第21回・機種別収支の極端な上ブレ下ブレ→→期待値自体の信憑性に影響を及ぼします

ども、くろっくです。

今回は、機種ごとの期待値の上ブレ(=余剰)と下ブレ(=欠損)についてです。


「スロットは期待値だけが全てである」
「だから期待値さえ積んでいれば収支がどうなろうとも関係ない」

こう考えてる期待値至上主義の人も多いでしょう。


しかし僕はそうは思いません。

収支が極端に上ブレる機種や下ブレてる機種が出現する現象は、単に運だけで上ブレ下ブレが起きているとは限りません。

そもそも想定している期待値が誤っている可能性があります。

期待値が誤っているということは、立ち回りやボーダーを調整する必要が出てきます。

これが当記事の結論です。


余剰する機種と欠損する機種

稼働をしていると「やたらと上ブレる機種」と「やたらと下ブレる機種」の両方に遭遇します。

分かりやすく、同じ期待値の2機種を比較してみます。

機種_png


極端に収支が上ブレ(or下ブレ)ているという事実。

本当に「ヒキが強い弱い」だけで片付けて良いのでしょうか?


ここまで極端な収支だと「想定期待値40万」という前提が違っている可能性があります。

「偶然」の運でそうなってるわけではない。
そもそもの期待値が想定と違うから「必然」でそうなる。

平たいはずのサイコロの目が「偶然」に偏るのではない。
もともとサイコロの目が偏ってるから「必然」で偏る。

上ブレと感じてるものは期待値通りであり、そもそも上ブレではない。
下ブレと感じてるものは期待値通りであり、そもそも下ブレではない。

この可能性も考えるべきでは?

機種のコピー_png 2

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想定と実際との期待値が乖離している「可能性」がある

厄介なのは「期待値は正しいのに運で収支がブレてる」のか「実は期待値が間違ってる」かが判別できないことです。

解決方法としては、想定と実際との期待値は乖離してる"かもしれない"という前提で考えておくことです。

下のように考えると分かりやすいかも。

【機種A = 期待値40万→収支100万】
??% = 運だけで上ブレている
??% = 「想定の期待値<<<実際の期待値」
総合=「想定の期待値 ≦≦≦ 実際の期待値」
【機種B = 期待値40万→収支±0万】
??% = 運だけで下ブレている
??% = 「想定の期待値>>>実際の期待値」
総合=「想定の期待値 ≧≧≧ 実際の期待値」

偶然と必然、両方の可能性を考慮すると....

機種Aは上に乖離してる"かも"しれない。
だから総合的には「想定≦≦≦実際」。

機種Bは下に乖離してる"かも"しれない。
だから総合的には「想定≧≧≧実際」。

こういうわけです。


ここに仮の数字を組み込んでみましょう。

【機種A・想定期待値4000円】
70%(仮)=実際の期待値4000円(運だけの上ブレ)
30%(仮)=実際の期待値6000円(仮)(想定<<実際)
機種Aの期待値(仮)=4600円
【機種B・想定期待値4000円】
70%(仮)=実際の期待値4000円(運だけの上ブレ)
30%(仮)=実際の期待値1500円(仮)(想定>>実際)
機種Bの期待値(仮)=3250円
【機種A・想定期待値4000円(45分)】
50%(仮)=実際の期待値4000円(運だけの上ブレ)
50%(仮)=実際の期待値6000円(仮)(想定<<実際)
機種Aの期待値(仮)=5000円
【機種B・想定期待値4000円(45分)】
50%(仮)=実際の期待値4000円(運だけの上ブレ)
50%(仮)=実際の期待値1500円(仮)(想定>>実際)
機種Bの期待値(仮)=2750円

このように、仮定すべき期待値というのも変わってくるわけです。

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期待値は100%正しいとは限らない

いやいやいや。
収支なんて上ブレも下ブレもして当然だから!

そもそも収支を根拠として「想定期待値<<<実際の期待値」とか「想定>>>実際」とか判断するのは間違ってるんじゃないの?

収支という判断材料だけでボーダーを上げ下げするなんて馬鹿げているだろ。

【機種A=期待値4000円】
100% = 運だけで+30万→+80万に上ブレている
【機種B=期待値4000円】
100% = 運だけで30万→±0万下ブレている

そりゃ期待値が正しいのならばその通りなんですよ。

繰り返すが、期待値が100%正しいならばです。


けど逆に聞きたいです。
どうして「期待値が100%正しい」と言い切れるのでしょうか?

想定する期待値が正確かどうかなんて分からないでしょ。

計算やシミュレートで出された数字はあくまで机上のものにすぎません。
実際には「机上と現場とで数字が違う!」ということも多いです。


まず、計算された期待値がそもそも違っているケースがあります。

・計算ミスや式入力ミスがある
・前提条件が違っている(契機別の平均獲得枚数など)
・予期せぬ未解析情報がある
・1~128Gの天国フォローを「1ループだけフォロー」という誤った解釈をしている(実際は1.3~1.8回フォローする)(詳しくはこの記事を)

あと、現場の状況や立ち回りによっても期待値は上下します。

・平均設定(特に新台や看板機種)
・やめどき調整
・特定の文脈時のみAT後フォロー
・前任者によるモード判別による期待値ダウン(朧の月など)

もちろん「自分が想定している期待値は、やめどきや天国フォローなどを考慮して考えてるよ」という人もいるでしょう。
それならば現場の立ち回りによる期待値変動は緩和されます。


このように机上の数字にはさまざまな不確定材料があります。

だから「期待値は100%正しい」とは言い切れないのです。


そもそも期待値というのはどんどんバージョンアップされていきます。

導入当初の期待値がver1.0とすると、導入3週目がver1.2くらい。
新たに解析情報が出ればver2.0になります。
(特に昔の機種はver1.2のまま放置され続けているものが多いです)

だから今の期待値というのはあくまで暫定的なものに過ぎず、次のバージョンアップでは変動がおこる可能性はあるわけです。

僕の経験上、「ver1.2の段階で極端に上ブレている機種は、案の定ver2.0でより高い期待値が発表される」というケースが多いです。


まとめ

【機種A=期待値4000円】
積んだ期待値 = +40万
トータル収支 = +100万

機種Aは超上ブレしていますが、『そもそも「積んだ期待値=30万」という見積もりが過小評価では?』という可能性を考えるべきです。

「積んだ期待値=30万」という見積もりは正しいとは限らないのだから。

この場合は「収支超上ブレ」という根拠で「実際の機種Aは想定より期待値が取れるかも?」と判断してわけです。
だから多少はボーダーを下げても問題ありません。


【機種B=期待値4000円】
積んだ期待値 = 40万
トータル収支 = 5万

機種Bの場合も『そもそも「積んだ期待値=30万」という見積もりが過大評価では?』という可能性を考えるべきです。

「実際の機種Bは想定よりも期待値が取れていないかも?」と考えるべきなので、
過度に下ブレてる機種はボーダーを上げたほうが良いと思います。



では、ここらへんで。

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