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『いいじゃん!子ども食堂』第4回   池田 和浩さん編~行政から見た子ども食堂の魅力って??~

 みなさんこんにちは~!お久しぶりですもとみんです。
 もう9月も終わり、2020年もあと3ヶ月ですね!毎年この時期になると謎の焦りに襲われて泣きそうになるもとみんです。(でも秋は大好き!読書の秋、睡眠の秋、食欲の秋、食欲の秋、食y...)
夜もだいぶ涼しくなってきましたが、皆さん寝冷えにはご注意を!!

 さて、今回インタビューするゲストの方はコチラ!!

宮崎市役所子育て支援課の池田和浩さんです!!(こども食堂コーディネーターの黒木淳子さんが紹介してくださいました。)

 池「よろしくお願いしま~す。」

ゆるっとした挨拶をいただきました! (笑) とっても話しやすそうな印象の池田さん。さっそく市役所目線でみた子ども食堂についてバシバシ聞いていきたいと思います!!!

「ん?そもそも子ども食堂と市役所って関係あるの?」と思ったそこのアナタ!

さあ、一緒にその疑問を解決していきましょう!

※今回は、いつもと少し違ったインタビューの流れでお送りします。

1.プロフィール、経歴

 池田さんは役所に勤めて今年で11年目。現在、宮崎市役所の子育て支援課に配属になって2年目で、主に子ども食堂の担当をしています。その前は、清武総合支所の建設課に。今までずっと道路行政に長くいたため福祉の分野は未経験で、絶賛勉強中!とのことでした。

 ほえ~建設から子育てに…!!まさに公務員ならではの部署移動ですね。ジャンルが全く違う仕事をするって、大変そうだけど同時にとても刺激的でわくわくしそうです!

2.活動内容(市役所の)

 次に、そんな勉強真っ最中の池田さんが普段、どんな子ども食堂関連の活動を行っているか、つまり市役所の子育て支援課がどんなことをしているかについてお聞きしました!

 子ども食堂に関わる事業として、市は子ども食堂コーディネーターという職業(詳しくは『いいじゃん!子ども食堂』第一回 黒木淳子さん編を見てね!)を支えあいの地域づくりネットワークに委託(委託=依頼して代わりにやってもらうこと)しているそうです。そのため、市役所や池田さん自身が子ども食堂を立ち上げたり、直接運営者とやり取りするわけではないということでした。ちなみにこの委託事業は平成30年度から始まったらしく、最初の半年でマニュアル作り、それ以降は開設したい人にそのマニュアルを使って実際に解説してみたり…こうして現在は子ども食堂立ち上げまでのサポートをコーディネーターの方に委託しているようです。

 ひろ「実は、子ども食堂コーディネーターを民間に委託したのって宮崎市が全国初なんですよね!新事業を始めるにあたり、市としてはどのような思いがあったのでしょうか?」

 池「はい。市がこの業務を民間委託した理由としてはまず、民間事業者の自由な発想があることでよりよいコーディネーター業務ができる、もっとよいアイディアが実現できる、という考えがありました。実際、昨年2019年にも宮崎大学地域資源創成学部の生徒さんたちと良いコラボができました。」

 もと「たしかに大学の講義の一環で、子ども食堂を一から立ち上げてみよう!という企画がありましたね~。あの時は黒木さんや池田さんをはじめ本当にたくさんの人にお世話になりました!このメディアを立ち上げたのもあの経験がきっかけですし学生側としてもとても貴重な体験をさせていただくことができました。」

 池「ありがとうございます。また、もともと支えあいの地域づくりネットワークさんが子育て支援に関わる事業を行っていたため、宮崎県内の子ども食堂を応援するネットワーク、つながり、メディアを通じた広報力なども行政より民間の方が強いかったからという理由もありましたね。」

なるほど!全国初の子ども食堂コーディネーター民間委託という斬新な事業のきっかけは単に市役所が忙しかったからなどではなく(笑)、よりよい未来のための方法をしっかりと検討したうえでの新しい挑戦だったんですね!!

