原曲原理主義者 VS アニクラDJ
本稿は旧ブログで取り上げていた原曲原理主義の加筆再編集版です。
どうも、最近はジャンル二本立てでセトリを組むことが多いあつあつ管理人です。
今回は原曲原理主義と言う何やら物騒な単語の方々とそれと戦うアニクラDJの話をしようかと。
結論から言うとファンとしての方向性が違うだけで戦ってはいないんですけどね…。
原曲原理主義者とは
「ぶっちゃけDJのオナニー見るためにイベント来てるわけじゃないんで、変におしゃれ気取ってRemix流すより原曲流してくれませんか?」
お客さんから言われた衝撃的な一言。
ノックバックが強すぎて酔いが一気に覚めたのを覚えています。
大学のサークルでDJをやっていた経験があるんですが、普通に仲良くしてると思ってた後輩からこういう事をサラッと言われるとビビります。
上記のような話ってどうやら自分だけが経験しているわけではなく、Twitterでも原曲 VS Remixみたいな二元論的な話がTLでちらほら出てきているので、多くのアニソンDJがそういう事を言われているはずです。
そして、今回話題の渦中にいるのが原曲を流してくれと要求している彼等…原曲原理主義者でございます。
大体ですが、行動や特徴をサラッと紹介すると
・原曲じゃないと盛り上がれない為、原曲を流すと前に来てくれるし、場合によってはプロジェクターに土下座
・Remixを流すと即ソファや椅子に根を下ろす。ヤジこそ飛ばさないもののとても退屈そうにしている
・再び打ち曲が来るとスニッカーズのようにポケットに忍ばせたウルトラオレンジをパキる。
まぁ、三つ目に関してはかなり信憑性薄ですし、どんな曲流した所でウィクロスをやってた奴も見たことあるんで、十把一からげにそうであると言うのは難しいです。
アニメ面白かったし、思いつつも分島花音という良いアーティストを知ることができたので満足。ただ、俺がDJやっている時にカードゲームしてた連中は絶対に絶対に許さないので俺がテイラー・スウィフト。
ただ、確実に言えるのは原曲原理主義のお客さんはどの会場にも絶対にいるし、私のような弱小アニクラのお客さんの大多数がDJのファンではなく原曲原理主義者なので、切っても切れない問題ですね。
何故原曲原理主義者は必ず居ると断定できるのか
私達DJは音楽が好きな人間で、アニクラDJはついでに言ってしまえばアニメも音楽も好きな人達です。
なので、アンダーグラウンド文化とも言えるクラブハウスに出入りしている時点でお客さんもDJと同じく音楽もアニメも好きな人だと勘違いしてしまいがち。
しかし、蓋を開けて見ればアニメは好きだけど、曲に関してはそこまで興味はなく、流れているアニメの曲やボーカロイド楽曲、ゲーム音楽を肴に楽しく過ごしたい、どっちかと言うとコンテンツの真ん中の方にドップリ浸かっている人々が大半を占めているわけです。
あくまでも仮説ではありますが、アニクラDJとお客さんにおけるイベントに対する意識の持ちようだとか、認識の齟齬が今日におけるお客さんに対して原曲原理主義者と不名誉に見えやすいレッテルを貼る原因だと言えるでしょう。
アニクラはクラブシーンのガラパゴス
何故このような仮説が立つかというと、クラブシーンにおけるアニクラは特殊なジャンルに入るからです。
何故アニクラで知らない曲を流す盛り下がるのかはハードコア界隈で有名なDJ techorchさんがこちらの記事でたくさん書いてくれているのでそれを参照していただければ大体分かるかと。
要約すると元来、クラブと言うものは新しい曲や知らない曲を掘っているDJのパフォーマンスを聞くことで未知の領域を開いてもらうという場所だったのがアニクラでは逆転している現状があります。
原曲原理主義と言う単語がTLを跋扈する程度にこの現象はDJやオーガナイザーは認知しています。
お客さんは知らない曲では全く盛り上がらない事くらい数イベントこなせば嫌でも気づくはずです。
しかし、DJとしての矜持がある以上、リスナーに良い曲を届けるという使命感は少なからずあるからRemixやbootlegは流してみたいし、お客のキャパを試してみたいのも事実。
