沢木和也さんを偲ぶ。
AV男優の沢木和也さんが食道と下咽頭(かいんとう)のがんで54歳という若さで亡くなられた。ヤフーニュース見た時の私の第一声は「え〜。」だった。中、高校生時代にバブルの空気と相まってチョコボール向井、加藤鷹とともに一時代を築き上げた男優だった。「トゥナイト」、「11PM」、「プレステージ」では後藤えり子等、AV女優が普通にテレビに出ていて、少年の心を潤したものだった。
10、20代は自分が世界の中心の様に感じながら生きるものだ。その中でアダルトビデオは夢を与え、一定の文化財となった。
あのデカいVHSのアダルトビデオを借りる恥ずかしさ。親にバレない様にどう隠すか。毎日頭を悩ませた。その生活の中に沢木さんはいた。
無論一面識もないが、大人の甘美な世界の一端を観せてくれたのである。
アダルトビデオはDVD、Blu-ray、そして配信という形のない物に変貌した。スマホを観れば簡単に無料のサイトがある。
沢木さんの時代はアダルトビデオという「物体」が王様の時代であり、禁断の世界がロマンチックに俯瞰できた最後の時だったかもしれない。
私の手元にはVHSはない。あの時代を少し思い出そう。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
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