 もと「ちなみに、今民間企業の強みについて聞かせていただきましたが、逆に行政や市役所の強みって、どんなことがあるんですか?」

 池「うーん…パッとは思いつかないんですけど…(笑) そうだ、例えば家庭で余った食材を支援団体などに寄付する”フードドライブ”といった取り組みがあるんですが、この催しを市役所内で行うことで市民の皆さんはありがたいことに安心してくれるんですね。『市がやっているんだから、自分の思いはちゃんとしたところ、ちゃんとした支援先に届くんだろう』と。行政だからこその信頼感というのは、強みかもしれないですね。」

 ひろ「たしかに、市がバックにいることで安心してフードドライブに参加することができますよね!」 

 池「その信頼を裏切らないように、日々業務を頑張っています。(素敵な笑顔)」

3.コロナ禍での子ども食堂開催はどうなる!?

 さて、子ども食堂といえばみんなでご飯を食べる場所。しかし現在コロナ禍で多くの飲食店が影響を受けています。そこで気になる今後の子ども食堂開催についてお聞きしました!

 池「今回の新型コロナウイルスの影響で、小・中学校休校のタイミングと一緒に食堂もお休みするところが多かったです。今後の開催についてですが、市としては運営者さんと地域住民の方の意志を尊重したいというのが大きいです。『こんな時だからこそやったほうがいいのでは』『学校も休みが続き、今はみんな我慢が必要な時なのに、なぜこの時期に開催するんだ』など様々なご意見をいただきます。ですがこのどれもを尊重しないと、地域の中でちゃんと理解されない。地域の中でちゃんと理解されないと、結局息の長い活動にはつながらないんじゃないかなあと個人的には思っています。」

地域から出るポジティブな意見もネガティブな意見も等しく尊重しなければならないというのは、まさに行政だからこその視点ですよね。そしてこの視点、立場こそ行政の重要な意義と価値の1つなのかな?とインタビューを通して感じたもとみんでした。(いきなりの感想失礼しました。)

 宮崎市役所として、コロナ禍での子ども食堂開催に賛成・反対だとかではなく、1番は地域の意志を尊重したいとのことでした。そのうえで感染防止対策をしっかりした開催であれば、全力で応援、サポートしていくというスタンスだそうです!ちなみに私たちも、今後子ども食堂開催が再開された場合は、取材もしくはお手伝いというかたちを通して全力で応援していくつもりです!(ファイヤー!!)

4.池田さんから見た子ども食堂の役割とは?

 池「僕自身が考える子ども食堂の役割は”地域の中にいる子どもたちをその地域に住んでいる方々で見守っていくこと”じゃないかなあと。本当に当たり前のようですが、今はなかなかないものでもあると思います。」

なるほど。池田さんのお話から、子ども食堂とはただ子どもたちがご飯を囲む場所ではないということがとてもよく伝わってきました。食事はどこまでも”手段””であって”目的”ではないということですね。

これは、子ども食堂という文化がこれからも続いていくために必要不可欠な考え方だと思います。

5.課題とやりがい

 さて、インタビューも終盤に近付いてきました。ここからは、もっと市役所と池田さんの思いに焦点をあててお話を聞いていきたいと思います。まずは課題について、現在市役所が抱えていることが2つあると池田さんは言います。

 池「昨年もいろんな子ども食堂運営者の方とお話させていただく機会があって、その中で印象に残っているのが『本当に来てほしい子どもが来てくれない』『本当にこの子は困っているんだろうか』といった声です。ただ、子ども食堂の現在の在り方として、誰かにターゲットを絞って行うことは難しい。そのあたりの理解を運営者の方に共有していかないといけないというのが課題です。また、現在の子ども食堂の支援の方法についても日々考えるべき課題で、例えば市として新規子ども食堂立ち上げ時の費用とか、出だしのサポート、援助など何かできないかとは検討しています。現在、市が直接補助金を出している子ども食堂のモデル地区というところがあり、そこで実際の運営にかかる費用の検証を行っているところです。」