ただ、現状お客さんの比率が音楽好きよりアニメ好きの方が多いわけで、その中には力を持っている、声が大きいファンもいることでしょう。
その話を間に受けてしまって、原曲原理主義とRemix流したいアニクラDJの構図が生まれているのでは無いかと言うのが私の仮説なわけですがどうでしょう。
原曲原理主義者とBootlegの共存は可能なのか
以上のようにこの話の根幹にある問題は「アニメ」が好きでアニクラに行ってる人達と「アニメ音楽」が好きでアニクラに行ってる人達が同じ土俵に立っているから起きるわけです。
似ているようでクラスタ単位でみると全く違う属性なので琴線に来る選曲やピークタイムの振る舞いって一般イベントとは随分勝手が異なるのは必然です。
ただ、そこを嘆いてばかりいても前には進めないですし、DJばっかりがbootlegやRemix流したいとイキりたってもお客さんが楽しめないのでは意味が無いし、お客さんがいないとイベントとは言えないわけです。
そうすると、原曲原理主義なんて言葉を使っている私のようなアニクラDJの方が限りなくナンセンスになりますし、別にアニクラに拘らなくても普通のダンスミュージックイベントを開催すれば良いじゃ無いという話にもなるわけです。
従って共存なんていう論理は現状存在しません。
それでもやっぱり流したい
全方向に毒を吐くという四面楚歌ぶりを発揮する今回のポストですが、何も喧嘩をしたくてこういう話をしているのではなく、中間のオタクがもっと増えて欲しいと思ってのポストです。
ただ、敢えて無茶苦茶失礼な事を申し上げます。
RemixやBootlegをメインでゴリ押しすると波風が立つなら原曲のツマ程度でとどめておけばええやん。
SoundCloud大好きマンにあるまじき熱い手のひら返しをしておきます。(お願いだから私だけDLできませんよーとかマジでやめてください死にたくなります)
この話をするには、私の経験からくる選曲論や文脈について話さなければいけないんですけれど、それをすっ飛ばして、こういうことを書いてしまう事を許して欲しいです。
字数も多くなってきたので、サラッと説明すると、アンセムばっかり流しても退屈なら、縦ノリをさせない楔としての役割をBootlegには演じてもらうし、そこでお客のキャパが上がって流しやすくなるならDJも楽しくなってもっとイベントが素敵なるやんって言う理論です。
ミックスのスパイス、私という個人を醸し出すエッセンスとしての役割 、あるいは悪い意味での休憩タイム、嵐の前の静けさ的な演出、なんでもいいんですけど、もしBootlegを流したいのであれば、逆に原曲でもDJができる力量を示す必要があるのではないかと。
DJという人達がそもそも何者なのかを具体的に説明できるオタクが何人イベントにいるんだ、イベントの空気に一体感は出ているのか、とにかくbootlegを流すためにもDJとお客がアウェイ同士ではダメでしょう。
この人なら今回のイベで3000円払っても惜しくない、位に言わせるぐらいの信頼感、安定感のあるDJをやらなければBoot流すなんて夢のまた夢。
アンセムばっかり流して、つなぎも適当、テキーラでお茶を濁すようなら今すぐDJコン売ってWiiUとスプラトゥーン買ってこい。 (まぁ私のことなんですけど)
とにかく、流したいならDJとして相応の努力をしましょう。話はそれからです。
まとめ
1 原曲原理主義と呼ばれる厄介なオタクは少なからずいる
2 アニクラDJが厄介と思っている理由、それはアニメファンと音楽のファンという根本が別々の人種なのに、同じ議場で議論をしようとするから話が通じにくくなっている。
3 原曲原理主義はお客である以上無視はできないし、ニーズに応えられないとイベントとして成立しないでしょう。後、持論だけど、自己満DJばっかりやってても楽しくないよ。お客さんと楽しくなりたいよ。
4 ただ、我を殺して役割に忠実なDJっていうのも苦痛。ならば、お客と信頼関係を作って、こっち側に引き込む作戦に出ましょうよ。
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