短期連載シカゴDrill⑤ -シカゴDrillクラシック30選(後半)-

約一ヶ月に亘って連載してきたシカゴDrill特集も今日で見納め。前回に引き続き、シカゴDrillクラシック30選をお届けします。このnoteを機に、シカゴDrillの人気が日本でも広まってくれたらドリオタ冥利に尽きると言うもの。それではいってみましょう。


永久保存版 シカゴDrillクラシック30選(後半)

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3Hunna / Chief Keef

I Don't Likeの大きなバズが起こる前に、Keefのチームは幾つかの導火線を用意してきましたが、Bangと3Hunnaは正にそれに当てはまる曲。両曲共に日本人DJ / ProducerのDJ KENN氏が携わっていて、BangではTrackを提供し、3HunnaではMVの撮影を担当しました。Keefは既にシカゴで超人気アーティストとして有名でしたが、3Hunnaのリリースによって全米中にその名が知れ渡っていきました。3Hunnaとは彼の所属する300というギャングチームの事。

Took Her To The O / King Von

ある夜、1人の女を車に乗せた事からスタートするこの曲は、またしてもVonの巧みなストーリーテリングが光ったVonの代表曲。こちらも全訳動画が上がっていたので共有しておきます。

Killa / Young Pappy

PBG(GD)所属であるものの、実はノースサイド出身という、Drillerとしては異色の経歴の持ち主。彼の攻撃的なスタイルは多くのフォロワーを生み、特に現在強盗殺人の罪で収監中のTy-Kは、代表曲 "THE RACE" のリリック内でYoung Pappyへシャウトを送っています。2015年5月、ノースケンモアアベニューの4800ブロックで2発の銃撃を受け死亡しました。

Changed Up / Lil Zay Osama

Krazy Get Down Boys(GD)所属。2010年代後期のDrillシーンを牽引した1人。物悲しいピアノやオートチューンを多用したメロウなラップとは裏腹に、過激で暴力的なリリックはDrillそのもの。この曲はZayの代表曲であり、現在6000万再生を越す大ヒットとなっています。

Faneto / Chief Keef 

数あるKeefのヒット曲の中でも屈指の盛り上がりを見せている、正真正銘のフロアバンガー。Keef自身が手掛けたトラックは攻撃的なリリックとの相性も抜群で、数え切れぬ程大量のRemix(Freestyle)が作られた事でも有名です。この曲が如何に盛り上がっているか、タイトルの "Faneto" が何を指すのか…パーティーMC、YOU-KIDがその辺りの事をまとめた動画をアップしてくれているので、是非そちらをご覧ください。

I'm Rollin / Lil Herb 

こちらもパーティーに欠かせないフロアアンセム。リリックを深く読み解く事もHIP HOPの醍醐味ですが、パーティーを楽しむならノリやフィーリング重視で全然OK。病み付きになるフックは、フロアで合唱してこそその魅力を実感できると言うもの。

Exposing me (Remix) / Memo600 ft. King Von

元は600(BD)所属のMemo600のソロ作でしたが、後にKing VonがRemixで参加した事で人気に火が点いた曲。Vonは曲中でGDメンバーを次々とディスし、それに対してFBG Duckが同曲を使ってアンサーを返す等、両者のビーフに拍車を掛ける結果に。曲を聴けば分かる通り、NYのラッパーCJの大ヒット曲 "Whoopty" と同ネタが使用されています(元ネタは "SANAM RE" というインド映画の主題歌)。

Traffic / Lil Reese ft. Chief Keef

Usに続きこちらもLil Reeseの大ヒット曲。Chief Keef × Lil Reese × Young Chopの組み合わせはどれも鉄板です。

Chicago Niggaz / L.E.P. Bogus Boys

MoonieとG Countからなるラップデュオ。仲間内だけで曲を完結する傾向の強いDrillシーンですが、彼等は早い段階から様々な地域のラッパー / トラックメーカーとコラボし、グループの音楽の幅を広げてきました。プロデュースはDJ Drama。

Pop Out / Polo G ft. Lil Tjay

2020年以降のシカゴDrillシーンにおいて、最も成功を収めているDrillerの1人。ステージネームの由来は、ブランドのPoloを愛用していた事と、16歳で亡くなった友人のGucciの頭文字からきているとか。Drillの枠に収まらないワールドワイドな活躍が世界中でファンを獲得しており、2021年リリースされたアルバム「Rapstar」はBillboard Top 200で1位にランクインしました。そんなPolo Gの出世作。日本のクラブでも当時良くかかっていました。 

You Ain't Gang / Lil Bibby 

Lil DurkにとってのKing Vonがそうであるように、G HerboにとってのLil Bibbyは唯一無二の親友であり兄弟のような間柄だと言います。彼等が所属しているN.L.M.Bはギャングでは無く兄弟愛を示しているクルーだそうです。2014年にリリースされたミックステープ「Free Crack」シリーズは高い人気と評価を獲得し、Bibbyの名を世に知らしめる事となりました。

 Onna Come Up / Lil Eazzyy

元々はフリースタイルで、リリースする予定も無かった曲だったそうですが、マネージャーの勧めで2018年にリリースの運びとなり、この曲のヒットによってEazzyyの知名度は全国区となりました。今も精力的に活動し、NY Drillerとの親交もあったりと個人的にお気に入りのDrillerです。

My Lil Niggas / Fredo Santana ft. Chief Keef & Lil Reese

Chief Keefの従兄弟で、Drill黎明期Keef等と共に人気を博したDriller。DJ KENN氏からもその才能を買われていた有望株でしたが、2018年1月、Leanのオーバードーズにより27歳の若さでこの世を去ってしまいました。

Envy Me / Calboy

2015年頃からSoundcloud上で音源をリリースしキャリアをスタートさせたCalboy。2018年にリリースした "Envy Me" が、Tik Tokで「Demons Challenge」というダンスチャレンジの音源に使われ、瞬く間に大ヒット。メロウでポップなフロウと暗く物悲しいリリックとのギャップが大衆の心を掴みました。

Chi-Raq / Nicki Minaj ft. G Herbo

この曲がリリースされる前、シカゴ内での人気は高かったものの、まだ 全国的な知名度には至っていなかったG Herbo(当時はLil Herb)。そんな彼の元に、ニッキーのマネージャーからこの曲への客演依頼が来た時は、あまりの出来事に当初信じられなかったんだそう。この曲がキッカケでG Herboは全米中でブレイクする事となった訳で、G Herboは常にニッキーに対して感謝の気持ちを述べています。数多くのRemixがリリースされましたが、その中でTygaとLil Durkとの間にビーフが勃発してしまいました。


DJ MoB

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