が描く景色が好きなんだなと改めて感じました。

曲が終わるときには、「ライブでのTAILWINDという曲を楽しめた」という幸せを噛みしめていました。
もしもTAILWINDが昨日だけの日替わり曲だったら、聴けたことに感極まり、歌声を記憶に刻むだけで終わっていました。そう思うとDay2で「楽しむ」機会をもらえたことに感謝しかありません。

そして昨日感想を持ち帰れなかった次の曲flowerも全力で楽しめました。我々ファンへの想いをストレートに伝えてくれる歌詞を、バラードでなく明るい曲調に乗せているのがとてもTrySailらしいと感じました。当然バラードにもバラードの良さがあります
が。


本当に素晴らしいライブをありがとうございました。こうして全力で「今」を楽しんだ記憶がいつか曲たちに乗っかって、一つ一つの曲がより思い入れ深いものになれば幸せだなと思います。


追記おわり


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