神聖かまってちゃん - 33才の夏休み

33歳の夏休みが特別な歌なのは、33歳を歌った曲ではなく、あの日から33歳までを歌った曲だからだ。

時の流れはゆっくり進んできたようで思い返すとあっという間としか思えない。

つまらないことばかりの人生、何もないような人生、大した絶望があるわけじゃないけれど、未来に絶望していた人生。そんな日々に彩りを添えてくれた音楽や言葉たち。

少女は神聖かまってちゃんに出会うことで、止まっていた時間が動きだす。世界との向き合い方が変わっていく。クソみたいな世界が1トーン明るくなって見える。そうやって生きていく。

そんな風に生きた先にいる神聖かまってちゃんの今と、あの日を今まさにすごしている少女との対比、胸をさす言葉たち、美しいメロディーにえぐられる。

絶望の中で生きる退屈さをぬぐってくれるような音楽に出会った少年がやがて、アーティストになった。尖っていて、どのバンドとも違っていて、人間くさくて、どのバンドよりも不安定で危険な存在。一瞬で解散しそうであって、一瞬で消えそうでありながら、10年経っても音楽を続けている。退屈な人生はなにか変わっただろうか。今だってなんだかんだだるいんだろう。

それでもやっぱり君の背中は先を歩いていて、だけど遠すぎる存在にならずに人間をやってくれている。それが嬉しくって、ありがとう。

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