言葉という魔法
僕にとって言葉はいつだって魔法だった。
何気ない毎日が何気なくなくなること、辛いことがあったときにふわっと新たな次元に自分を連れていってくれること。全部言葉という魔法の力だって思う。
言葉の魔法にかけられたとき、同じ言葉が自分の中でぐるぐるとまわっていく。なんどもなんども繰り返して、噛みしめて、最後には言葉じゃないものになって、自分の中にすっと入っていく。
言葉は最後には言葉でない何かへと昇華する。
言葉の魔法を使う人がすきだ。それは時にいたずらで、時には目の前の時間や空間に対して、恋をさせてくれたりする。
一方で、言葉に表すのがもったいないものだってこの世にはあったりする。言葉にしたくて仕方がないけど、そのままそっとしておきたくて仕方がない。そんなものに出会ったとき、心はとっても潤うのだし、同時に起きる葛藤は気持ちいい。
人が生きていく中ですることとか、出会うことは、事象としては意外と似通っているのかもしれない。だけど、それを千差万別にするもの、彩るもの、それがきっと言葉なのだと思う。
僕は言葉の魔法をもっと自由にあやつりたい。あやつってもっと身の回りの世界を鮮やかにしたい。
と同時に、ちゃんと現実に干渉する力だってつけていきたい。
こんな欲深さも、夢も、見ることができるのは、言葉の魔法のおかげさま。
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