【ファンコットの日本史】「大MOGRAファンコットまつり」(前編)
はじめに
秋葉原MOGRAを会場に、6時間ファンコットを大音量で再生し続けるファンコットオンリーDJイベント「大MOGRAファンコットまつり」。
2018年に一度開催したきり、次回開催ができない状態が続いていたが、2022年5月21日に2回目を開催することが出来、無事にその開催を果たした。
本イベントについて、筆者(Gunji)もオーガナイズチームの一員として・・・
いや、「企画の言い出しっぺ」として、企画運営の中心に関与している。そのこともあり、このイベントの開催が間近になったことを嬉しく思っている。
本イベントについては個人的にもさまざまな思い出がある。今回の記事にて、「大MOGRAファンコットまつり(以下「まつり」と略す)」のこれまでの歩みを振り返りたい。
前後編に分割し、前編はイベント成立前・後編は成立後の話を中心とする。
まずは、イベントを企画するに至ったきっかけとなった出来事から話したい。
第1章
MOGRAに四人のファンコットDJが集まった日
「まつり」については、公式には2018年11月17日に第1回目の開催をしたことになっている。
しかしその前に、本イベントの企画経緯を説明するにあたって外せない出来事があるのだ。
2016年秋。当時秋葉原MOGRAではバー営業日にDJブースのレンタルを開放していた。
ある一人のファンコットDJがMOGRAのブースレンタルに申し込もうとした。4枠まるごと空きがあった日があったため、知人のDJを三人招待し、その4枠を各DJにて予約した。
何を隠そう、招待されたDJのうちの一人が、筆者だったのである。
そして、発起人がTwiplaに告知ページを作り、そのブースレンタルデーで行うことを告知したのだ。
「大MOGRAファンコットまつり」。
某女児向けアイドルアニメの影響を受けていそうなネーミングで、あたかもイベントのように仕立ててしまったのである。記憶が確かなら、この事はMOGRA様に正式な話を通していなかった認識である。よくない
当日。私は18時の枠で1時間DJを行っていた。当時関心のあったネタを中心に選曲をしていたのだが・・・
フロアの様子がおかしい。
見知った顔以外にも、見知らぬ人たちがMOGRAに来て、ファンコットを聞いて踊っていた。
「思ったより大変なことになっているな?」
DJが終わる頃にはフロアがそれなりに出来上がっていたように思う。
このあと20時そこそこで、私は別件の用事が控えていたため退出してしまったのだが、当時のTwitterまとめを読むと、どうやら相当に盛り上がっていたらしい。あのあとシャンパンボトルが3本購入され、フロアで回し飲みが発生したらしい。MOGRA様の業態としてはブースレンタルデーだったのに。
本気のMOGRAでファンコットを鳴らしたら・・・
そして奇遇にも、私は「まつり」2日後にもう1件、MOGRAでのDJ出演を控えていた。
「WHATEVER WAVES 02」。
アニメソングを中心にブートレグリミックスを製作する覆面ユニット「LOLISTYLE GABBERS」が主催するDJイベントで、彼らが扱う音楽ジャンルであるハードテック・ブレイクコア・ファンコットを軸に展開するものだった。
このファンコット枠に筆者(DJ Kubus名義)が出演することになったのだ。
(WHATEVER WAVES 02 告知ページ)
2日前に行った「まつり」は、ブースレンタルデーであったこともあり、バー営業としての音響で鳴らされており、音圧が控えめだった。
MOGRAの本ちゃんのイベントでファンコットを鳴らせる。私にとって初めての体験だった。
音出しをするやいなや、私は驚愕したのだった。
「なんだ!?これがファンコットの鳴りか!?」
ファンコットはクラブの音響で真価を発揮するようにできていることは百も承知だった。
さまざまなクラブハウスでファンコットを聞く体験を通して、独特なファンキービートとベースラインの混ざり合いがウーファーを通してハコに鳴り響く心地よさは経験していたはずだった。
しかしMOGRAでのそれは、他に変え難いほどの迫力があるように感じたのだ。なにより、キックの主張が他よりも強く、重すぎず軽すぎない低音がより力を増して、フロアを震わせていたのだ。
より一層、フロアで踊るパリピ(?)の気持ちを大きく揺さぶるように感じたのだ。
イベントの中で40分ほどDJをしていたのだが、この時私は昔からの憧れであったDJ SHARPNELの次の出番ということもあり、ブチ上がりすぎて(もしくはお酒に飲まれて)、あまり細かいことを覚えていないのだ。
そんな状態であっても、人が多くフロアが沸いていたのは朧げながらに覚えているのだ。
WHATEVER WAVES02のパーティフォトが公開されているので、リンクを記載する。
ファンコットの勢いと、フロアの雰囲気と、酒に飲まれた結果、気持ちが昂りすぎて大変なことになっている筆者がそこにいる。恥ずかしい。顔でDJする男
この2日間の経験を経て、私はひとつの思いを抱いた。
「いつの日か、MOGRAをお借りして、正式なイベントとしての『まつり』ができたらいなあ」
ちなみに「まつり」のコンセプトは、この「WHATEVER WAVES」の他にも、私が始めてLOLISTYLE GABBERSのLIVEを目撃したイベント「OTAKUSPEEDVIBE RELOADED」に多大な影響を受けているのだが、それはまた別の機会に詳しく書きたい。
つづく
まだイベントの企画する話に到達できていないが、少し長くなったため、今回はここで一旦区切ることとし、次は「2018年開催の話」をしたいと思う。
引き続き「大MOGRAファンコットまつり2022」を応援よろしくお願いいたします。
後編はこちら
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