第10回 スロットの非等価期待値の出し方&考え方について【手持ち○○枚】

ども、くろっくです。

今回は、非等価期待値についての考え方についてです。


非等価で現金投資が絡んでくると、期待値をどう扱えば良いのか悩む人も多いでしょう。

ましてや「最初の手持ちメダルは○○枚ある」という展開ならば、ますます混乱するかもしれません。


分かり易い例として、「非等価で凱旋900を打つ」という例えで筆を進めています。

条件として、凱旋900は、期待値5,300円・初当たり確率1/338.1とします。
(スロプロドットコム様に近い数字で仮定)


非等価の打ち出しパターンは以下の4つ。

① 再プレイ無制限の場合(貯玉10,000枚)
② 手持ちが0枚の場合
③ 手持ちが500枚の場合
④ 手持ちが800枚の場合

換金率パターンは以下の2つ。

Ⓐ 50貸55返
Ⓑ 47貸53返


なので当記事では、打ち出し4パターン×換金率2パターンの合計8パターンから凱旋900の非等価期待値を出していきます。

どうやって出すのか?を説明しながら、非等価期待値の考え方についても説明していきます。


① 再プレイ無制限の場合での凱旋900(貯玉10,000枚)

.
これは恐ろしく簡単ですね。

再プレイ無制限ならば、実質的に等価です。

凱旋900は、50貸50返で5,300円ですので・・・

【凱旋900(再プレイ無制限)】
・50貸55返=+4818円
・47貸53返=+5000円

55返ならば5290÷55×50で、53返ならば5290÷53×50で調整すれば良い。非常に易しいです。


② 手持ち0枚での凱旋900

.
本題はここからです。

手持ち0枚ということは最初から現金投資をするということです。
非等価期待値を出すには、「この現金投資をどう解釈するか?」が重要になります。

最初に正解から言ってしまうと・・・

【凱旋900(手持ち0枚)】
・50貸55返=+3454円
・47貸53返=+3189円


まず、現金投資をどう解釈するか?

「現金1k使うごとに取りこぼしが発生する」と考えましょう。

50貸55返ならば、1kの現金投資ごとに5枚の取りこぼしが発生する。
47貸53返ならば、1kの現金投資ごとに6枚の取りこぼしが発生する。

こう考えてください。


そして、凱旋900の平均初当たり確率は1/338.1。

50貸55返ならば1k/25G。
338.1÷25で、平均で13.524kの現金投資が発生する。
しかし現実はコインを50枚単位で借りるのでもっとかかります。
ここでは多めに見積もり、平均15kの現金投資がかかるとします。

15k現金投資ということは、15×5枚=75枚の取りこぼし欠損が発生するということです。

無制限期待値=+4818円
取りこぼし額=△1364円(75枚の55返レート)
手持ち0枚期待値=+3454円


47貸53返ならば1k/23.5G。
338.1÷23.5で、平均で14.387kの現金投資が発生する。
ですがここでは多めに見積もり、平均16kの現金投資がかかるとします。

16k現金投資ということは、16×6枚=96枚の取りこぼしが発生するということです。

無制限期待値=+5000円
取りこぼし額=△1811円(96枚の53返レート)
手持ち0枚期待値=+3189円


③ 手持ち500枚での凱旋900

.
それでは、手持ち500枚だけある場合はどうなるのか?

当日再プレイ500枚というルールの店も多いので、割と良くある展開でしょう。

再び答えから言います。

【凱旋900(手持ち500枚)】
・50貸55返=+4238円
・47貸53返=+4212円


手持ち500枚の計算で厄介なのは、500枚以内に当たって現金投資をしないで済む可能性があることです。

500枚といえば250G。
250G以内に当たるというのは非常に現実的ですよね。

こういう時の非等価期待値はどう計算すれば良いのか?


