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私がロンドンを好きな理由②〜多様性〜

毎日色んなことが起こり、あっという間に時間が過ぎてしまう。
ロンドンを好きな理由は色々あるけれど、やはりこの街の多様性が大好きです。(世界一と言っていいと思う)この街には本当にいろいろな国から人が集まっていて、自分が外国人であるという感覚があまりない。
街を歩いていても英語以外の色んな言語が聞こえてくる。それこそ顔を見ても中東系、アジア系、アフリカ系、ラテン系、本当にさまざまだ。誰がイギリス人か私にはなかなかわからない。

つい先日もバスに乗っていたら、外国人と思われる男性客が3名乗ってきて運転手に「チケット3枚ください」と現金を出していた。オイスターカード(pasmoみたいなカード)かクレジットカードで乗れるんだよと運転手さんがチケットの買い方や乗り方を教えていて、日常茶飯事でしょうから運転手さんも大変。。

バスの中を見回しても実に多様な人達が乗っている。すると前に座っている女性2人の会話がはじまった。
「素敵な帽子ね!赤い色がとても似合ってるわ」とお婆さんに話しかけた女性に
「ありがとう。ところであなたはどこの国の方?」とそのお婆さんが返すと
女性はトルコから移住している人だった。ひとしきり会話が弾み、そのお婆さんはその隣の人にも話しかけていた。その人はイスラエル人。こんな風にバスの中で知らない人と会話を楽しむなんてなんだかすごくいいな〜 
最後に「楽しかったわ。さようなら」と挨拶していく。みんな降りてしまい、お婆さんは後ろを振り返り、今度は私に「ねえ、あなたこの道なんて名前だか知ってる?」「へっ?知るわけないじゃん」と思ったが、窓から乗り出して見てみたら道の名前が書いてあったので「◯◯ streetって書いてありますよ」と答えたらウィンクされた。いいな〜お婆ちゃん!

街を歩いていると、私でもよく道を聞かれる。自分がよそ者ではない感じが居心地がいいのかもしれない。

「Year of the Rabbit」

さて、多様な人が集まるロンドンでは毎年中華街をはじめとして旧正月のお祝いイベントが行われる。これは娘から聞いた話だが、これまで旧正月は「Chinese Newyear」というタイトルでお店などのイベントが開催されていたが、これだと中国以外で旧正月を祝う国の人達から不満が出る。
そこで数年前頃から「Lunar(月) New year 」という言葉が使われたりしていたそうだが、さて今年イベントを企画するのにどの表現がみんなにとって受け入れられるんだろうか?と話し合った結果「Year of the Rabbit」にしたそうだ。これなら皆んなに受け入れられる。そうしたら他のお店や企業なども同じように「Year of the Rabbit」にしたところが多かったそうだ。

多様性を尊重する社会とは、一方で受け入れられても他方では受け入れられないということは、よく起きるだろう。面倒臭いと言ってしまえばおしまいだが、皆んなにとって一番受け入れられる方法を探りながら、譲り合うことも必要だと思う。
試行錯誤しながらお互いに干渉しすぎず、でも少しずつ理解していくことが、居心地の良い社会を作っていく秘訣なのかなと思う。
なかなか簡単ではないね。

それでもロンドンは、色んな人がいて地下鉄内で電話しようが、ご飯を食べようが、犬を連れていようが皆んな気にしない。カオスといえばカオスだが、そんなところが私がロンドンを好きな理由だ。




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