 ひろ「そういえば僕たちも初めて子ども食堂を立ち上げるとき、費用の予想がつかず具体的な予算をたてるのが難しかった記憶が・・・。もしモデル地区の実例から初期費用などが最初から分かっていれば、とても便利ですね!それに食堂開設のハードルも今より下がって、子ども食堂の輪がどんどんひろがりそう!」 

 もと「ちなみに最初の質問で、本当に来てほしい子どもがきてくれないという言葉がありました。池田さん個人としては、なんでその子が来れないんだと思いますか?」

 池「うーん、個人的に思うのは、子どもの困りごとっていまはなかなか目に見えないのかなあと。」

 ひろ「うんうん(大きなうなずき)」

 池「見るからに汚れた服を着てる子って今の時代、そんなにいないじゃないですか。だからこそ、その子どもが困っているかどうかって、見た目だけではわからない、判断できないと思うんです。こういった理解をしてもらえるように今後運営者の方にお話していきたいと考えていますね。」

 たしかに、昔に比べたら貧困という問題が目に見えにくい世の中になってきているんだろうなあと私も感じます。それに、たとえ貧困の自覚があったとしてもそれを誰かに言うのって相当ハードルが高いことなんじゃないでしょうか…。さて、そんな課題も抱える中、いったい池田さんの仕事に対するやりがいとは??

 池「仕事に対してのやりがいについて、僕はずっと道路族だったので業者さんとかといっしょにお仕事してきたんですけど、ここの課に来て子ども食堂に関わるようになり、いろんな人との出会いがありました。例えば大学生や農家さん、企業の方など…。大学生とのプロジェクト、農家さんとの話し合い、企業の方からの広報サポートなど関わり方もすごくいろいろあり、関わりの数だけ企画がある。それらがひとつひとつ実現するたびに、何かやりがいみたいなものを感じている気がします。」

6.子ども食堂の理想の在り方、将来の展望

 質問項目としてはこれが最後。これからの子ども食堂について、将来の目標、展望をお聞きしました!

 市のオフィシャルな考え方としては、現在宮崎市にある22の地域1つ1つに子ども食堂を開設したいという目標をもとにコーディネーターの委託事業などを展開しているそうです。イメージは中学校区ごとに子ども食堂があるくらい。でも、できれば小学校区くらいの、誰でも歩いていける範囲に子ども食堂がある状態にできるようにもっと数を増やしていきたいという思いがあるんだとか。「1つの小学校に1つの子ども食堂」が今後の展望とのことでした。

 池「まだ道のりは長いなあという感じではあるけれど、期待はしています。ただ、同時に今ある21個の子ども食堂も大事にしていかないといけないですよね。継続することが1番なので、数だけ追いかけて本末転倒にならないようにちゃんと支援を継続していくことが市として大事になると思います。」

まさに、継続は力なり。ということですね!新しい挑戦に期待をもちつつ、今あるものをしっかり大事にする…。とっても勉強になりました!!

7.最後に

 最後に、いつもと同じようにゲストの池田さんに次のインタビュイーを決めてもらいます。

 池「あっ、あの人どうかな?社協の???さん!」

さて、気になる次のゲストは”子どもの支援に関わる専門家でつくる会議の構成員”!?専門家の目線から子ども食堂についてのおもしろいお話が聞けるかも!!ぜひお楽しみに♪

 以上がインタビューの全てとなります。改めて今回のゲストは、子ども食堂を中立な立場で、かつ信頼感というブランドを武器に全力サポートしている市役所の子育て支援課、池田和浩さんでした!池田さん、ありがとうございました~~!!!

最後まで見てくださった皆さんも、本当にありがとうございました。コロナが落ち着いたら、実際に子ども食堂に取材に行きたいな~!!以上もとみんでした。みんな次回も見てくれるかな~??   「いいどもーー!!!」

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