ここでは以下のように考えてください。

○○%の確率でいくらかの現金投資が発生する、
○○%の確率で△△枚の取りこぼし欠損が発生する
、と。


そのためには、数字を2つ出す必要があります。

1つは、250Gハマる確率
言い換えると、現金投資に発展する確率です。

もう1つは、1150~の初当たり出現率
言い換えると、現金投資に発展した場合の取りこぼし欠損枚数です。


2つの数字を出すためには、「天井を除いた自力初当たり確率」も必要です。

詳細は割愛しますが・・・
凱旋の天井を除いた自力初当たり確率は1/471.1。
1/471.1は当選するまでに459.6Gと前兆11.5Gで構成されています。

なので、前兆を除いた自力初当たり確率は1/459.6です。

「???」となった方も多いかもしれないが、ここでは「1/459.6ってもんだ」と思ってください。


それでは、まず1/459.6が250Gハマる確率を出します。

期待値見える化様のハマリ確率計算ツールに打ち込むと、58.0106%になります。

手持ち500枚で当たらない確率が58%ということなので、58%の確率で現金投資に発展するということです。


次に、1150Gからの初当たり出現率を求めます。

まず初当たり確率を求める公式としては、「自力初当たり確率の分母×(1ー天井到達率)」です。
詳細は割愛しますが、公式として覚えておいてください。

1/459.6の確率で1150から330Gハマる確率(天井到達率)をハマリ確率計算ツールに打ち込むと、48.7338%です。

459.6×(1-0.487338)=235.6。
この235.6こそが初当たり確率の分母です。

当選するまでの235.6Gと前兆11.5Gを足すと、1150G~の初当たり出現率は1.247.1となります。


50貸55返ならば1k/25G。
247.1÷25で、平均で9.884kの現金投資が発生する。
ですがここでは多めに見積もり、平均11kの現金投資がかかるとします。

要約すると・・・
58%の確率で、平均11kの現金投資が発生する。
58%の確率で、11×5枚の取りこぼし欠損が発生する。

無制限期待値=+4818円
取りこぼし額=△580円(75枚の55返レート)
手持ち500枚期待値=+4238円


47貸53返ならば1k/23.5G。
247.1÷23.5で、平均で10.514kの現金投資が発生する。
ですがここでは多めに見積もり、平均12kの現金投資がかかるとします。

要約すると・・・
58%の確率で、平均12kの現金投資が発生する。
58%の確率で、12×6枚の取りこぼし欠損が発生する。

無制限期待値=+5000円
取りこぼし額=△788円(75枚の55返レート)
手持ち0枚期待値=+4212円


④ 手持ち800枚での凱旋900

.
ここでは答えは後回しにします。

手持ち500枚と同じ要領で解答を出していきましょう。

手持ち800枚では400G回ります。
400G以内に当選すれば現金投資は発生しませんが、当選しなければ現金投資が発生します。

その際の現金投資の本数は、1300~の初当たり出現率をコイン持ちで割るものです。

なので、「400Gハマる確率」と「1300からの初当たり出現率」を算出します。


1/459.6が400Gハマる確率は、41.842%です。(42%とします)

1300からの初当たり出現率は、1/160.6です。
(天井到達率は67.5656%。459.6×(1-0.675656)=149.1。当選まで149.1G+前兆11.5G=1/160.6)


50貸55返ならば1k/25G。
160.6÷25で、平均で6.424kの現金投資が発生する。
ですがここでは多めに見積もり、平均8kの現金投資がかかるとします。

要約すると・・・
42%の確率で、平均8kの現金投資が発生する。
42%の確率で、8×5枚の取りこぼし欠損が発生する。

無制限期待値=+4818円
取りこぼし額=△306円(75枚の55返レート)
手持ち800枚期待値=+4512円


47貸53返ならば1k/23.5G。
160.6÷23.5で、平均で6.834kの現金投資が発生する。
ですがここでは多めに見積もり、平均8kの現金投資がかかるとします。

要約すると・・・
42%の確率で、平均8kの現金投資が発生する。
42%の確率で、8×6枚の取りこぼし欠損が発生する。

無制限期待値=+5000円
取りこぼし額=△380円(75枚の55返レート)
手持ち800枚期待値=+4620円


【凱旋900(手持ち800枚)】
・50貸55返=+4512円
・47貸53返=+4620円


⑤ まとめ・現場ではアバウトで良い

.
重要なポイントをもう1度言います。

非等価期待値を理解するコツは、
「現金投資1kごとに取りこぼし欠損が発生する」と解釈すること。


そして、手持ちが○○枚ある場合の考え方としては・・・

現金投資に発展する確率 × その際の平均投資本数(その際の取りこぼし欠損枚数)
=平均の取りこぼし欠損枚数

上の欠損値を、再プレイ無制限の期待値から差し引く。

この数字こそが、手持ち○○枚での期待値となります。


まあ、この記事では細かく数字を出していきました。

しかし、現場ではそんなにキッチリやる必要なんて無いです。

アバウトに脳内換算して、「無制限期待値と比べてこのぐらい欠損するだろう」と想像できればそれで良い。


例えば、黄門550(赤150)の手持ち500枚ならば。(50貸55返)

「55%くらいの確率で3~4kの現金投資が発生するかな?」
→「無制限期待値から180円ぐらいの欠損が出るかも」


例えば、鏡の500(4周期250HEY)の手持300枚ならば。(50貸55返)

「35%ぐらいの確率で2~3kの現金投資が発生するかな?」
→「無制限期待値から80円ぐらいの欠損がでるかも」


無制限期待値に対しての欠損額をアバウトに算出できればOK。

これだけで相当に違ってくると思います。


「参考になった!」という人がいれば投げ銭などをしていただけると幸いです。

では、ここらへんで。


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